ギリシアのボランティア事情とアテネの犬猫

公開日 : 2008年09月29日
最終更新 :

 「ギリシアってボランティアに従事してる人は多いんですね?」と日本のある雑誌の編集者さんに聞かれた時、海洋生物などのボランティアくらいしか思い浮かばなかった私。しかしOECD加盟国の中でボランティア活動者の割合を調べたデータによると、ギリシアは世界で8番目!(データは2005年のものなので、04アテネ五輪が絡んでいるとは思いますが)。周りのギリシア人はみな、快楽主義(?)で食事や娯楽の合間に仕事をしているというイメージなので、ボランティアとは意外でした。

 そこで周りをリサーチしてみると、動物保護のボランティアをしている人、エーゲ海の美しいビーチを守るために清掃を行っている人、放火による山火事を防ぐためにグループで見回りをしている人(ご存知の方も多いと思いますがギリシアでは放火による山火事が多発)などけっこう従事している人がいるいる!

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 写真は捨て犬保護のボランティア中。アテネでは都心でも至るところにドデーンと犬たちが寝そべっています。彼らはシンタグマ広場の日影の芝生で自由に寝そべり、暑い時期はなんと噴水にダイブ!十分に体を冷やすと「やれやれ」というかんじで出てきて、チラシを配っている人たちのところにいってブルブルっと水しぶきをかけて遊ぼうとしたりします。

 下の写真は国立庭園の前の通りですが、人通りのある道のど真ん中で完全にリラックスしております〜。アクロポリスの遺跡でも神殿の階段にそんな調子で犬が寝そべっており、日本から来た友人も口々に「野良犬が堂々としてるね〜。人間もよけて歩いていてえらいね〜」と驚きます。確かに日本の犬たちはビクビクしているので、それに比べると私も最初の頃はびっくりしました。

 犬たちがのびのびしているのは、やはり人々が可愛がっていること、あと動物の行動は周りの人間に似ると言いますので、のんびりマイペース、人目など気にせず、何をするにも恥ずかしいという概念がないギリシア人に似るんだと思います。

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 少し前のガイドブックやサイトには「アテネの野良犬たちは予防注射をしていないので、さわらないようにしましょう」などと書いていますが、何をおっしゃるウサギさん、今はずいぶん進歩しております。

 シンタグマ広場などを中心にアテネの中心には約2000匹の犬が暮らしますが、全ての捨て犬に予防注射、既に400匹は去勢・避妊手術(続行中)が行われました。犬たちは市役所の職員と獣医を含むボランティアの人々の手により毎日の食事、毎月のヘルスチェック、里親探しなどの面倒を見てもらっています。シンタグマ広場の犬たちが着けている首輪、赤は女のコ、青は男のコ。幾つかの札には名前やケア中の医療情報、「里親募集ですが、市役所の保護下にあるので勝手に連れて行かないで連絡してください」となどと書かれています。シェルターも完備、皮膚炎や怪我をしているコたちもきちんとケアされており、なんと殺処分になる犬は1匹もいないのです!何かにつけて日本と比較すると「きちんとしてないね〜」と言われるギリシアなので、ちょっとこれには感動しました。 

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 私は幼い頃から動物が好きで、特に団体には属してませんが、捨て猫保護の活動をしてきました。実家では4匹(みなしご猫、行き倒れ猫など)を飼い、他の猫の面倒も見てきました。むやみにエサだけ与えるのは公衆衛生その他問題がありますが、近所の人も幸い、猫好きが多かったので協力して、野良猫にも予防注射や去勢・避妊手術を行い、エサ管理もきちんとする、いわゆる「地域猫活動」を行ってました。里親も10匹くらいは見つけました。それでも心無い人が、猫がクルマの上に乗るからと言って怒り、その猫を思い切り蹴り飛ばし、そのコはひどい怪我をしてしまいました。皆で手当てをし命はとりとめましたが、その時はとても悲しかったです。ギリシアではそういうことはめったにありません。いま住んでいるところは集合住宅ですが、庭にはたくさんの猫がフラフラしており、近所の人も全員と言っていいほどエサをあげていて、それについて文句を言う人もいません。

 日本は自分のペットを可愛がる人もたくさんいるけれど、その一方で年間何十万匹という犬猫が殺処分されます。また日本のボランティア従事者の数は、先進国の中ではかなり少ないのも実情です。

 でも…何かを始めたいと思っている人は多いのではないでしょうか?そこで!!!自分がギリシアのボランティアネタを書いたからというわけではありませんが、女性誌ROSALBA12号(美研インターナショナル9月25日発売)には、カンタンに始められるボランティアがいろいろ紹介されています。

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