パスハ 最大の宗教行事
4月19日のギリシア正教のイースター(パスハ)、ギリシアにおける最大の宗教行事が終わりました。キリストの復活は日曜日なので、土曜日の夜から日付の変わる瞬間を目指し、キリストの復活を祝うため老若男女、教会へと向かいます。去年もその様子はご紹介しましたが、ことしもパレオ・プシヒコのアギオス・ディミトゥリオス教会へ出かけました。教会の内外には多くの人々が集まり、23時45分くらいに司祭たちが聖火を外へ運んできます。皆、手に持ったキャンドルに火を灯し、次々に隣の人から人へと移していきます。
皆のキャンドルに火が灯され、日付が変わったとたん、声高らかに「フロニャ ポラ!(おめでとう)」、「フリストス アネスティ!(キリスト復活)」などと言いながら祝福し合い、花火も盛大に打ち上げられ、すっかりお祝いムードとなります。この際に使用するキャンドルに灯した聖火は家に消えないように大切に持ち帰り、玄関の前でドアの上の部分に十字をを3度描きます。とは言っても実際にすると痕が黒く残ってしまうので、実際にやる人は少なくマネをしたりする程度ですが…。
またこの日は赤く染めたゆで卵をお互いに手に持って軽くぶつけて割ってから食べます。国によってイースターエッグはカラフルにいろいろな色に染めたり絵を描いたりしますが、ギリシアでは赤がメイン。これはギリシア正教においてはキリストの血を意味するとか、キリスト復活後、彼を迫害した人々に対して、使徒か信者が言った言葉に由来しているなど諸説あるようです。
帰宅するとマギリッツァというスープをいただきます。パスハにはラム(アルニ)を食べるのが習慣ですが、本来ならば節食しているハズの胃に突然、お祝いのごちそうを食べると負担がかかるので、まず羊のレバーをアニソスという香草やお米などと一緒にコトコトと煮込んだこのスープを食し、胃を落ち着けます。好き嫌いが分かれる味ですが、滋味に溢れた味で私は大好き♪どうもお酒が好きな人が好む味だとか言いますが…。
そして日曜の朝からはどこの家もラムの料理にとりかかるので、バルコニーに出るとお肉を調理するいいにおいが漂ってきます。ウチの近所は庭のある家が多いので、丸焼きにするのが多いですが(去年の記事の写真を見た多くの日本の友人からは衝撃ショットだと言われました…)ことしは親戚が田舎から送ってくれた新鮮なラムを解体して、オーブンで長い時間をかけて焼いたものを食べました。丸焼きも美味しいですが、これもジューシーで美味しかったです。
ことしのパスハはとてもお天気がよくてバルコニーで食事をとりました♪とっておきの赤ワインを開け、美味しいラム肉、ラムと一緒にオーブンで焼いたポテト、スパナコピタ(ほうれんそうのパイ)、田舎から送られたホルタ(野草)のサラダなどのごちそうをたっぷりと食べてしまいました。羊の内臓を巻きつけて焼き上げるココレツィもクセのある味ですが、私はけっこう好き。パスハには欠かせません。カロリー高そう…と思いつつも調理するのにカロリーをたくさん消費したことだしと言い聞かせ、すっかり食べまくってしまいました^^;
ニュースによると不況のせいで、旅行などには出かけず家でごちそうをつくって食べた人が多かったらしく、ラムを売る市場だけは売り上げが伸びたとか。パスハグッズやプレゼントを買う人はすごく減って関連商品を扱うお店は50%も売り上げがダウンしたということです。
とはいってもおめでたい日。この日の夜も教会の前ではいろいろなイベントが行われたりして、ギリシア中、最大のお祭り状態。翌日の月曜日もお休みとなります。
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