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2009年12月22日

登山鉄道と歴史の舞台を巡る旅 ディアコフト〜カラヴリタ PART2


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登山鉄道と歴史の舞台を巡る旅 ディアコフト〜カラヴリタ PART2

 さて今回の旅のハイライト、カラヴリタ〜ディアコフト(ディアコプト)間の登山電車。前日は小雨でしたが、乗車当日の日曜日は快晴!ギリシャの冬は雨が多いですが、朝から真っ青な空が広がっていました。乗車時間は片道約22km、約1時間ほど。カラヴリタの駅を9時28分発、帰りのディアコプト11時15分発を買おうと思ったら、往路の9時28分はOKだったのですが、復路の11時15分は満席とのこと。全席指定で人気があるので、週末は満席になりやすいそうです。なのでディアコフトからは次の12時33分発にして往復切符(1人19ユーロ)を買いました。


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 この鉄道は「オドンドトス」と呼ばれますが、直訳すると歯型の電車、つまりラック式鉄道のこと。歯軌条鉄道とも呼ばれ、2本のレールの中央に歯型のレールを敷き(写真左下)、車両の底に設置した歯車と噛みあわせて急な勾配を登り下りする鉄道。
 数年前からこの付近を旅してみたかったのですが、オドンドトスは2003年から多大な費用をかけて線路の大規模な改修工事をしていて、ごく最近やっと再開通しました。車両は最新型、スイス製のStadler社のものに変わりました。車内はブルーの座席で窓も広くとてもきれいです(写真右下)。以前の旧型車両は40年以上も使われていたらしく、木造の座席。その方が情緒はあるなあと思ったのですが、揺れが響くしお尻がかなり痛くなったそうです。カラヴリタからは私たちと初老のアメリカ人夫婦、地元の人と思われる2,3人の女性だけでした。なので指定席番号に関係なく、先頭車両の前の席を陣取りました。


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 1889年に建設がスタートしたこの鉄道ですが、険しい岩山での工事は困難を極め、7年後に完成。1896年の3月10日に運行が開始されました。先に述べたラック式レール(歯軌条)の部分は3400mあります。この部分に差し掛かった時はまさにジェットコースターの登りの気分でした。最急勾配は175%。
 電車の下をごうごうと流れるヴライコス渓流にかかる橋は49もあります。最初は紅葉に彩られた木々や羊のいる緑の平原など牧歌的な風景が続きますが、次第になんだか足元がおぼつかなくなるほど、崖っぷちを走リ始めます。窓は開閉禁止ですが下の渓流を覗き込むと、何せ750mmという狭い軌間の線路なので、なんだか空中に浮いているような感覚。日本では大井川鉄道井川線が同じラック式鉄道ですが、やはり雰囲気が似ています。数年前に寸又峡を旅した時のことを思い出しました。


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 興奮したアメリカ人夫婦が「ミニグランドキャニオン!」と叫んでいましたが、ヴライコス峡谷は不思議な形状の奇岩がどんどん姿を現し、縞模様の岩壁が触れるくらいに迫ってきたり、遠ざかったり(写真下)とスリル満点。絶景の車窓が展開されます。岩を掘り抜いた短いトンネルに入ると突然暗くなり、トンネルを潜り抜けた瞬間、パッと明るくなって壮大な景色が広がったりと、まるでディズニーランドのアトラクションのようです。岩に飲み込まれるように走っていく感じは黒部峡谷のトロッコ列車にも似ているかも。
 途中下車駅ザフロルーの集落と駅が見えてきました。前の日に駅周辺に立ち寄った際、ランチを食べたタヴェルナのウェイターさんたちが手を振っていました。


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 左下の写真はホテルにあった絵葉書ですが、このようにまるで電車が岩の中に飲み込まれるように見えるトンネルがいくつかあります。この写真の車両が以前使われていたBillard3002型。青と黄色の可愛らしい電車で、何十年間と使用されていました。この渓谷は自然美が美しいので、交換所などで停車中、レール脇の山道に目を向けると、トレッキングの人々がけっこう歩いているのが見えます。
 素晴らしい景色が続いて1時間はあっという間。岩山から急に町が開けた風景に変わり、ディアコフトに到着。カラヴリタに戻るまで、ここで2時間、時間をつぶしましたが、駅前にビーチへの案内板があり、いいお天気だったので海まで散歩。1本道をゆっくり歩いて15分ほど。12月とは思えない陽気で、ビーチのカフェのテラス席で海を眺めながらコーヒーブレイク。そしてまた歩いて駅に戻り、土産物屋などをひやかしていたら、あっという間に2時間が経過。かえって到着してから45分後の11時15分発にしなくてよかったかも知れません。
 右下の写真は初期の蒸気機関車ΔΚ8001型。ディアコフトの駅前に展示されています。もう使われていませんが、Billard3002型も線路上に停まっています。


