ランズゲマインデ由来のお菓子 Landsgmendchrempfli

公開日 : 2016年04月29日
最終更新 :

毎年4月の最終日曜日に開催される「青空議会」ランズゲマインデ(ランツゲマインデ、Landsgemeinde)について、すでにご紹介しました。

(記事はこちら

さて、当日、ランズゲマインデ広場の近くに小さい屋台が立つのですが、そこに並ぶ焼きたてのお菓子、Landsgmendchrempfli、あるいはLandsgmendschrömをご存知ですか?

ランズゲマインデに由来する、ヘーゼルナッツペーストが入ったクッキーのようなビスケットのような焼き菓子です。

さて、どう発音して、どうカタカナにすればいいのでしょうか・・・

ランツグメンドゥフレンプリ? ランツグマントゥクフルゥーム?

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だいたいは半円形で、うっすら白く、表面には牛やサクランボ、洋梨、果物が入ったカゴ、白鳥や鳩などがエンボスになっていることが多いです。

大きさはまちまちですが、大きくても手のひらサイズ。

パン屋さんやお菓子屋さんは、この日は張り切って大量のLandsgmendchrempfliを焼きます。

そして、屋台に並べたり、カフェで出したり。

このお菓子屋さんのディスプレイにもしっかり写り込んでいますね。

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私は、食べやすい一口サイズ(二口サイズ?)の4個入りを別のお菓子屋さんで購入。

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いつからこのお菓子をランズゲマインデのときに食べるようになったか、はっきりは分からないそうです。

もともと、小麦粉と卵と砂糖で作った生地でヘーゼルナッツペーストやレーズン、りんごなどを挟んで焼いて食べていたそうですが、一説には、アッペンツェルインナーローデン準州の修道院で主に作られていたとか。

記述として残っているのは、1930年代に行われた調査で見つかった「修道院のお菓子」(意訳。ドイツ語表記はKloster-Chrempfli)に関する文章だそうですが、「どうも修道院で作られて売られていたらしい」ということしかわかっていないそうで、そこからお菓子職人の手で現在のLandsgmendchrempfliに改良(?)されたという説が有効です。

地元の人がいうには、「生地がもともと甘いし、皮付きのヘーゼルナッツが入っているから、ペースト自体はそんなに甘くなくてもいい。あとは、レモンジュースかレモンピールを少し加えること。そして、カリカリしていることが大事」だとか。

最初はアッペンツェルアウサーローデンのパン屋さんで探してみたのですが、「ウチには置いてないのよ、ここはアウサーローデンだから!」と笑顔で答えてくれました。

次にインナーローデンのお菓子屋さんに行ったら、ほとんどどのお店にも置いてありました。

どのお店にも「アッペンツェルの伝統菓子」「アッペンツェルのオリジナル」と書いてあってちょっぴり自慢げ。

おじさんに「今しか買えないんですか? シーズン限定ですか?」と聞いたら、「いやいや、今では一年中売ってるよ」とのこと。

一年中売ってるけれど、そのイベントのときに食べるからこそ美味しい、っていう感覚もありますよね。

でも、来年までは待てそうにないのでフライイングで買ってしまいそうです。

*だいたい1個(手のひらサイズ)3フランから4フランです。

(2016年4月 1フラン=約124円)

筆者

スイス特派員

ヘス 順子

スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。

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