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ギリシア/アテネ特派員ブログ 旧特派員 有馬 めぐむ

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2010年12月23日

アテネのクリスマスと政治経済情勢


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アテネのクリスマスと政治経済情勢


 早いもので、ことしももうクリスマス!なんだかことしはギリシャ危機が始まり、そこからヨーロッパの経済危機の連鎖がおこるという目の離せない展開が続きました。ギリシャ国債の止まらない暴落や死傷者が出る騒動になった暴動、緊縮財政策に反発したストが頻発するなど、めまぐるしい一年でした。画像は今月のお題、クリスマスイルミネーション。ゴールデンホール の画像です。


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 11月中旬、ギリシャに対する第3回目の支援が決定しましたが、国際通貨基金(IMF)、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)は更なる緊縮財政を推し進めるため、国営企業の合併、人員削減や民間企業の解雇に関する労働法の変更などを盛り込んだ約法案を100 日以内に議会で通過させるようギリシャ政府に要請しました。しかしギリシャでは毎年、新しく可決する法案は少ないし、与党内でも反発があり、実行できるのか疑問視されています。
 
 今日23日には2011年度の緊縮予算案が可決。支援を受けるためには、政府としてはどうしてもこの予算案を可決せざるを得ませんでしたが、どんどん失業率が上がる中で、増税なども盛り込まれたこの予算案が決定されたわけです。更に前述の新法案が次々に可決されていくと、国営企業のスリム化に伴い、かなりの人々がリストラされますし、民間企業でも退職金などの規定が変更されるので、中小企業の倒産も含めて今後2年間で約70万人が失職するという予想もされています。


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 一方、汚職政治家は激しい世論の批判を受けても辞職せず、国会に居座り続けています。5月には富裕層の6千人が脱税で摘発されましたが、このうち500 人の脱税額は1人当たり約5,000 万ユーロ!計算するとこれはすごい額です。しかしこれら「特権階級」の人々の脱税問題が全く解決されない中、増税や年金受給年齢の引き上げなどは早々に決定、施行され、一般庶民ばかりがあおりを食うという状況は変わっていません。
 今回の2011年予算案の議会採決を前に、国会議事堂の前などで、多くの市民による抗議行動が行われました。この抗議活動は平和的に行われましたが、連日の公共交通機関などのストも続いています。

 

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 欧州ではギリシャに続き、アイルランドへの支援が決定し、大手不動産開発業者と民間銀行が引き起こした不動産バブル崩壊に端を発する破綻の経緯が注目を浴びました。それに比べるとギリシャのケースは、腐敗した政治システムや、ずさんな経営の国営企業、闇経済などが財政危機の主な原因なので、それらを改善しさえすれば、国の立ち直りは早いという見方もあります。
 しかし周囲では突然、解雇されたり、オフィスが閉鎖、何カ月も給料が支払われていないと言った話や、仕事を求めて国外に移住するという知らせも多く届きます。メディアの意識調査では8割の国民が、「ギリシャの経済はますます悪化すると思う」と回答しています。
 もちろん早く立ち直るにこしたことはありませんが、長年続いてきた慣習や公務員問題は、なぜそのような状況が生まれたのかという根っこを見つめなおさないと、簡単には解決できないような気もします。


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 経済紙に掲載されたジャーナリストのコラムによると、IMF、EU、ECBは年明け早々に各省庁を訪れ、「オブザーバー」を常駐させ、徹底的に業務状況を精査をしていくということです。外部機関による本格的な改革が実行されるということで、政治腐敗にうんざりしている国民は、それをよい機会だと捉えている人も少なくないようです。
 
 上記に書いた事情からデモなどを警戒してか、シンタグマのクリスマスツリーは未だに設置されていない模様です。2年前、警官による少年射殺事件に抗議したデモが次第にエスカレート、暴徒がツリーにまで放火し、ショッキングな映像が世界中に放映されてしまったので、そういったことも配慮されたのか、どうもことしはツリーの設置はないようです。広場の横にある一番背の高い木に電飾が施され、夜、ツリーのようにライトアップされるだけみたいです^^;
 ことしの年末は数日前に日本に帰国したので、毎年12月初旬には設置、ライトアップされる広場のクリスマスツリーを見てから出発したかったのですが...。


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 そんなわけでことしのイルミネーションは帰国直前に行ったゴールデンホールのツリーと噴水のイルミネーションです。噴水は音楽に合わせて色が変わり、とてもきれい。最近の都心のショッピングストリートは閉店の店舗も多く、ちょっと荒んだ雰囲気がありますし、デモやストも頻発していますので、観光客の方々もお買い物をするなら郊外のショッピングモールの方が安心かもしれません。
 

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 なんだか可愛いクリスマスハウスもありました。内部もいろいろクリスマスデコレーションが施されていて、きれいです。ことしのアテネの冬は寒い日も多いですが、モール内などのショッピングは寒さ知らずでいいですね。最近は観光客も多いし、タックスフリーの書類なども用意されています。

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 イサプのネラズィオティサ駅のザ・モール(下の画像)も、クリスマスのイルミネーションをしています。このモールからゴールデンホールにはシャトルバスなどで行き来もできるので、便利ですね。両方ともカフェやレストラン施設もあるので、休憩や食事もしやすいと思います。クリスマス前はさすがに買い物客がたくさんでした。とはいっても例年に比べれば、やはり人出は少ないように感じましたが、不況だといってもプレゼントなどの購買意欲はすごいものがあり、クリスマス効果絶大です。


 さて、ことしももうわずか数日。来年はギリシャにとって少しはいい年になるよう、願わずにはいられません。

  


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カテゴリー ショッピング・雑貨・お土産 生活・習慣・マナー
2010年12月23日
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      有馬 めぐむ
      アテネ在住ライター。ギリシャ政治経済、社会事情、観光情報などを日本の新聞、雑誌、ウェブサイトに執筆。たまにラジオ出演も。共著に『お手本の国のウソ』(新潮社)、『世界が感嘆する日本人』、『世界で広がる脱原発』(共に宝島社・原稿提供)。こちらのサイトでは、主にギリシャ国内の旅行や、アテネのイベント、レストラン情報などをお伝えしています。

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