リヨンで過ごした復活祭の休日 PART1

公開日 : 2011年04月29日
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 毎年、復活祭の休暇はギリシャで過ごすことが多かったのですが、ことしは友人の住むフランスのリヨンへ、スイスのジュネーブを経由して訪れました。ギリシャの復活祭(パスハ)については、以前にも何度か書いていますので、ことしは臨時特派員?!として、美しい街、リヨンをご紹介しようと思います。、

 フランス南東部の都市リヨンはフランス第2の都市で、ローヌ川とソーヌ川が合流します。特にソーヌ川の西側は石畳や古い街並が遺されおり、1998年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

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 友人の家は世界遺産に指定されている旧市街、ビュー・リヨン地区に位置し、周囲はルネサンス時代からの古い街並が保存されています。彼女の家は夜に着きましたが、いろいろとハプニングがあり、2時間近く遅れました^^;

 アテネを15時のフライトで発ち、ジュネーブの空港に17時半ごろ到着。空港から電車でジュネーブのコルナヴァン駅に移動し、そこからフランスの国鉄SNCFの電車でリヨンへ。この駅のフランス方面へのホームは、パスポートコントロールや荷物検査のある地下道を抜けますが、係員は誰もいなくて、完全にフリーパス。しかしホームの電光表示板には何も表示されなくて、定刻になっても電車はやってきません...。半時間がすぎ、やっとのことで来た電車にホームに溢れる乗客が扉に殺到!リヨンまで約2時間なので、1等車両のチケットを買い、当然座れると思っていたのですが、1等車も2等車も関係なく、席は早いもの勝ち状態!

 イースター休暇で、大荷物の旅行者や帰省客でいっぱいの車内。1等車の切符を買っても、何の意味もなく、大半の乗客が立つ羽目に...。ヨーロッパを旅行してエアや鉄道のストに遭ったことは何度かありますが、以前パリから国鉄で旅した際は、特にトラブルがなかったので、びっくり...。

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 アナウンスは早口のフランス語のみで、困っていたら、近くにいたイギリス出身の親切なお兄さんが「ストか何かの都合で、乗客数に対して車両が全然足りてないなどと言ってるらしい」と教えてくれました。ストにはもちろんギリシャで慣れてますが、長距離列車で1等を買ったのに、席がなくて、日本のラッシュアワー並みの超満員電車ってどういうこと~!です。

 彼はチューリヒで働いていて、週末は家族の住むリヨンに帰るのだそうですが、「1等の切符を買ったのに座れないこと、よくあるの?」と聞いたら、「そんな頻繁ではないけど、最近SNCFはひどいので、なるべく車で行き来するようにしてる」とのこと。ぎゅうぎゅうのすし詰め状態で、列車はジュネーブを出発!そして小一時間ほどすると、直行のハズが、次の駅で車両を変えるので全員降りろというお知らせ。皆、文句をいいながら降りることに。しかし車両を変えても、席数は全く足りず、皆、ホームの係員に向かって怒鳴りはじめました。係員は「もうすぐ2両増やすから」と説明し、連結作業が始まりましたが、乱暴な連結で衝撃がものすごく、立っている人は倒れたり、座席から転げ落ちる人も! 

 しかし倒れこんでいる間もなく、例の親切なお兄さん=ジャックが、「このタイミングで車両を移れば席があるかも!」と言うので、大荷物を背負い、長いホームを走り、連結した先頭車両に飛び乗ってなんとか席を確保!この時点でぐったり...。しかしその後、列車は30分以上も停車していて、皆、怒りが頂点に達し、辺りを蹴り始めたり、「ハッピー・イースター!SNCF!」とあちこちから皮肉めいた怒号が...。「連結作業ひどかったし、ストでろくな運転手がいないみたいだから運転大丈夫かな~」と言っている人もいて、けっこうサバイバルな状態なのかもと不安でしたが、降りるわけにもいかず...。2時間以上遅れてなんとかリヨンへ到着しました。

 ジャックは、タクシー乗り場まで親切に案内してくれて、感謝、感謝。フランス人はあまり英語を話してくれないから、イギリス出身の彼に会えて本当にラッキーでした。いろいろ話しましたが、日本を旅行してなんと大相撲を見たこともあるそう。「今回の大災害や原発事故には本当に心を痛めているが、復興を信じているよ」と言ってくれました。

 疲れきっていましたが、橋から眺める夜景もホントにきれい。12月には街中がライトアップされるお祭りもあります。

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 ぐったりして到着したものの、友人は17世紀築のアパルトマンに住んでいて、なんとも雰囲気のある素敵なお部屋だったので、すっかり気分もアガりました。しかしリヨンは09年に、フランス1住みやすい都市に選ばれて以来、住宅難らしく、この物件を見つけた際、大家さんは掃除どころか壊れた部分の修理もしていなくて、かなり荒んだ状態だったとか。しかしこの立地と古い塔のような建物にすっかり魅せられてしまい賃貸を決意。しかしリノベーションの業者などは、引く手あまたなせいか、何ヶ月待ちだったので、ひと月かけて、石壁や天井の梁の修復、壁塗り、床磨きなどを全て自分でやり、ひとりビフォー&アフター状態だったそう^^; 

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 4Fまで登っていく狭い石造りのらせん階段も時代を感じさせます。年月を経て丸く磨り減り、滑りやすくなっていて、酔っ払ったらかなり危険そう^^; 旧市街の小さな広場に面していて、部屋の窓を開け放つと、レストランやカフェから人々のざわめきが聞こえてきます。夜更けまで賑やかですが、騒々しくはなく、なんだか心地よいBGMのよう。

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 リヨンのシンボルのひとつ、サン・ジャン大聖堂まで徒歩3分ほど。正面は修復中だったので、川岸からの眺めです。彼女の部屋から大聖堂への細い石畳の小路は、美食の街、リヨンと言われるだけあって、可愛らしい佇まいの美味しそうなレストランがひしめいています。画像の左端、背後にそびえるのはフルヴィエールの丘にたたずむノートルダム大聖堂。

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 サン・ジャン大聖堂は、1180年から1480年にかけて建設され、1600年、フランス王アンリ4世がマリー・ド・メディシスと結婚式を挙げたということです。内部には見事な天文時計があります。

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 週末に近所でマルシェが開催され、チーズやワインなどを試食、試飲できました^^イチゴや様々な種類のベリーも美味しかったです。タルトタタンの出店などもいくつかありました。地元コート・デュ・ローヌのワインが美味しかったので、何本か買い求めました。

 また興味深かったのは、リヨンの街のレンタサイクルシステム。バスやトラム、メトロも使いやすいですが、街のそこかしこに数台の自転車が停めてあるステーションがあり、目的地まで利用した後は、近くのステーションに返しておけばいいというシステム。カードでのプリペイド式なので、観光客というよりは、地元の人々がよく使っていました。 2005年にスタート、その後、ヨーロッパ各地の都市に広まったとか。4000台以上の自転車が、340箇所のステーションに配置され、かなり使用頻度が高いそうです。

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 リヨンは街が整然としていて、ふたつの川と橋のおかげで迷うことがありません。徒歩で大半の見所を周れますし、人々もパリに比べてとても親切でした。

 まだまだ見所はたくさんあったのですが、今回はこのくらいにして次回に続きます~♪

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