コス島−医学の父ヒポクラテスが生まれた島

公開日 : 2010年09月30日
最終更新 :

 パトモス島でのバカンスを終えて、船でコス島に渡り、そこから飛行機でアテネに帰ってきました。コス島はロードス島の北西に位置し、ドデカニサ諸島の中でロードス島に次いで観光客が多い島です。

 医学の父と呼ばれるヒポクラテスが生まれた島としても有名。彼が創立した医学校、治療院のあったアスクレピオスの遺跡があります。

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 パトモス島からは行きと同じブルー・スター・フェリーズの夜の便で寝ながら帰りたかったのですが、けっこう直前に計画したのでキャビンが満席で予約とれず。朝の便は早起きできそうもないし^^;1日分観光できずにムダにしてしまうので、どうしたものかと思っていたのですが、コス島に空港があるのでコス島まで船で出て、そこから飛行機でアテネに帰ることにしました。

  午前中はパトモス島でゆっくりして、レンタカーも返し、スカラの港で船を待ちながらカフェタイム。13時40分発の高速船が遅れていて14時すぎにやっと現れました。14時15分には出航、ドデカニソス・シーウェイズのプライド号(下の画像)です。中の座席はけっこうゆったりしたいいシートでした。窓際に座り、景色を眺めながらコス島への船旅。時速50キロくらいでけっこうとばしますが、揺れが心地よくすっかりシエスタの時間となりました。途中でレロス島、カリムノス島(海綿採りで有名な島)などを経由して17時にコス島に到着。パトモス島~コス島間はひとり29ユーロ。

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 コス島の船着場からコス・タウンの中心までは徒歩数分で歩けます。すぐに見えてくるのが重々しい雰囲気の城壁(画像左下)。聖ヨハネ騎士団(ロードス騎士団)が建てた中世の城です。コス島はかなり複雑な歴史を持つ島。紀元前11世紀にドーリア人によって植民され、紀元前4世紀にコス・タウンが造られました。すぐにローマ帝国の一部になり、その後はヴェネツィア人によって征服され、聖ヨハネ騎士団に売却されました。騎士団がトルコの脅威を感じて島を去るまで200年間支配。そして400年間のトルコの支配の後、次は1912年にイタリアに占領されます。第二次世界大戦ではドイツに占領され、戦後、イギリスの保護領となり、47年にやっとギリシャ領となりました。

 市内は最近ヨーロッパのどの都市でも走っているかわいい列車型のバス(画像右下)で巡ることができます。30分くらい走り、郊外の遺跡も見れてひとり5ユーロ。英語解説もあります。同じ型のブルーのバスはアスクレピオスの遺跡まで連れて行ってくれるそうです。今回はあまり時間の余裕がなかったし、遺跡はじっくり見たかったので、また今度のお楽しみに。

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 広場にはプラタナスの巨木(下の画像)があり、ヒポクラテスがこの木の下で医術の教えを説いたという伝説があります。ヒポクラテスは紀元前460年コス島に生まれ、原始的な医学から迷信を取り除き、科学的な医学を発展させました。この業績から「医学の父」、「医聖」、「疫学の祖」と呼ばれます。医師の倫理性と客観性を説き、これは「ヒポクラテスの誓い」として未だに欧米や日本の医大でも卒業式などで誓われたりします。

 古いプラタナスといえばピリオ地方のマクリニッツアにも素晴らしい巨木がありました。あそこでは洞の中に入ったりできますが、ここはすっかり柵で覆われています。

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 島全体がとても美しく整備されていて舗装もしっかりしているので、レンタサイクルで動き回っている観光客も多くいました。島中に遺跡が点在しており、古代アゴラや充実した内容の考古学博物館もあります。港から少し離れるとディオニソスの神殿、モザイクが素晴らしいローマの家などがあり、電車型バスでずっと見ていくことができました。

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 空港に向かう前に港のフィッシュタヴェルナで腹ごしらえ。牡蠣やウニ、タコなど堪能しました。シミアコ・ガリダキ(シミ島名物の小さなエビのかき揚げのような料理)がおすすめメニューにあったのですが、売り切れで食べられなかったのが残念!でも安価で美味しい店だったので大満足。

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 19時半ごろコス・タウンをあとに空港へ。タクシーで40分くらいで着きました。空港は他のヨーロッパの国々、特にイギリスや北欧諸国からのチャーター便が多くて、かなりごった返していました。ギリシャ全体として観光は前年比12%くらい落ち込んだものの、ロードス島、コス島などのドデカニサ諸島のことしの観光収益は昨年と比べアップしたとか。白浜の素晴らしいビーチもあるので今度またじっくり訪ねたい島です。

 21時45分のアテネ行きは定刻どおり。飛行機で帰ってもかかる金額はほぼ行きのフェリーと同じくらい。22時半にはアテネに着き、夜中には自宅のベッドで眠りにつくことができました。

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