バスクでの出産。

公開日 : 2012年01月14日
最終更新 :
筆者 : 岡野 愛
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 今日は前回の予告通り、スペイン バスクでの出産について書かせていただこうと思います。

 まずはこちらの写真。左は私の母手帳、右が子手帳です。日本は1冊にまとめられていると思いますが、こちらでは別々になっています。ちなみにバスク地方での出産になるのでバスク語とスペイン語2ヶ国語で表記されていますよー。

 こちらの出産方法には公立病院と私立病院の出産、どちらにするかを選ぶことが第一ステップとなります。両者の決定的な違いは『公立病院での診察、出産・入院費用は全て無料』だと言うことです。

 私は無料だということ、またプライベートの病院で分娩時に何か大きな問題があった時は自動的に設備が整っていると言う点から公立病院に搬送される為、私は公立病院を選択しました。

 無料と言っても、家の近くのambulatorio(診療所)で毎回の診察も見てもらえるし、予約制なので待ち時間もほとんど無かったし、(もちろん緊急時はurgenciaで診てもらうこともできます。)助産師さんはとても親切だし、母親、父親学級もあり安心でした。(でも日本のように沐浴指導などは無かったので自分で本を読みながらのぶつけ本番でしたが・・・。)

 出産時はambulatorioでは無く、総合病院に行くことになるのですが、設備も良く、私の家から車で5分ほどの距離だったので問題もありませんでした。

 そして日本での出産と大きく異なるのが分娩方法です。

 こちらでは無痛分娩が一般的で、普通分娩は少数のようです。私は最初から無痛分娩を希望していたのですが、妊娠がわかった時から出産時までどちらにするか聞かれませんでした。(申し出ないと自然に無痛分娩という流れになるようです。それほど無痛分娩が主流だと言うことになりますね。)ちなみに無痛分娩の際には薬を入れる直前に同意のサインが求められます。

 私の場合、破水からの出産だったので陣痛が始まる前に病院へ向かったため病院に付いてしばらくは痛みも無かったのですが、検査、入院手続きを済ませ、ベッドで横になっているとだんだんと痛みが襲ってきました。するとすぐに「薬、入れる?」と聞かれました。私は陣痛の痛みも少しは経験しておきたかったので、「もう少し待ちます。」と断り、陣痛も少しだけ経験してみました。しばらくすると痛くなる間隔も短くなってきたので薬を入れてもらうことに。

 薬を入れると今までの痛みが信じられないほど楽になりました。おかげで薬を入れてからは夫と話をしたり、友達にメールを送ったり、陣痛の間隔は何分だから今はこのくらいの段階だろうなどと本と自分の状況を比べる余裕もありました。ただ水分以外は何も口にすることができなかったので空腹と戦うことになりましたが・・・。

 結果、破水から約16時間の出産となったのですが、無痛分娩のおかげで体力の消耗も少なく済みました。

 公立病院での入院時は相部屋ですが、掃除の方も毎日来てくれるし、シーツも替えてくれるし、各部屋にシャワーとトイレもついていて快適でした。また赤ちゃんのオムツやミルク、ボディー、その他必要な物も支給してくれて念の為に持っていったものをほとんど使わずに済みました。私の入院した病院の場合は赤ちゃんをお風呂まで入れてくれて、その間は休むことができて大助かり!!

 ちなみに食事に関しても2日に1回、聞きに来る係りの方がいて、メニューを教えてくれて選ぶことができました。味も薄味でしたが、美味しかったです。3度の食事以外にもおやつも1日に2回あり、スペイン方式の1日5食でした。(おやつはビスケットなどの軽い物ですが。)

 初めての出産を異国で経験した私ですが、トータル的にとても快適で安心、そしてストレスも無くできました。その後の子供の定期検診や予防接種なども順調に進んでいます。そしてスペイン人はとても子連れに寛大で、いろいろな場面で助けてくれたり、声をかけてくれて産後の育児も楽しくさせてもらっています。私はスペインでの出産、育児ができてとても幸せだと感じています。

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