アスタナの隠れた観光名所? 威厳と奇抜さに秘められた歴史の数々☆(前編)
アスタナには時には荘厳な、時には奇抜な、そしてなんとも癒やし系な像たちがあちら
こちらにいます。何れも詳しい説明書きがなぜか皆無なので想像するしかありません笑
そこで地元の皆さまの協力を得ながら青銅の仮面に隠された歴史を紐解いてみました☆
まず手始めにこちら。深紅の花にかこまれるカザフの英雄バウルジャン・モームシュリ。
対独戦で発揮された巧みな戦術「螺旋」はチェ・ゲバラを唸らせ、戦後キューバで軍事
訓練の講義を行った際には勲章を受章。イスラエル軍も彼の軍略を研究したといいます。
こちらも有名な第8親衛師団イヴァン・パンフィロフ将軍。モスクワ出征に際して僅か
28人の斥候騎兵を率い独軍の戦車隊を撤退させたというカザフスタン屈指の英雄です。
迫撃砲を受け戦死してしまいましたが、その功績はロシアでもなお語り継がれています。
第8親衛師団よ永遠に。将軍の立像は28人の戦士の名前が記された記念碑とともに存在。
お次は「民族の友情」と呼ばれる噴水。実はこれ「杯」を現しているのです。3人が手
を繋いるのは武器を持たないという証で、友情と平和、そして調和が称えられています。
夏は子供たちの遊び場にもなっていて、中には水着を装着して果敢に噴水に挑む強者も。
こちらは新市街。バイテレクとハン・シャティールを結ぶ大通には小さな遊牧民が沢山。
遊牧民シリーズ全12体。立体感溢れる彫塑法で造られた彼らを全部見つけられるかな?
ふたこぶラクダの背中にあるのは€ではなく伝統的な移動式住居ユルトゥを意味します。
なぞの動物。たぶん馬のような気もしますが、どちらかというとチンアナゴですよね...
中央アジアの遊牧民に欠かせない楽器ドンブラの奏者はクルマンガズィ・サギルバユリ。
彼は作曲家でもあり、アルマティにはその名を冠した国立民族楽器交響楽団もあります。
ちなみにドンブラを演奏する際には演奏者がこれに先だって伝説を語ったりするのです。
こちらは偉大な詩人であり、啓蒙学者でもあるアバイ・クナンバエフ。カザフ文学の創
設者であり、革命家でもあった彼はロシア帝国の植民地政策を痛烈に批判していました。
アスタナ市内には彼の名に因んだ「アバイ通り」という目抜き通りが旧市街にありますよ。
やはり手にするのは民族楽器ドンブラ。詩人ジャンブル・ジャバエフは思想家でもあり、
19年世紀初めに起きた民族解放運動では自らの詩をもって大衆に蜂起を呼びかけました。
足下の記念碑には彼の詩の一節。「あの丘に登り 旗をかかげ共に祝おう 互いを認め
て団結し 連帯しよう」。共産主義華やかかりし1917年の10月革命が背景にあります。
労働者の武装蜂起を発端とした革命はカザフスタンのその後の命運を大きく変えました。
さあ前半はここで終了。次回アスタナの像たち(後編)は癒やし系チンアナゴとは一転
し、迫力ある漆黒の闘牛などカザフの歴史に深く関係するものに焦点を当てていきます。
時代に翻弄されながらも力強く生き抜いてきたカザフ人の軌跡、乞うご期待ください☆
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。