キリストの葬儀の日

公開日 : 2009年04月18日
最終更新 :

 ことしのギリシアにおけるイースター(パスハ)は4月19日。10日から学校もお休みになり、直前の1週間、13日の月曜日からはキリストの受難週、聖なる1週間に入りました。特にこの週の金曜日(ことしは17日)は聖大金曜日(メガリ・パラスケヴィ)と呼ばれ、十字架にかけられ亡くなったキリストがおろされ、棺に納められて埋葬された日。教会では朝からミサが行われ、普段、教会に行かない人々もこの週は教会へ何度も足を運びます。キリストの棺を模した四角いテーブルのような形の枠に花をびっしりと飾って祈りを捧げます。これを「エピタフィオス」と呼び、夜になると更に多くの人が集まり、エピタフィオスを担いで辺りを練り歩きます。

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 エピタフィオスを担ぐのは聖職関係者が中心ですが、行列の先頭は軍隊の人々が先導したりします。シンタグマの国会議事堂の前では盛大に儀式が行われます。政教分離の日本の感覚からすると驚くほど、ギリシアの行事はギリシア正教と本当に密接な関わりがあることを実感します。テレビをつけても宗教色の強い番組の放映が多くなり、厳かな雰囲気になってしまうほどです。

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 高校の時、聖書の授業で習ったキリストの受難週。キリストがいかに苦しんで亡くなったか、十字架にかけられた際に苦しみながら語った言葉などを暗記させられた覚えがありますが、キリスト教信者にとっては未だに深く悲しみ悼むべき日です。よって福音書の記述をもとにキリストの受難を思い起こす特別な儀式や祈りが行われることが多いのです。教会では真剣に祈りを捧げる人々の姿も見られます。

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 聖大金曜日には朝、家族で教会に出かけた後、墓地にお墓参りに行ったりもします。またこの休みに旅行に出かけたり、田舎のある人々は帰省するので、アテネ周辺は人が少なくなります。ことしは不況のせいか、近所でも出かける人は少ないような気がしますが、昨日も上の階のおばあさんが息子夫婦と田舎に行くようで、出がけにパスハ用に焼いたクルーリというビスケットを持ってきてくれました。いつもウチの猫をかわいがってくれる隣の双子姉妹ちゃんも一家で田舎へ帰省するようで、冷蔵庫の残り物処分(?)なのか大量のエサをやりにきました。おかげさまで私も猫もさっぱり体重管理ができません^^; そして明日のパスハはキリストが復活した日。皆それを祝福し合い、お肉も解禁となりたらふくラムを食べることになります。

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