映画音楽作曲家・梅林茂さんのコンサート

公開日 : 2010年12月06日
最終更新 :

 世界的に活躍する映画音楽作曲家、梅林茂さんのコンサートが、12月4、5日の週末、ギリシャで初めて開催されました。梅林さんの映画音楽をギリシャの新進オーケストラ Oticons Orchestra & Choir が演奏し、ギリシャ人女性歌手サヴィナ・イアナトゥが数曲を歌うというコンサート。

 梅林さんは、ニューウェーブロックグループEX(エックス)のリーダーとして活躍後、映画音楽の作曲活動を開始。いまや世界中の有名監督の映画音楽を担当し、多くの音楽賞を受賞しています。最近はヨーロッパでも活躍、ネスカフェやフォルクスワーゲンなど数々のCM音楽の作曲や、ギリシャやフランスの監督の作品の映画音楽も手がけているそうです。

 ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」や「2046」、チャン・イーモウ監督の「LOVERS」などの音楽も担当。これらの映画はこちらでも大ヒットしました。「花様年華」は欧米では「in the Mood for Love」というタイトルで公開されましたが、うちにもサウンドトラックCDがあり、よく聞いていました。「2046」の音楽も人気で、よくラジオでも流れています。CDショップを経営している友人曰く、これらの映画関連のサントラCDはかなりヒットしたとのこと。

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 私の周りのギリシャ人に関して言えば、アジア映画などにとても興味を持っている人が多いので、私よりずっと早く、梅林さんのコンサートが開かれるこという情報をキャッチしていました。「コンサート行くでしょ!チケット買っといたから」という具合^^;ミハリス・カコヤニス財団のシアターでのコンサート(トップの画像)でしたが、このホールはもともとは映像関係のイベントのために造られた建物だそう。よって、収容人数は約500人くらいでしょうか。こじんまりとしていますが、梅林さんの作曲した映画音楽をスクリーンにのせてオーケストラが生で演奏するという試みにはぴったりな会場。

 コンサートの前にはワークショップが開催、残念ながら時間の都合がつかず行けませんでしたが、きっと盛況だったことと思います。ワークショップやチケット、コンサートのパンフなどの印刷物は全て、Umeと大きく書かれていて、UMEBAYASHIってきっと難しいのだろうなあと^^;梅林さんのポートレートが印刷されていて、友人のギリシャ女子が「彼の映画音楽は映像とピタリとあっていてファンだからCDたくさん持っているけど、、ハンサムなんだね!」とコンサートに行く前から興奮気味でした(笑)。

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 会場に着くと、思ったとおり、扉の前は既にすごい混雑(下の画像)。比較的、若い人が多かったですが、思ったよりは様々な年齢層の人が来ていました。

 会場内はほぼ満席。コンサートは全席35ユーロでしたが、友人がかなり早い段階でチケットをとってくれていたので、かなり前の方の席で、梅林さんが登場されて最前列に座っていらしたのもよく見えました^^

 舞台にスクリーンが設置され、今まで梅林さんが音楽を手がけてきた映画の映像を流しながら、オーケストラが演奏していきます。映像とオーケストラの演奏が見事に合っていて、やはり音が生なので、映像とともに聞くとすごい迫力。とても惹き込まれました。

 特に「LOVERS」の、世界中でロケをした雪原や花畑などの大自然を舞台に繰り広げられる戦闘シーンや、チャン・ツィイーの舞踊シーンなどは、ものすごい臨場感で、コンサートの趣向がとても効果的だと思いました。

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 チェリストは有名な人だったのか、とてもいい演奏でした。下の画像はコンサートが終わり、盛大な拍手がやっと静まった後、照明が戻り、皆、写真を撮っていたので、私も撮らせてもらいました。白い衣装の女性がサヴィナ・イアナトゥさん。世界中の伝統的な歌をかなり音域の広い声で歌い、ヨーロッパ中で活躍の有名な歌手です。素晴らしい歌声を披露していました。販売していたCDを持って梅林さんにサインをしてもらうギリシャ人もたくさんいました。

 著名な指揮者のDirk Brosse さんはベルギー人で、力強い指揮ながら、なんとなくお茶目(?)、笑顔でのパフォーマンスが印象的でした。コンサート終了時、梅林さんも舞台にあがり、大きな拍手を何度も受けていました。Dirkさんが頭上に両腕を掲げ、円をつくるような(「笑っていいとも!」の友達の輪みたいな?)ポーズをされて、梅林さんも後から一緒に行っていました^^一緒に行ったギリシャ人全員に「あれは何を意味してるの?」と聞かれましたが(笑)、おそらく「とてもよかった」みたいな意味だろうと思い、そう答えておきました^^

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 日本映画も「それから」、「新宿鮫」、「居酒屋ゆうれい」、「不夜城」、「陰陽師」などの音楽を手がけられていて、どれもずっと前に観たけれど、印象に残っているなあ...と思い出す映画の数々。素晴らしいコンサートだったので、これらの映画も、また観てみたいなあと思いました。

 最近、観たいと思っていたトム・フォード監督(グッチの元クリエイティヴ・ディレクター)の「シングル・マン」の映像が、このコンサートで流れたので、梅林さんが一部音楽を担当されたことを知りました。ぜひ早く観なくでは!

 美しい映像と、それを際立たせる音楽の融合...映像を見ながら聞くことによって、音楽が私たちに与える影響の大きさに、改めて感じ入ったコンサートでした。

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