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ギリシア/アテネ特派員ブログ 旧特派員 有馬 めぐむ

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2009年6月 3日

ピリオ山〜マクリニッツァへの旅


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ピリオ山〜マクリニッツァへの旅

 ギリシャに来た最初の年に、ガイドブックに紹介されている世界遺産や都市をいろいろと訪れました。どこも素敵で感動した場所も多かったですが、なかなかもう一度と足を運ぼうと強く思う所というのは少ないものです。
 そんな中でピリオ(ピリオン)地方のマクリニッツァは、日本のガイドブックには載ってないと思いますが、私にとっては何度も行きたくなる山あいの美しい村。初めて訪れたのは数年前ですが、友人が古い邸宅を改装した別荘を持っていることもあって、今回再び行くことになりました。数年前はマクリニッツァまで直行したのですが、今回はパガシティコス湾を臨むピリオ山のある半島をぐるっと回る形で、いろいろな村に道草をしながら旅をしました。
 マクリニッツァまでは約360kmなので朝早く出発、約半分の180km付近、カメナヴルラの美しいビーチ沿いのカフェで休憩。その後、テルモピュライに立ち寄りました。前回ちょっとご紹介した映画「300」でも描かれたペルシア戦争の「テルモピュライの戦い」があった場所です。


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 スパルタにもレオニダス王の像がありますが、ここがまさにスパルタ兵300人でペルシアの大軍に立ち向かった場所なので、偉大な王と戦士たちを讃えた像や碑があります。バトルフィールドと標識が出ていて、像とは反対側に道路を渡った場所が戦場。ちょっと残念だったのは、スパルタ軍の戦略の要だった狭い崖の地形にはなってないこと。古代から幾重もの時代を過ぎて、今は小高い山々と裾野の野原が広がっている状態です。それでも歴史好きにはロマンを感じる興味深い場所だと思います。
 彼らが戦いに出向かなければ、アテネなど他の都市国家の海軍は準備ができず、ギリシャ全土はもちろん欧州全土が侵略されていたかもしれないわけで、今のようなヨーロッパ世界は存在しなかったかもという説も唱えられています。しかしスパルタからここまでは約450km。歩いてやってくるだけで倒れてしまいそうな距離なのに、ここで大軍を相手に戦い続けたスパルタ戦士たちの気力体力はものすごいものだったんだなあと改めて感じ入ってしまいました。


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 その後、ギリシャ中部の大きな港町ヴォロスに到着。スキアトス島やスコペロス島などへ渡る人々を運ぶ船もここから出航します。典型的な港町といった風情ですが、港の前にはウゼリ(ギリシャの火酒と呼ばれるウゾと一緒に、メゼというお酒に合う小皿料理が豊富にある居酒屋風食堂)がたくさん並んでいます。店頭にウゼリと書いてはいますが、ヴォロス辺りではチプロを出します。チプロとはグラッパのように、ワインの絞りかすを蒸留してつくるお酒。ウゾのように大量生産ではなく、主にテッサリア地方の地酒として小さな醸造所でつくられ、アニスなどであまり香り付けをしてないものです。常連のおじさんたちが来ると、何も注文しないでもその日のおススメ小皿料理とチプロの小さなビンが毎回一緒に運ばれてくるのです。テーブルはチプロの空ビンだらけになっていてすごいです^^;


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 港に面したメインストリートにはたくさんのウゼリ、チプラディコ(チプロとメゼを出す居酒屋)がありますが、地元の友人イチオシのウゼリは「ト パラガディ」(写真左上)。友人が電話でオーナーに店の名物やら、今日のおススメを頼んでおいてくれて、席に着くなりタコの炭火焼、サーディンとポテトのサラダ、ガブロスという小魚のオーブン焼、ムール貝のピラフ、大きな魚の尾の部分のフライなど続々、魅力的な小皿料理が運ばれてきました。チプロはストレートで飲むツワモノもいますが、氷や水で割ったりします。アルコール度数40以上なので1本しか(十分だって…)飲めませんでしたが、新鮮で美味しい海の幸を堪能。会計まで友人が事前に払っておいてくれたらしく、すっかりごちそうになってしまいました♪以前にこの付近で入った店より美味しかったし、改装したてということもあって、地方の居酒屋にしてはびっくりするほど2Fにあるトイレがきれいでした。港に面した通り、大型船の船着場の近く、HOTEL JASONの隣です。

★ το παραγάδι(ト パラガディ) TEL 242 1020 850


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 さてここからピリオ山のマクリニッツァまではクルマでまっすぐ登れば20分ですが、半島の村々をいろいろと回っていきました。ピリオ地方は冬、深い雪に覆われる高い山々からの雪解け水が年中豊富なため、とにかく緑が美しいです。ギリシャのほとんどの山は岩がゴツゴツしていて、緑は小さな茂みのように点在している風景が多いですが、ピリオ地方に入ったとたん、溢れんばかりの新緑が清々しく目に飛び込んできます。全部は紹介しきれないので、印象に残った村としてはピナカテスやヴィズィッツァ。とにかく家々が崖に沿うように連なっているのが特徴。サントリーニ島などもそうですが、違いはこの地方の伝統的な造りの家という点です。


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 ピナカテス、ヴィズィッツァは、マクリニッツァと共に、ピリオ地方で最も建築の規制が厳しく、家を建てる際は丸く平たい石葺きの屋根(写真左下)、いくつもの小さな煙突や窓、色調などをルールに従って建築しなければいけません。ピナカテスの近くのミリエスやマクリニッツアの隣のポルタリアもいい雰囲気の村ですが、規制はないので普通の家も混じっています。
 先述の3つの村はしっかり街並みの保存を図っているからこそ、おとぎ話のような風景が点在しているのでしょうが、家を建てるとなると他の村に比べ建築費用は何倍もかかるそうです。崖沿いの村ならではの高低差のある風景、大きなプラタナスのある広場、清らかな雪解け水がごうごうと流れる水路など、フォトジェニックな景色ばかりでした。 


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 さてミリエスを過ぎ半島の外側に出たので、今までパガシティコス湾を眺めていたのがエーゲ海にとってかわります。チャガラーダという村を過ぎて下を見下ろすとアギオス・イオアニスのビーチがきれいなので、山を下って休憩することに。ピリオ地方の魅力はなんといっても山と海が一緒に楽しめるところです。シーズン直前とあってまだ開いていないホテルもありましたが、気の早い滞在客がビーチで泳いだり、くつろいだりしていました。水は青く澄みきっていてきれいです。


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 陽射しは真夏のようだったこの日、ビーチを一望できるカフェで冷たいレモネードを飲んで、再び山を登りました。そしてハニアという山の頂上の村やポルタリアを通過、ついにマクリニッツァへ到着したのでした。今回はクルマでぐるっと回りましたが、この辺りは可愛らしい鉄道が通っていて、テレビ朝日の「世界の車窓から」で紹介されたこともあります。マクリニッツァの村については次回、詳しくご紹介します。


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カテゴリー 旅行・ツアー・ホテル
2009年6月 3日
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      アテネ特派員
      有馬 めぐむ
      アテネ在住ライター。ギリシャ政治経済、社会事情、観光情報などを日本の新聞、雑誌、ウェブサイトに執筆。たまにラジオ出演も。共著に『お手本の国のウソ』(新潮社)、『世界が感嘆する日本人』、『世界で広がる脱原発』(共に宝島社・原稿提供)。こちらのサイトでは、主にギリシャ国内の旅行や、アテネのイベント、レストラン情報などをお伝えしています。

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