ギリシアのお土産 PART4 ハーブの宝庫ギリシア

公開日 : 2008年11月25日
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 ギリシアはハーブのルーツの国。そもそもハーブとは、「ヨーロッパで薬効があったり料理のスパイスになる植物」を指しますが、古代ギリシア医学がベース。医学の父と呼ばれる古代ギリシアの医師・ヒポクラテスがハーブの効用について様々に書き記しており、よってハーブの学名はギリシア語であることが多いのです。

 そして現代においてもハーブの宝庫。地中海性気候の力強い陽射しをたっぷり浴びて育つハーブは、4千種とも5千種とも言われ、クレタ島の大学をはじめ各地で研究されています。 

 最近、重宝しているのが様々な痛み、炎症に効くハーブオイル「ヴァルサモ・ラディ」。別名「ラディ・イペリクー」。ハーブをオリーブオイルに漬け込んだもので、漬け込むハーブはギリシアの山々に普通に自生する植物。名を「イぺリコン ト ディアトゥリトン」(学名 イペリクム ペルフォラトゥン)といいます。

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 このハーブをオリーブオイルに漬けて2、3週間、日光の下に置きます。すると有効成分が染み出て、オイルの色が黄色から赤色に変わります。ビンではわかりにくいので、お皿にたらしてみましたが、写真のとおり、鮮やかな赤。ギリシア人医師の友人曰く、このハーブから抽出した成分「イペルフォリン」は病院や市販の鎮痛剤、消炎剤にも使用されるそうです。

 打ち身、ねんざ、切り傷、虫さされ、火傷、リューマチ痛、筋肉のつり、腰痛、膝痛、鬱、不眠などに効用があるという、まるで魔法のような万能薬オイル!古代から使われてきたオイルですが、映画「300」で有名になったレオニダス王率いるスパルタの戦士たちも常用していたという記述が残されています。怪我にはもちろん、戦いの前に体に塗布し皮膚を保護すると共に、筋肉をより逞しく見せて威嚇する効果もあったとか。

 使い方は手のひらに数滴たらして患部にマッサージするように塗り込みます。塗る際、患部が少し熱くなるような感覚があります。私は膝を痛めたことがあり、たまに痛くなるのですが、塗るとよくなります。アテネ・クラシック・マラソンで紹介したランナーの友人クリスは、いつもこれで怪我や関節痛を治しています。不眠などにはお茶に数滴たらして飲むという利用法もあるとか。薬局やBIO食品店などで売っています。いろいろなメーカーのものがあり、大きなビンのものもありますが、私は写真の2つがお気に入り。50もしくは60mlで6ユーロくらいです。自然のものでオーガニックなので、安心して使えるのが嬉しいです。ただ薬効成分が強いので、妊娠中や授乳期の女性は控えたほうがいいそうです。 

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 ちなみにギリシアはハーブ専門店も充実。写真はよく行くカリセアにあるハーブ専門店。驚くほど多くの種類のハーブティーやスパイスがあります。ギリシアの家庭に常備されているハーブティーとして最も有名なのは「山のお茶」(チャイ トゥ ヴヌー)でしょう。高い岩山に自生するハーブのお茶で、紀元前から風邪、胃腸病、貧血改善、呼吸器疾患などに効くとして、愛飲されてきた薬のようなお茶。ギリシアの家庭では具合が悪いとなったら、どんな症状でもまず「山のお茶」!風邪をひいたら寝る前に飲むと、特に喉の痛みなどは翌朝改善されます。味はハーブティーとしては飲み易い方だと思います。

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 胃痛持ちの人にもおススメ!こちらに来たばかりの頃、謎の胃痛に悩まされました。いま思うとやはり異文化の精神的ストレスだったと思うのですが、このお茶、ストレス性胃炎にもかなり効き目があり、病院で処方された胃薬より頼っていました。今から出かけなければいかんのに、胃が痛くて…という際に飲むと間違いなく効いたものです。写真の茶葉は、手前がペロポネソス地方、奥がイピロス地方の「山のお茶」。外国人にファンも多く、ギリシアで買い求めていく人も多いそうですよ。ハーブ店、土産物店、スーパーなどで売っています。お値段も1束2〜3ユーロくらいとお手ごろです。自然の恵みのパワーをぜひ試してみてください。

※ハーブ全般に言えることですが、薬効成分が強いため、妊娠中や授乳期の女性は使用を控えた方がいいものもあります。また他の薬品との併用は副作用をひきおこす場合もあるので、医療機関に相談してください。効用や効能には個人差がありますので、使用の際はご自身の責任でお願いします。

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