No 2. You must visit Athens! - ギリシャ的『ゆるキャラ』、『カラギョジス 』"Karagiotzis''

公開日 : 2015年03月19日
最終更新 :

ヤーサス!皆さん、今日は。

近年、キャラクター王国日本では『フナッシー』等 の可愛らしい『ゆるキャラ』が人気を博していますが、こちらにもそんなギリシャ風『ゆるキャラ』が存在します。それがこの『カラギョジス』 "Karagiotzis"です!

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えっ?あまり可愛くないって? (TT)

でもこのキッチュさが以外と可愛くて、ハマる人はハマってしまうのです。

私とカラギョジスとの最初の出会いはプラカのお土産やさんでした。

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写真のプラスチック製の人形はその時一目惚れしてゲットしたものです。もう随分前の話になりますが。

他にもこんなグッズを購入しました。

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スーパーで購入したマッチのコレクョン。

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モナスティラキのお土産屋さんで見つけたマグネット。

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ギリシャでは雑誌や新聞に『おまけ』がついていることが多いのですが、写真のカラギョジスのCD とDVDのセットはあるTV雑誌が企画した『おまけ』の一つで、当時毎週近所のキオスクに走り、数ヶ月かけて全シリーズ集めました。もちろん非売品です。

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本屋のレジ横で偶然発見して買ってしまった可愛らしいブックレット。

さてさて、このカラギョジス "Karagiotzis"とは古くからギリシャの大衆芸能として親しまれてきた影絵芝居に登場するメインキャラクターです。カラギョジスの起源に関しては様々な説がありますが、18世紀にイドラ島出身のギリシャ人、ヤニス・マヴロマティス(Giannis Mavromatis)が当時中国で生活の為に独自の影絵芝居を創作し、その後永住目的でトルコに渡った彼が影絵の主人公に自らの姓を与え、トルコ語に翻訳したものが"Karagiotzis"。その意味は「黒い瞳を持つ人」です。その後ヤニス・マヴロマティス(Giannis Mavromatis)はトルコで永眠したのですが、その弟子のヤニス・バラハリス(Giannis Barachalis)が18世紀半ば頃故郷ギリシャに戻り、カラギョジス"Karagiotzis"を本国に伝えたそうです。

 カラギョジスは現代に至る迄様々なカラギョジョペクテス(Karagiotzopektes)(カラギョジスアーティスト)が独自に作った手足の動く木製の人形と多種多様なシナリオで上演されて来ましたが、大衆の視点で描かれたコミカルで風刺の効いたストーリーとキャラクター達の独特な動きは子供達はもちろん、大人も魅了して止みません。今でも劇場や映画館、地元の小学校や公園でも定期的に上演されています。

こちらは近所の小学校付近の電柱に貼られたカラギョジスの上演告知ポスターです。ちなみに上演後もポスターはそのまま貼りっぱなしという光景はギリシャでは珍しくないです。

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 ギリシャの影絵芝居の主人公カラギョジス "Karagiotzis"は浮浪者のような身なりをしたチビでブサイク、食べる事もままならない超貧乏人。その日その日をどうやって生き延びるかが彼の日課。そんな苦しい生活をしているものの、常に能天気で好奇心旺盛、またあらゆる社会的権力への従属や義務の遂行を拒み、自由で楽観的で柔軟な思想を持っています。そして貧困の中で培った生きる術「ずる賢さ」を持つ反面、心はまるで幼い子供のように純真無垢というようなとてもとても愛くるしい人物像なのです。彼は影絵芝居においては典型的な労働階級のギリシャ人の象徴とされていますが、苦境に置かれてもプライドを持って生きていこうとする姿は現代のギリシャ人に投影されているように思えてなりません。

 アテネ市内にはカラギョジス "Karagiotzis"の資料を扱っている博物館があります。

ひとつはプラカにあるMuseum of Greek Folk Art http://www.melt.gr/en/

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もうひとつはアテネ市中心部から少し離れているのですがMaroussi市にあるSpathario Museum of Shadow Theater Municipality of Maroussi http://www.karagiozismuseum.gr/en/index.htm です。こちらはギリシャで最も有名なカラギョジョペクテス(Karagiotzopektes)の一人とされている故エフゲニオス・スパサリオス(Eugenios Spatharios)の記念館になります。

彼の作品はYoutubeでも見られますのでギリシャ・シャドー・シアターの雰囲気を味わいたい方はぜひこちらからご覧下さい。

タイトルはカラギョジス・グラマティコス"Karagiotzis Grammatikos"(カラギョジス / 代筆家の巻き)。

カラギョジス・シリーズの中でも傑作中の傑作です。

< あらすじ >

カラギョジスの悪友ハジアヴァティスはオスマントルコ軍事司令官パシャにある仕事を依頼されます。

その仕事とは文字の書けない市民達の手紙の代筆でした。月給は金貨4枚という高収入。お金欲しさに仕事を引き受けたハジアヴァティスでしたが、実のところ文字の読み書きができません。どうしたら良いものか試行錯誤しているといつものように好奇心の塊、カラギョジスが登場します。ハジアヴァティスから一連の事情を聞いたカラギョジスは、文字の読み書きが出来るから代筆の仕事を手伝うと申し出ました。ハジアヴァティスは大喜びで言いました。「さっそく、明日から教会の前で市民の手紙の代筆をしてくれ。俺は客引きに出るから。」と。翌日、教会の前の広場に仕事場を構えたカラギョジスのもとへ一人、二人と客がやってきました。手紙はもちろん、文字など習ったことのないカラギョジスでしたが、もっともらしい代筆家を演じ、なんとかその場をしのぎます。しかしながら、カラギョジスの叔父、バルバ・ヨルゴスの目を欺くことはできませんでした。詐欺を働いたことがバレてしまい、カラギョジョジスとハジアヴァティスはいつものようにバルバ・ヨルゴスに滅多滅多に殴られます。ハジアヴァティスはカラギョジスに問いかけます。「で、これからどうしよう?」するとカラギョジスは「また明日からやり直せばいいよ!」と能天気に答えるのでした。

おしまい。

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