今年のアテネのクリスマス

公開日 : 2011年12月26日
最終更新 :

 去年の年末は日本で過ごしたり、一昨年もクリスマスには旅行に行っていたりして、アテネの自宅で過ごす久々のクリスマスとなりました。クリスマスイブは友人夫妻の家でご馳走になり、お腹いっぱいで帰宅。翌日のクリスマスは家族でごちそうランチを食べることに。いつも料理をしてくれる義母がダウンしていたので、皆の共同作業でココラス・イェミストス(雄の丸鶏の中に詰め物をしてローストする料理)をつくりました。

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 ギリシャのクリスマスに食べる定番料理というと、七面鳥や鶏の丸焼きが多いと思いますが、シェフの友人曰く、この習慣は19世紀ごろにメキシコからヨーロッパに徐々に広まったとか。ギリシャの昔ながらの風習としては豚を食し、いまだに田舎では一番太った豚を頭から尻尾までくまなく使うため、村の人々が総出で作業したりするそうです。ベーコンやハムなどの保存食もこの機会につくったらしいです。

 うちもペロポネソス地方の親戚が新鮮な豚肉を送ってきてくれたりしますが、今年は丸鶏にしました。中に詰めるフィリングは栗や松の実、挽き肉、お米など。前の晩につくってしまったので、クリスマスの朝、丸鶏の中に詰め、オーブンで4時間ほどじっくり焼き上げました。小さなジャガイモも一緒にローストしましたが、旨味がたっぷりしみこんでいて美味しかったです♪ 

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 他にもサラダやら、副菜がいろいろあったので、すごくお腹いっぱいになり、親戚の人がつくってくれたケーキは皆、パス^^; クラビエデス(上の画像の左)とメロマカロナ(画像・右)というギリシャのクリスマスクッキーを食べました。ギリシャのクリスマスのケーキといえば、ヴァシロピタというパウンドケーキですが、これは新年に食べます。ギリシャのクリスマスは1月6日の主顕現祭まで続きます。

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 カランダというギリシャのクリスマスキャロルを歌いにくる子供たちは、クリスマスイブと大晦日、主顕現祭前日にもやってきます。トライアングルの演奏とともに歌い終わると、コインをあげることになっています。一昨日の朝も、よく記事中の写真のモデルになってもらう隣の小学生姉妹ちゃんとそのお友達がやってきました。去年は日本にいたので、カランダは2年ぶり。今年は姉妹ちゃんが喧嘩をしたとかで、別々にやってきたというハプニングが~!そのせいか、皆、浮かない表情になっています...。とっくに仲直りしたとは思いますが、大晦日の時は一緒に楽しくできるといいです^^;

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 左上の画像は、23日の深夜にシンタグマ広場を通った際に撮ったもの。右は2年前の様子です。比べれば地味ですが、そんなにさびしいかんじでもないかもと思ったり...。先日、リサーチをしたテレビ番組でも述べましたが、例年、クリスマスツリーのデコレーションやイルミネーションなどで約2百万ユーロの費用がかかっていましたが、今年は約20万ユーロだそうです。以前はツリーの木を設置していましたが、シンタグマ広場にもともとあった背の高い木を中心に、他の木々にもクリスマスの飾りつけをしました。子供たちが手づくりした空き缶のオーナメントは、日本でも報道されたようですね。

 貧困層の多いエリアの公立小学校では、共稼ぎの両親が2人とも失業して家計が苦しく、学校で食べるサンドイッチなどの軽食すら用意する余裕のない家庭があるとか。ギリシャの公立小学校に給食制度はないですが、栄養失調で倒れる子供が数人出ているため、数校が市役所や教会などの組織に援助を求め、食べ物を与えているそうです。

 アテネの中央市場は、12月の半ばから年末まで個人客にもスーパーなどへの卸値と同じ値段で野菜や果物を提供すると発表しました。また大手スーパーマーケットでは、自分の買い物と一緒に、寄付用に生鮮食品以外のものを買って、出口付近に設置されたコーナーに袋に入れておいておくと、市役所や教会を通して、貧しい人々に送られるという取り組みが12月から始まっていました。貧しい人々がせめて空腹だけは感じないですむクリスマスを過ごしてほしいと寄付された食料は、昨日まででなんと150トンに達したということです。派手さはないけれど、助け合いの精神に溢れた人々の行動が垣間見えた今年のクリスマスでした。

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