レストラン「ダ・ヴィンチ」

公開日 : 2008年05月23日
最終更新 :

  近所にオープンしたレストラン「ダ・ヴィンチ」。オープンして数ヶ月たっても、いつも予約で一杯だったのですが、ついにある金曜日の夜に予約に成功。ギリシアの食事時間はとにかく遅め。ランチは14時くらい、ディナーは21時半くらい。日本ならそろそろラストオーダーって時間ですよね。

 ホテルのレストランなどは通しで営業していますが、街のレストランでは21時前後の開店も多く、21時半くらいから続々とお客が来始めます。なので、22時に予約。4人で出かけました。

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 入り口付近はカフェテラスになっていて、ドアマンに予約してある旨を伝えると、うやうやしく中へ。入ったとたん、圧倒される造り。宮殿(?)みたいな階段があって中2階のようなスペースにはゆったりしたカウチがたくさんあり、いわゆるカフェバー&ラウンジ空間。2階はカウンターバー。オークとレザーの高級感溢れるドアを潜り抜け、やっとこさダイニングスペースへ。モノトーン調のシックなインテリアで、床は大理石とオニキスを使用しています。

 外のカフェ部分やプールが見渡せるテーブルへ案内されました。私たちの少し後に、エレーニ・フィリーニという女優さんが来店。お色気たっぷり系で、演技派というタイプではないらしいですが、ばっちりドレスアップしてセレブっぽい雰囲気を撒き散らしながら、歩いていきました。

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 アテネは安くて美味しいタヴェルナも多いですが、物価高に加え、ギリシア人は基本的に外食&浪費好きなので、都心部やちょっと高級なレストランだとふざけた値段のレストランも少なくありません。メニュー見てびっくりの値段だったらどうしよう...と一抹の不安を抱きながらも、店内の雰囲気と女優の登場で、期待度もヒートアップ。

 おそるおそる広げたメニューは、このお金をかけた造りにしては、んなアホな!というほどは高くありません。ワインもリーズナブルなものが揃っていました。しかし全員メニューを閉じているにも関わらず、ちっとも注文とりにきません。呼ぶと「ちょっと待ってね〜」という目つきで慌てて去っていったきり。周りのテーブルの人もウェイターを探しているのですが、全然つかまりません。

 待つこと30分後...やっとのことでオーダー。私は前菜に「ホワイト&グリーンアスパラガスのソテーとスフレ」、メインに「鴨のロースト アプリコットソース」を。あとの3人はツナのカルパッチョやシーザーサラダ。メインはステーキや平目と季節野菜のグリルみたいなのをオーダー。そして和やかに会談していたのですが...。

 気付くとまた30分経過。まだ〜?と思ったら何か運んできました。全員が前菜かと思いきや、お通しみたいなスープとちいーちゃなニョッキ。美味しかったですが、女性陣だけに運んできて男性2人には待てど暮らせど運んできません。もしや女性サービスデーなのか?などと日本の平日ランチみたいな想像もしてみましたが、「そんなのあるわけないでしょ〜」とギリシア人男性2人は文句を言い始め、またやっとのことでウェイターを呼び止めると、「すぐ持ってきます!」と厨房へ。

 しばらくして 言いつけられたっぽい若いウェイターがお通しを持って現れた!と思ったら...明らかに後から来たテーブルへ運んでいってます〜。男性陣はもうあきれて文句を言う気力もなく、やけっぱちな気分と抗議でフォークでお皿を叩き始める始末。でもそんなことお構いなしに前菜が登場!「お腹へった、もうどうでもいい」モードで食べ始めました。

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「ホワイト&グリーンアスパラガスのソテーとスフレ」(15ユーロ 約2400円) 4人全員一致の意見でこれが一番美味でした。

 一応、私は日本でも岸朝子風?に言うと料理記者歴10年。最高級神戸牛から女王アリまでなんでも食べてきましたが、アスパラのほどよい固さといい、スフレのまろやかさといい、確かに「おいしゅうございます」でした。 しかし!それからさらに1時間以上、メインは来なかったのです。鴨肉も柔らかくジューシー。ソースもギリシアでは珍しく繊細な味で、ホントに「おいしゅうございました」。でも食べ終わったのが既に日付変わって1時!うやうやしくスイートの注文にきましたが、「もう帰るっつーの」。

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「鴨のロースト アプリコットソース」(23ユーロ 約3600円) 鴨はとても柔らかく、杏の甘すぎず爽やかなソースとよくマッチしていました。

 一番年上の男性が「料理は美味しかったけど、サービスがなってない」とマネージャーにクレームをつけると、「まだ開店して間もなく、いろいろあって〜中略 延々と言い訳〜でも頑張ってます」...。ギリシアでは文句を言ったら最後、一種の逆ギレ?で思いつく限りの言い訳を聞かされることも多いです(^^;さすが古代からディベートしてる国だ〜と感心しきりです。

 フォローするわけではないですが、「ダ・ヴィンチ」、その後、平日のランチに行った友達はサービスはまともだったと言ってましたので、あの夜は何らかの理由があったのかもしれません。そうだとすると料理は美味しかったし、たまにはゴージャスな雰囲気の中での食事も楽しいかも。都心や伝統あるレストランで、あの料理とお金をかけた造りならお値段もっと高いだろうし。

 またカフェテラス部分はプールもあるし、これから夏に向けていいかんじで、賑わっています。昨夜、通りかかった時は、前回、ご紹介したラキスさんのクルマが停まってました。ラジオ局がらみのライブイベントもたまにあるようです。 

 ギリシア人は「フィロクセニア⇒外国人を愛す」という古代からの言葉があるほど、旅行者にはとても親切。でもギリシアのサービス業の意識は当然日本とは違います。まあ日本のサービス業がきちんとしすぎているんでしょう。まああまりにも「お客様は神様です」という接客をしなくてはいけないのもどうかと思いますが...。

 努力を重ね、きちんとしているけど細かいことにとらわれすぎて何かとプレッシャーの多い日本社会。アバウトすぎるけど、大らかで大枠は捉えているギリシア。長所短所が見事に正反対なので、足して2で割ればバッチリなのに〜とよく思います。

 しかし...古代からアリストテレス大先生も徳論の中で説いておりましたね。「中庸」というのが一番優れており、難しいのだと...(例えば勇気とは怯えと粗暴の中間であるとか)。

 バランスってホントに難しいのよね〜としみじみ感じる日々です...。

★DA VINCI (ダ・ヴィンチ)

住所    Αγ.Ιωάννου 23 Αγία Παρασκευή( アギウ イオアヌ 23 アギア・パラスケヴィ) 

TEL    210 6000 102

※追記です。先日(2008年11月12日)に再び行ったところ、すごくサービスはまともになってました。日本に帰国する友人のお別れパーティをしたのですが、お料理もとても美味しく、シャンパンボトルのサービスなどもあり、女性のしっかりしたマネージャーさんもおりました。サイトもできたようです。まるでバブル時代の東京...ジュリアナ東京や芝浦ゴールド(笑)を彷彿させるようなバブリーな内部の様子をこちらからご覧いただけます!

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