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ギリシア/アテネ特派員ブログ 旧特派員 有馬 めぐむ

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2009年3月27日

独立記念日と聖母受胎告知の日


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独立記念日と聖母受胎告知の日

 3月25日はギリシアの独立記念日でした。ギリシアはトルコに約400年間、占領されており、その支配からの独立を遂げたとされる日です。毎年アテネの都心、シンタグマ広場からパネピスティミウ通りを通ってオモニア広場付近まで大規模な軍隊パレードが催されます。また住宅街などでも子供たちによるパレードが行われたりします。
 またこの日は「受胎告知」の日。処女マリアのもとに天使ガブリエルが降りてきて、マリアが聖霊によってイエスを身ごもることを告げ、マリアも承諾の意を告げたという出来事。美術の教科書にも載っているレオナルド・ダ・ヴィンチやフラ・アンジェリコの有名な作品「受胎告知」を思い出す人も多いと思います。キリスト教文化圏の芸術の中でよく用いられるモチーフで、ギリシア正教においても宗教的に重要な意味を持つ日になっています。


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 独立記念日のパレードは毎年午前11時からで、シンタグマの国会議事堂の前で式典が行われた後、戦車などの特殊軍隊車両のパレードに続き、民族衣装を着たエヴゾネス兵を先頭に陸軍、海軍、空軍、警察や消防隊などが次々と行進していきます。シンタグマ広場から沿道はびっしり人々で溢れ帰り、老若男女、青と白のギリシア国旗を振りながら見物します。おじいちゃんに抱えられた小さな男の子はたいてい民族衣装を着ていたりします。


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 この様子はテレビでも放映されますが、やはり出かけると巨大な戦車が次々と目の前を通り過ぎ、同時に上空には轟音と共に戦闘機や偵察機、戦闘ヘリコプターなどが飛び交うので、かなりの迫力があり、出かけて直接見るだけの価値はあります。かなりの人出なので、早めにいかないと前の方では見れません。ことしはなんとか間に合いましたが、去年は思い切り出遅れてしまいました。でも雑誌の仕事でどうしても国会議事堂を背景にしたパレード写真を撮らねばならず、かといって沿道で撮れるのは人々のアタマばかり。どうにかならないかと周りを見渡すと、ゴミ収集ボックス(こっちのは大きいのです)に登っている男の子たちを発見。「私も上に乗りたいからひっぱりあげて!」と頼んだらみんなでひっぱってくれ、高い位置から無事いい写真が撮れました。すごく見晴らしがよく気持ちがよかったですが、10人くらいの体重に耐えているゴミ箱はへこむし滑りやすくけっこう怖かったです^^;毎年登ろうとしている人を見かけますが、かなり危険ですのでやめたほうがいいです(私くらいしかする人はいないとは思いますが)。パレードをしっかり見たい人は沿道の最前列の場所をとるために、少なくとも30分前にはシンタグマ広場に着いた方がいいです。


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 日本に建国記念日はあるけれど、盛大に花火を打ち上げたり、大規模なパレードがあったりという事がないので、よく日本では外国人の友人にも不思議がられました。こちらでもギリシア人に「自国の歴史をよく振り返って、国民の安全を守る立場にいる人たちを称えるという日がないと愛国精神というのも育たないのではないか」と議論を投げかけられます。
 ギリシアは民主主義発祥の地でありながら、古代から外国の脅威に脅かされ、オスマン・トルコによる壮絶な占領時代の歴史があります。また近代においてもヨーロッパ列強の勢力争いの渦中にありました。平穏な日々を送るようになってからの年月の方がはるかに短いわけで、多くの血を流して勝ち取った自由の重さを次世代に伝えていくことが重要視されています。都心の「国立歴史博物館」の前には独立戦争の際の英雄・コロコトロニスの像があり、中には独立戦争時の資料が展示され、多大な犠牲を払って成し遂げた独立への道、過酷な歴史の一部分を垣間見ることができます。


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 さてパレードが終わると一気に人波がひき、人々はタヴェルナへ。受胎告知の日はギリシア語で「エヴァンゲリスモス ティス セオトク」と呼ばれ、この日は干しタラのフライを食べる日。節食期間なのにまた食べ物ネタ?とつっこまれそうですが…^^;
 以前書いたように現在は節食期間中、タコ、イカ、エビなどはOKなのですが、魚は血が通っている生き物として禁じられています。でもこの日とイースター(パスハ)の前の日曜日は魚を食べていいことになっています。この日が近づくと干しタラは市場やスーパーなどで山のように売られます。かなり塩辛いので前日に水につけ、何度も水を取り替え塩抜きをし、当日に衣をつけて揚げます。タラはギリシア語で「バカリアロス」と言いますが、早口で言うと「バカヤロ」と聞こえたりして、なんとなく笑えます。タラのフライに必ず添えるのが「スコルダリア・メ・パターテス」と呼ばれるマッシュポテトにニンニクのペーストを加えた一皿。なぜタラを食べるのかについては諸説あるようですが、ギリシア人シェフとジャーナリストの両方から同じような以下の話を聞いたことがあります。
 もともとヨーロッパでタラをよく食していたのはスカンディナビア半島の漁民たち。それがスペインのバスク地方の漁師に広まりイギリスにも渡ったそうです。そしてイギリス人がアメリカ大陸に渡った際、メイン州で保存食としての干しタラをつくる習慣が生まれ、イギリスにも里帰りして更に広まったとか。イギリス人が干しタラをギリシアのコリントスに持ち込み、名産の干しブドウと物々交換をするようになり、ギリシアでも食されるようになったとのことです。よってこの料理の伝統的なレシピはコリントスから伝わったという話もあります。昔、特にギリシアの内陸部は貧しく、新鮮な魚もすぐに手に入る状況ではなかったため、安くて保存のきく干しタラは宗教上、魚を食べる日にあたって全国的に宗教者や市民が手に入れ易く、都合がよかったのではないかということです。
 去年は外食しましたがそれほど美味しいものでもないので、ちょっと和風にアレンジして家で調理して食べることに。塩抜きも十分にできていたのでなかなか美味しかったです。
 
 ギリシアの3月の天気は晴れていたと思うと急に雨が降り寒くなります。これを繰り返して春になるのですが、ことしもだいぶ春めいてきたような気がします。ギリシアはリクガメが普通にウロウロしている国で、アテネ郊外の住宅街にも普通にいるのですが、ウチの庭に住んでいるコも冬眠から目覚めたようです。今日も暖かい陽射しの下、ウチの猫と一緒にくつろいでいました。来週にはサマータイムに切り替わるので、日本との時差は6時間(日本が先行)になります。


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2009年3月27日
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