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 ディアコフトからはかなりの人が乗り込み、満席。座席は向かい合わせで、向きが変えられませんが、運良く進行方向と同じ側でした。週末は当日だと予約で満席だったりしますし、逆向きの席が苦手な人は早いうちチケットを買っておいた方がいいでしょう。往路はとにかく迫力の景色にみとれましたが、復路は「もうすぐ岩がかぶさってくるところだ!」などと覚えてはいるものの、かなりスリリング。
 家族連れも多く、子供、特に男の子はみな夢中になっていました。行きに一緒だったアメリカ人夫婦もまた一緒。ダンナさんの方がかなりの鉄道ファンらしく、いろいろと細かく奥さんに説明していて、いいガイドになりました。
 窓が開閉禁止なので、電車の中からはあまり写真が撮れませんでしたが、もっといろいろな画像を見たい方はこちら へ。
 
 ★詳しい情報のサイトはこちら 。時刻表も載っています。

 


 カラヴリタに帰ってきてからは、再び町を散策して遅めのランチをとったり、お土産を買ったり。この地方は畜産農家が多いので、肉料理が有名です。ホテルのオーナーお気に入りだという老舗プシスタリア(肉専門のレストラン)Βαρβιτσιώτης(写真左下 TEL26920 22049 長距離バスΚΤΕΛの向かい)へ。牛レバー(写真右下)を食べましたが、シンプルな味付けながらとても新鮮なので、全く臭みが気にならず、こんな美味しいレバーは初めて食べたかもと思うくらいでした。他にもチキンのトマト煮込み&パスタや、山羊肉の煮込みをアヴゴレモノ(卵とレモン)ソースでいただき、両方、とろけるような旨味のいいお肉でした。
 この辺りは野菜もとびきり新鮮で、何の変哲もないサラダでも野菜本来の味を堪能できます。この季節、どこでも旬のキャベツとニンジンの千切りサラダが出ますが、アテネで食べるものと比べると野菜の甘みが全く違いました。


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 広場に比較的新しいきれいな教会(写真左下)があり、目抜き通りには土産物屋、タヴェルナ、カフェなどが軒を連ねます。ギリシャのハーブについては以前ご紹介 しましたが、チャイ・トゥ・ヴヌー(山のお茶)をはじめ、様々な種類のハーブ、特産のチーズ、豆類、栗、胡桃、ハチミツ、バラのグリコ・クタリウ(スプーン・スイーツ 果物などのシロップ煮)などが売られています。
 古くから養蜂の歴史を持つギリシャのハチミツの美味しさはヨーロッパでは折り紙付。私も日本にいた際はあまり食べませんでしたが、ギリシャで大好きになりました。タイムのハチミツが一番有名ですが、カラヴリタ周辺にきたら絶対買いたいのが、松や栗、モミのハチミツ。他のハチミツは透明ですが、モミだけは半透明で、ミルクキャラメルのような乳褐色をしています(写真右下)。アテネではスーパーでも様々な種類のハチミツが取り揃えてありますが、モミだけは置いてません。なのでアテネでは、たまにライキアゴラ(青空市場)などでカラヴリタ方面からの出店を見つけると欠かさず買っています。ミルキーな味わいがとても美味しくて、ヨーグルトに胡桃を入れ、このハチミツをかけていただくと、もう夢のように美味しい…。たいていΜΕΛΙ ΕΛΑΤΗ(メリ・エラティ)などと書かれていますが、色が不透明なのですぐわかると思います。


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 歩き疲れた頃、おしゃれな外観のショコラテリエを発見(写真左下)。店内はクリスマスの飾りつけがとても素敵。たくさんの種類のホットチョコレートがあり、ストロベリー風味を注文しましたが、冷えた体に染み入る美味しさ♪後でホテルのオーナーの娘さんに聞いたら地元でも有名な店で、ここのホットチョコレートを飲んだら、他のが飲めなくなるくらい評判の店だそう。チョコを使ったデザートも数えきれないほどありましたが、甘すぎず薫り高い正統派のホットチョコレートが美味しかったです。


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 カラヴリタへはアテネから長距離バス(ΚΤΕΛ)などでも行けます。カラヴリタからディアコフトまで電車で行って帰ってきても3時間くらい。カラヴリタの町は散歩にも適していて、この地方の名物の土産物屋や美味しいレストラン、カフェがたくさん。ご紹介した店などもすぐに見つかると思います。
 数々の歴史の舞台や迫力の車窓が楽しめる鉄道、美味しい食べ物と大満足な旅でした。

 

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2009年12月22日
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