ギリシャの春、体調管理にご用心

公開日 : 2010年03月23日
最終更新 :

 1日の中でもめまぐるしく天気が変わるギリシャの3月は1年のうちで最も体調を崩しやすい時期と言われます。朝、青い空が広がっていたのに、午後には雨、時には雷も。寒暖差も激しく、朝夕は真冬なみに冷えたりしますが、日中は半袖でもいいくらい暑い!春先の旅行の際は、脱ぎ着のできる重ね着がおススメです。折りたたみ傘など携帯雨具もお役立ちです。

 日本でも三寒四温と言いますが、ギリシャもかなり激しい寒暖差の繰り返しで春になっていきます。春の到来は嬉しいのですが、いくら気をつけていても毎年3月にひどい風邪をひいてしまいます。この時期はアフリカからの黄砂や、松の木のものすごい花粉などにも悩まされる時期です。

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 3月に入るとなんだか周りは風邪をひいている人だらけになってきます。うちの猫まで風邪をひいてくしゃみをしている始末^^;ついにわたしも先々週の土曜、とつぜん39度近くまで熱が出てしまい、あわやインフルエンザかと思いましたが、市販の解熱剤だけで熱がさがったので単なる風邪だったようです。しかし頭痛、関節痛、鼻づまり、咳と久々に風邪の症状のオンパレード。息をするのも苦しい...。しかしその夜は何人かでスマラグダに外食に行くことになっていました。もちろんこの発熱ではとてもムリ。「私抜きで行って」と電話をすると「熱、何度あるの?」「さっき計った時は38度もあった(ぜえぜえ)」「38度?大丈夫だよ、せっかくだから食べに行こうよ!」「。。。。。。」

 ギリシャ人は食事を楽しむために生きていると思うことは日々暮らしていて頻繁に思うことではありますが、改めて実感〜。日本で38度の熱があるのに外食に誘う人、まずいませんよね(笑)。まあ欧米人はアジア人に比べて平熱も高いようなので、それもあるかと思いますが、ちなみに1人だけじゃなくて、皆そういうんですよ。心配していないというわけではなく、「せっかく美味しいものを食べに行くのに来れないなんてかわいそう」という発想なのです。中には医者もまじっているのに!「どうせこの週末は寝込むんだから、いま食欲あるなら思う存分食べて栄養つけてから寝込めば?」ですって。一理あるのか?!

 ホントにギリシャ人の「食」に対する執着は凄まじいものがあります。最近、この経済危機下のギリシャ生活について、いろいろな記事を書いたのですが、その際に十数件の家庭をリサーチしました。その結果、典型的なミドルクラスの家庭でも絶対に削らないのは外食費、娯楽費という結果に!政府の歳出削減案で真っ先に収入減が決まった公務員の家庭でも週に3回は外食をするというから驚きです。映画や観劇、バーに行くなどの娯楽費もなるべく節約しないのだそう。

 でもそういうことをケチケチせずに生活を楽しむからなのか、精神的には豊かな人が多いのも事実です。まあ今後、いろいろな新課税がスタートし、今までゆるかった部分の税率もとことんアップするので、半年後くらいにはまた変化が出てくるかも知れませんが...。

 さすがに私は熱があって外食には出かけませんでしたが、食いしん坊の私はちゃっかりテイクアウトを依頼。熱があるというのにスマラグダの料理をあくまで楽しんだのでした(←ギリシャ人化?)。しかし土曜の夜のスマラグダ、ものすごい混み様で会計をするまで30分もかかったそうです...。 ここはヨルゴス・パパンドレウ首相が大好きなタヴェルナ。彼が怪我をして入院した際、病院にデリバリーを依頼したといいますが、本当にお母さんの家庭料理風、優しい味なので病人にもマイルドで美味しい...おまけにお財布にも優しいお値打ちな店です。おかげですっかり元気になりました。下の画像はスマラグダのドルマダキャ(ぶどうの葉でひき肉とごはんを包み煮込んだもの)。大好物です。魚や野菜の滋味たっぷりのプサロスパ(フィッシュスープ)も堪能し、翌週、鼻と喉はひどかったものの、熱はさがり頭痛、関節痛もなし、原稿の締め切り地獄を切り抜けることができました。

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 このギリシャ危機、世界中を飛び回っているパパンドレウ首相はお母さんがアメリカ人のアメリカングリーク。様々な評価はあれど、ハーバード大をはじめ複数の海外の大学を卒業し、英語、ギリシャ語、スウェーデン語も堪能な彼は、この時期を乗り切るのに、少なくとも「外交」、「国際感覚」という観点からは最適な人物のように見受けられます。問題山積で支持率もそんなに高くないけれど、なんだか貧乏くじを引いた感もあり、たまにはスマラグダでごはんでも食べてゆっくりしていただきたいくらい、ホントにお疲れ様というかんじ。

 さてさて本当にパスハ(復活祭、イースター)が間近に迫っています。我が家のポリカティキーア(集合住宅)の庭も花々が咲き乱れ始めました。毎年、庭の花々は開花時期がバラバラで、ことしはもう藤の花まで咲いちゃってます(トップの画像)。サマータイムへの切り替えももうすぐ。短い春が過ぎるとギリシャの最高の季節、夏が待っています。待ち遠しいです。

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