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スペイン/バルセロナ特派員ブログ 岸田 早希子

スペイン・バルセロナ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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9月22日から9月25日の間、バルセロナでは最大のお祭りメルセ祭が行われます。バルセロナの街の守護聖人”メルセ”をお祝いするお祭りで旧市街を中心に、広場などのパブリックスペースで無料のコンサートやショーが期間中は一日中行われる予定です。パレードや、カタルーニャの伝統芸能?としても有名なCastellers(人間の塔)も大規模なものが例年、市庁舎前のサンジャウマ広場で行われます。
夜は海岸で花火や、歴史的な建築物にプロジェクションマッピングが行われたりと一日中楽しめるお祭りです。
ちなみに今年の招待都市はアイスランドの”レイキャビク”。招待年にちなんだイベントも数多く行われるので、アイスランド?なにか登場するのかも楽しみです。

毎年メルセ祭のポスターやパンフレットなどのグラフィックはバルセロナで最も”旬”なデザイナーが担当することになっているのですが、バルセロナオリンピックから25年目の今年は、バルセロナオリンピックのマスコット”ゴビ”を担当したハビエル・マリスカル。

カラフルでポップでどこかやさしい雰囲気のある彼の作風は”バルセロナ”を体現しているようで大好きなグラフィックデザイナーなのですが街中のあちこちでマリスカルのポスターを見かけることができます。

ちなみに、さりげなく”ゴビ”に似た犬もポスターに描かれているのでぜひ見つけてみてください・

↓こちらはポスター
IMG_4612

↓こちらは街の電柱のつり広告

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↓メルセのマラソンの告知もマリスカルの作品です。
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メルセのプログラムは、ツーリストインフォメーションのデスクなどで配布しているほか

http://lameva.barcelona.cat/merce/en 

でも英語のプログラムがチェックできます。(PDFやプログラムの専用アプリもこのページからダウンロードできます。)

ぜひこの時期にバルセロナにいらっしゃる方はお見逃しなく!


2017年9月19日

barcelonaestamoscontigo.jpg


昨日8月17日にバルセロナのランブラス通りでテロが起こりました。
不幸中の幸いで、特に知り合いが影響を受けることはなかったのですが、大好きな街に深く大きな傷あとを残した今回の出来事に怒り、かなしみ、やりきれなさ・・いろいろな思いがこみ上げ昨日は何も手がつかない状態でした。

現時点では日本人の被害者は報告されていないとのこと、事件のあったランブラス通りも解放され、一時閉鎖されていた通りや駅も通常通りに戻り、本日は公共の交通機関もスケジュール通りに動いています。

犯人のうち5人は拘束(数名は射殺)されたとのことですが、実行犯一名が現在も逃走中とのことでバルセロナの周辺の道路などでは
検問が引き続き行われていますし、まだしばらくは予断が許されない状況かと思います。

また今回の事件を受けて街全体のセキュリティはかなり厳しくなっていますが、念のため人が多く集まる場所は避けた方が無難かと思います。

今回のランブラス通りと同様にバルセロナで人が集まりやすくまた車が侵入しやすい場所の情報をいくつかシェアさせていただきます。
もし万が一付近に出かけられる際は、周囲に避難できる場所があるかどうかも確認されたほうがよいかと思います。

■ カテドラル前広場
旧市街にあるカテドラルの前の大きな広場には一日中たくさんの人が行き買っておりかつ特に大きな段差がないので
車の侵入はしやすいです。

■ モンジュイックの噴水
夏の間は水曜から日曜まで噴水ショーが行われておりサグラダファミリア以上に人が訪れるそうです。
最近はパトロールの車が頻繁に巡回していますが、こちらもトラックが出入りできる大きな広場の入り口があり、特にチェック機能がありません。
見る場合はできれば階段付近でみるとよいかも知れません、車がとおれないので

■ ランブラ カタルーニャ通り
ガウディの建物が並ぶパセオ デ グラシアに並行して通っている通りで、通りにはカフェやレストランがテラスを出しいつも人であふれています。

■ プエルタ デ アンヘル通り
今回事件のあったランブラス通りに並行する通りで、通常歩行者天国となっているかなり広い通りですが車が自由に出入りできる作りになっているので注意が必要です。

