サマーハウスの生活

公開日 : 2012年08月23日
最終更新 :

 ヨーロッパの夏、特に8月はバカンスの季節。数週間の休暇に出かけるのが慣例となっており、都会は目にみえて人口が少なくなっていきます。ギリシャ語で休暇はディアコペス。ことしの夏、財政危機による影響で、約7割のギリシャ人がディアコペスの予定はないと回答した世論調査結果もありました。

 私の周囲でも「どこにもいかないつもり」という人がけっこういました。まあエーゲ海に浮かぶ島々などのリゾート地に行かなくても、実家が地方にある人たちは数週間の休みを豊かな自然のある田舎で過ごしたりします。毎年ギリシャの祝日の8月15日(聖母被昇天祭)前後は、日本のお盆のように、都市から地方への帰省ラッシュがおこります。しかし今年は、高速道路の交通量などを比較しても、帰省する人々も減少傾向にあるという報道が多かったです。

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 毎年、私の自宅周辺も8月になるとぐっと人が少なくなり、路駐のクルマも一気に減ります。八百屋、パン屋などの個人商店も閉店、ライキ(青空市場)のテント数も減少していました。しかしことしはアテネに残っている人が多いということで、近所の高級住宅街にあるカフェでさえずっと営業していたり、ライキも通常と同じようなテント数を保っていました。地区によってはけっこうガラガラ~というエリアもあるようですが、アテネ北部の住宅街はそのような傾向が見られたように思います。

 でも週末になるとアテネ近郊の海岸にサマーハウスを持っている人が多いので、全くといっていいほど、人の気配がなくなります。緊縮策による給与カットなどの影響で家計が厳しくなり、旅行を控える人が多くても、アテネのような首都からクルマで小一時間も行けば、青くきらめく水のビーチが点在しているのは本当に素晴らしいことだと思います。

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 我が家はことし、家族が入院中だったりして遠くには行けないので、アテネ近郊のサマーハウスに1週間ほど滞在しました。アテネから北東に25kmほどのマティという海岸です。ハリウッドスターなどの別荘もある島々は独特の雰囲気があるので、やはり夏になるとどこかの島に行きたくなります。でもマティには綺麗な海が広がり緑も多く、島の住居の建築のような洞窟様式を意識した家があったりして(画像左下)、私にとっては十分リゾート気分です。隣には泳ぎの大好きな犬を飼っている家族がいて、ワンコさんがのびのびと気持ちよさそうに泳いでいる(画像右下)のをバルコニーから見るのも好きです^^

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 近所にはことしの1月、交通事故により急逝した映画界の巨匠テオ・アンゲロプロス監督のご自宅もあり、目の前に広がるビーチで監督をお見かけしたものです。ことしはそのお姿が見られないのが本当に残念です。

 海岸線に沿ってサマーハウスやコンドミニアムが立ち並びますが、こじんまりしたホテルも何軒かあります。ホテル内には海に張り出した空間のカフェ(画像左下)やレストランがいろいろあります。ここ数年でギリシャを訪れるロシア人観光客、そのリピーターが急増しているのですが、以前はあまり外国人がいなかったマティも、ホテルのプールサイドバーなどはロシア語ばかり聞こえてくるほどです。

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 マティのビーチ自体は小さいですが、周辺にはスヒニァスなど、マリンスポーツ施設や子供用の遊戯施設が充実しているビーチもたくさんあります。私はあまり人が多いビーチは苦手なので、マティのゆったりしたビーチで泳ぐと本当にリラックスできます。ギリシャのカラッとした気候では、海水にぬれてもすぐさらっと乾いてしまうので、デッキチェアに寝そべって読書や音楽を聞くのも最高です。マティはアテネよりいつも気温が5度くらいは低い避暑地でもあるので、爽やかな風が吹きぬけており、エアコンなしでちょうどいいのも快適です。

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 食事は近くのタヴェルナに新鮮なシーフードを食べにいったり、お隣町のラフィーナの港にあがる獲れたての魚介を買ってきたり。上の画像はLAから来た友人が、港でごろごろと氷の上に並べられている魚介に驚きつつも楽しんでいる様子(笑)。買ってきたお魚や貝類、ロブスターなどを自宅でシンプルに料理したりして、白ワインやロゼワインとともにランチやディナーを楽しみます。近所のタコとり名人さんに突然、タコをいただくことも^^;

 透き通る水の中でゆったりと泳ぎ、バルコニーで目の前に広がる海を眺めながら食事をとっているとストレスが自然に消えていくのを実感します。

 夜は小さな屋外映画館が数軒あるので、昔の名画や新作映画を見に行ったり。数日おきに上映作品が変わるので、いろいろと楽しめます。海辺のカフェバーも遅くまで開いており、輝く月とライトアップされた海が美しく見渡せます。

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