フランス南西部 ビアリッツ (2)
(2)食べ物
フランス南西部の特産品として知られているのが、フォア・グラfois gras。クリスマスやお祝いの特別な時によく食卓にのります。日本で入手できるフランス産のフォア・グラは値段も高めで、独特のにおいや舌触りもありあまりお目にかかることはないですが、フランス南西部特にランドLande県ではフォア・グラをはじめ、鴨の肉や内臓を使った食べ物が多種類あります。しかも南西部はフランスでも長寿者が多く、これはフォア・グラに入っている鴨の脂肪が心臓によいからである、という見方もあるほどです。
そしてジャンボンJambon。ジャンJambはフランス語で足.豚の腿から下の部分を塩漬けにして乾燥させたものがジャンボンで、足一本分丸ごと売ってあります。ジャンボンで知られる地方は、私の住んでいるサヴォア地方やコルシカ島などもありますが、特にバヨンヌBayonneのハムといえばわりと日本でも知られているかもしれませんね。バヨンヌではPierre Ibaïaldでジャンボン工場の見学をしました。最後にはジャンボンの味見もできるというおまけつき。ジャンボンとソシソンが天井からぶら下がった部屋で製造過程について聞くことができます。
それからエスプレット・ピーマンpiment espeletteというのもこの地方のエスプレットという町でたくさん獲れます。姿・形は日本で見るピーマンですが、これは赤トウガラシ。バスク地方のお料理によく使われます。
さらに海岸ということもあり、やはり魚介類。特にシピロンChipironという小さなたこがこの辺りの特産。トマトソースにエスプレット・ピーマンを効かせたスパイシーなメニューもあれば、にんにくといためただけのシンプルなメニューもあり。そしてなんといっても新鮮な魚介類を使ったパエリアが楽しめます。私は地元の人々に人気のマルシェのすぐ近くにあるBar Jeanというところで滞在中2回パエリアを食べました。そして食後のデザートはガトー・バスクgâteau basque。バターをたっぷり使ったお菓子で、なんだか懐かしい味です。
マルシェも屋内で毎日午前中営業しています。別棟になった魚介類部門のマルシェには、すしバーもあり。私の住む町は屋外で週に1回のマルシェですが、やはり毎日新鮮な食材が手に入るっていいなあ、と思いました。
(3)スポーツ
南部で人気の高いスポーツといえばラグビー。町でよくみかけるALLEZB.O.というのはビアリッツのラグビー・チーム、ビアリッツ・オリンピックを応援するポスターです。スタジアムを通りかかった時にたくさん人がいたので何をしてるかと思いきや、オリンピックの選手たちが練習を終えて出てくるのを待ち構えてサインをもらおうとスタンバっていたのでした。
それからビアリッツはサーフィンも盛ん。国際大会などがよく行われるそうです。1960年代にアメリカの映画監督ピーター・ヴィエルテルPeter Viertelがヘミングウェイの小説「日はまた昇る」の映画化のためにビアリッツに滞在した際に、休憩時間にサーフィンをしたところ、すっかり地元の人々もサーフィンの虜になって、フランスでサーフィンが始まるきっかけとなりました。
そしてペロト・バスクPelota Basqueもこの地方独特の球技です。古代ギリシャやローマに源を発するというこのスポーツ、スペイン語でLa Pelota vasca、英語でBasque ballと呼ばれ南米や米国でも行われます。基本的には壁(フロントンFrontonと呼ばれる)にボールをぶつけ、コート内に入れて競技しますが、素手でボールを打つマン・ヌゥmain nueや、籠のようなグローブを付けてボールを投げるセスタ・プンタcesta puntaなど、いろいろ種類があります。フロントンはどんな小さな村でもこの辺りでは標準装備だそうです。ちょうど滞在中にあった試合を見に行ってきました。
以上、短い滞在でしたがとても興味深い地方でした。また行ってみたいと思います。
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