■パセオ デ ジョアンボルボ
地下鉄バルセロネータ駅からバルセロネータ海岸に伸びる大通りで特に夏場はテラス席がかなりにぎわいます。

その他の観光名所(サグラダファミリア、グエル公園など)は入場の際に必ず厳しいセキュリティチェックが行われているはずなので一旦入ると安全かとは思いますが、周囲にはあまり長居し過ぎないのが無難かも知れません。

“スペインはテロとは無関係かと思っていた”といわれることがありますが、実際はバルセロナにはヨーロッパ最大のモスクの建築計画(かつてのMonumental闘牛場がモスクに改築される計画が一時期ありました)もされていたことがあり、イスラム教徒の数は多い土地です。ただこれまでのアルカイダやETAのテロの経験を経てスペインの警察がテロ対策に長けていたこともありこれまでのテロが防げていた可能性は高いと思います。あとはおそらく他の国に比べると宗教や人種の違いに対しては寛容なお国柄、対立がそれほど表面化していなかったこともあるのかもしれません。

立て続けにテロがヨーロッパ各地で起こり、正直不安な気持ちはぬぐい切れませんが…上記のジョほうが少しでもこれからいらっしゃる方のお役にたつことをお祈りしつつ。


亡くなられた方々のご冥福と、怪我をなさった方のご回復を心よりお祈りいたします。


2017年8月18日

ヨーロッパの本格的なバケーションシーズン到来で、バルセロナは例年にないにぎわいを見せています。
あまりに観光客のが多すぎる中心街から足が遠ざかるようになって久しいのですが、
先日ふとこんな記事を目にしました。


Bye-bye locals: Tourists are taking over Europe’s city centres


記事の中でゴシック地区で25年間暮らしていたアパートが投資家に売りに出され強制退去、
周辺の家賃が高くなりすぎたため住み慣れた地区を離れざるを得なくなった76歳のおじいちゃんのことが触れられていました。

読み終えて観光客としてこの街の魅力に取りつかれ何度も訪れた”元観光客”であり、13年間住み続けている”バルセロナ市民”としてとても複雑な気持ちにならざるを得ませんでした。


バルセロナは気候もよく、世界遺産もたくさんあり食べ物もとてもおいしく観光地としてはとても魅力的な場所です。
なので世界中から観光客が集まるのは、かつてその一人だった立場としてもとてもよくわかります。

私が足しげくバルセロナに通っていた?ころはそれほど観光客はみかけることはなかったのですが近年LLCなどの発達によって、観光客数が短期間に大幅に増えました。急激な変化についていけず、ホテルの数も足りなくなり価格も数年で大幅に値上げされたようです。


ホテル不足の解消・価格の高騰を解決する手段として、バルセロナを訪れる人たちにホテルの代わりに使用されるようになったのがAIRBNBなどのプラットフォームを使用した”民泊”です。ちなみにバルセロナ市では(隣のホスピタレット市も)市から認可を得た建物しか民泊”として営業できないことになっています。認可なしに営業をおこなうことは違法です。(最高で30000ユーロの罰金が課されます)旅行者に”部屋貸し”をするためにも民泊”としての認可を受けることが必要です。

ほんの5年ほど前までは民泊の利用者もそれほど多くなく、バルセロナ市から正式に認可を受け登録することは比較的簡単だったようです。ただここ数年、AIRBNBをはじめとするプラットフォームの発達により手軽に旅行者に貸し出せるようになったこと、そしてビジネスとしても通常の賃貸よりも利益率が高いことと相まって、今まで賃貸に使用していた持ち家を民泊”として貸し出す人たちが急激に増えました。


そのせいもあり、バルセロナ市内では賃貸の家賃がここ1-2年で極端に高騰しました。記事の中のおじいちゃんのように長年住み慣れた場所を離れざるを得なくなっている人もたくさんいます。記事の中にありますが、観光名所として知られているゴシック地区の人口は2006年から2015年の間に一万人ほど減りました。現在ゴシック地区にある住居の63%が観光客用の短期滞在用として使用されています。
サグラダファミリア近くのアパートを借りていた友人の一人も、急に”大家の都合’で退去させられ、一カ月後に1.5倍の値段で貸しに出されていたのをみかけたそうです。


