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カザフスタン/アスタナ特派員ブログ 旧特派員 新宮 亜佑

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2015年6月10日

スターリン体制下 政治犯の妻たちの強制収容所「アルジール」に日本人女性(後編)


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スターリン体制下 政治犯の妻たちの強制収容所「アルジール」に日本人女性(後編)

粛正が繰り返されたスターリン体制の下、「祖国の裏切り者」と呼ばれた女性やその妻
たちがアスタナから車で数十キロにある強制収容所「アルジール」に囚われていました。
 
さあ、いよいよ最終回。ここアルジールにいたといわれる日本人女性の記録に迫ります。
【前編はこちら】https://tokuhain.arukikata.co.jp/astana/2015/05/post_71.html/

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館内には様々な資料があります。夫の目録をめくると日本人がいました。ノハラ・ヒデア
キ少将、1910年北海道旭川市生まれ。関東軍の第二情報部隊副隊長だったとのことです。
 
1945年1月に逮捕され、戦後1947年3月にスパイ罪により銃殺されたと記されています。
 

20150523F.jpg

 
別の表に目を移すと、収監された女性の国別一覧表に日本人(Японка)1名とあります。
やはり噂は本当でした。ソ連時代に流刑地と呼ばれたこの地に日本人女性がいたのです。
 
しかしこの表からはこれ以上情報は得れません。どのような方だったのか気になります。
 

20150523E.jpg

 
そこで博物館の方に過去アルジールに日本人女性が収容されていたかどうか尋ねてみま
した。彼女はとても親切に調べてくれ確かに日本人女性がいた記録があると答えました。
 

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見せていただいた書類で「日本人」とされているのはヴォロシナ・エカテリーナ・ニコ
ラヴナという方。1900年生まれ、1938年に国家反逆者の妻として逮捕されたそうです。
 
彼女はここに8年間も収監。ロシア人と結婚して名前もロシア風に変えたのでしょうか。
 

20150523C.jpg

 
ちなみにこのほか日本の国会議事録には在大連ソ連総領事館員に日本語を教える仕事を
していた赤羽文子さんが政治犯としてアルジールに収監されていたとの記録があります。
 
中耳炎を患って難聴にもなり、栄養失調のため2年間の病院生活を強いられたそうです。 
 

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館内ではスターリンによる粛正の時代に生きた女性達の絶望と希望、弱さと強さという
様々な感情が伝わってきます。それから半世紀以上たち世界地図も大きく変わりました。
 
さて一通り見て回ったら博物館の外へ。真っ青な青空がどこまでも続くなか、それが鏡
となって美しく照り返される漆黒の御影石でできた立派な石版が目に飛び込んできます。
 

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この威厳ある石版は円錐状のアルジール博物館を中央に取り囲むよう設置されています。
 

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そう、これはアルジールで命を落とした7620人の女性たちの名前を刻んだ「記憶の壁」
 
冬は地面が雪で覆われていることから埋葬されず納屋に入れられ、春に纏めて墓地に埋
められたそうです。いわれなき罪を着せられ異国の地で倒れさぞ無念だったでしょうね。
 

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アルジール(ALZHIR)とは「祖国を裏切った者の妻たちのアクモラ収容所」の頭文字か
らなり、博物館はナザルバエフ大統領のイニシアティブにより2007年に開設されました。
 
このほか、マリノフカ村の方へ5分ほど歩いた所にもう一つのモニュメントがあります。
 

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ひび割れた赤い星はレーニン主義のシンボルでしょうか。地に墜ちた星、つまりソ連邦
の崩壊を意味するのかもしれません。見る者の想像力を搔き立てる象徴的な作品ですね。
 

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女性達の拘束は突然でした。着の身着のまま列車に乗せられ収容所に連行されたのです。
 
収容所への持ち込みは制限されていたものの遺品の中には手刺繍の美しいハンカチや高
い教養をうかがわせる書籍などがありました。二度と繰り返してはならない歴史ですね。

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【強制収容所跡地博物館「アルジール」(АЛЖИР)】
Address:pos. Akmol, Akmolinskaya
Phone:8 (7172) 499 455, 8(7172)542 669
Hours:9:00-18:00 (日曜休館)
Fee:大人300,学生250,小学生以下170,映画500(テンゲ)

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カテゴリー 見所・観光・定番スポット
2015年6月10日
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      新宮 亜佑
      旦那の異動にともないカザフスタンの首都アスタナでの生活がスタート。故黒川紀章のマスタープランの下、豊富な天然資源により目覚ましいスピードで近代化が進む都市で生活できる3年間、多くの日本人にとってまだまだ未知なる部分が多いと思われるシルクロードカントリーの魅力をお届けできたらと思います。

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