これ以民泊が増えると市民の生活に悪影響が出かねないと判断のうえ、1-2年ほど前からバルセロナ、そしてバルセロナに隣接するホスピタレット市でも新しい民泊への認可は下りていません。(バルセロナはホテルの建設許可も市長が変わってから凍結されました)
許可が下りなくなってもの民泊の数は増え続けたため、(スペインの大手不動産サイト idealistaによれば、現在バルセロナに存在する民泊の40パーセントが営業許可を得ていない違法のものです)バルセロナ市は取り締まりを本格化し、去年から市民に”違法民泊の通報”などのチラシを配布し、専門機関を組織するなどを行っています。同時に民泊を提供するプラットフォームにも登録している建物に”営業認可登録番号”の提出を義務化するよう協力をよびかけたところ、AIRBNBをはじめとするいくつかの大手のプラットフォームは協力を拒否したそうです。


これに関してバルセロナ市から2度にわたってAIRBNBに総額で600,000ユーロの罰金が課せられました。(明らかな違法行為を助長すること自体も違法行為です。スペイン語になりますが元記事にご興味がある方はこちらから読むことができます。


アパートを登録する際にホストに認可番号の提出を義務つけることはAIRBNBのような大手のIT企業にとって決して技術的に難しいことではないと思います。にも関わらず未だに協力を拒否しているのは、違法民泊がなくなることによって大幅な損失が見込まれるからかもしれません。もし事業の利益のために違法行為を助長するようなことをしているとすれば企業のモラルに問題があるように思えます。
宿泊する側にしても、安全基準を満たしていない違法の民泊を使用するということは大きなリスクになり得ます。(AIRBNBには認可された民泊も掲載されていますが、現状認可されているかどうかは確認することができません)
また、違法の民泊を利用することはなんらかの形で、先に引用させていただいたおじいちゃんのような人たちをさらに生み出す、地元の人たちを追い出してしまう、ことにつながっているのではと思います。


私が一番最初にバルセロナを訪れた時、美術館を歩いているような世界遺産にあふれた美しい街並みと同じくらいに、この街の人たちの親切さや明るさに魅了されました。この街で暮らし始めてからも、いろいろな人たちに助けられながらなんとか13年間やってくることができました。バルセロナの街はそんな人たちがあってからこそ、”バルセロナ”なのだと思います。
だからこそ近年の観光ブームで急激にバルセロナの人たちがバルセロナを去る選択を取らざるを得ないことをなによりも悲しく思いますし、地元の人がいなくなった形だけの”バルセロナ”という名前のテーマパークにはなってほしくないと心から願います。(もう手遅れかもしれませんが)


私自身も旅行の際に民泊を使用したことはありますし、長期滞在、家族やペット連れの旅行の際にはとても便利だと思います。
新しいプラットフォームによって急激に利用者数が増えたこともあり、現時点では利用者の利便にこたえつつ、市民の生活を壊すことない共存の方法を模索しているような段階のようにも思えます。なので、民泊の使用に絶対反対(一部のバルセロナの観光客ヘイトの活動家たちの人のように)というわけでばありませんが、自社の利益を優先し、住民のことは省みないとくみ取れるようなAIRBNBのスタンスには大いに疑問を感じます。


もちろんバルセロナ市から認可を得ている民泊のみを掲載しているプラットフォームも存在します。念のため以下にあげておきますね。

Booking.com


HomeAway


TripAdvisor


Rentalia


Apartur


バルセロナでの宿泊先を決める際に、ひとりひとりの選択がこの街にどのような未来ををもたらすのか、これからもバルセロナが魅力的な街でありつづけるために、訪れる方にも少しだけ知っていただきたいなと思い書かずにいられなくなった次第です。


2017年7月14日
2017年3月25日
2017年2月18日
2016年11月30日
2016年10月16日
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  • 特派員プロフィール
  • バルセロナ特派員

    バルセロナ特派員
    岸田 早希子
    1996年に初めて訪れたバルセロナに”一目ぼれ“その後8年間バルセロナと東京間を毎年往復し2004年より”念願“のバルセロナ在住。現在はスペイン企業に勤務しつつ、日本語を忘れそうになるほど”バルセロナ”にどっぷりつかる毎日。“好きこそものの上手なれ”か、現地の友人たちの間でもお墨付きの”バルセロナ通“。友人たちと作ったサイト“Totteokiバルセロナ”で現地の最新情報を発信中。 DISQUS ID @girasolenbcn

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