アルゼンチンの子育て:トイレもエレベーターも必ず一緒

公開日 : 2012年11月12日
最終更新 :
筆者 : 相川知子
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アルゼンチンでの子育てで、日本と違いはいろいろありますが、一番重要で、また大変なのは子どもを目の届くところで見ておかなければいけない、ということです。

 当たり前のことなのですが、その面倒の見方はずっと一緒にいる、一緒に行く、連れて行く、迎えに行く、なのです。

 日本では小学校1年生で一人で電車に乗っていることだってあるそうですが、アルゼンチンではそれはあり得ません。

 赤ちゃんが寝ている間に近所に買物、というのも信じられない行為なのです。だからなのでしょうか、あんなに小さいのに、またこんなに寒いのに/暑いのに、ベビーカーを押して歩く女性の多いこと。

 それじゃあ、働いていたりしたらどうするの?という質問にはベビーシッターやお手伝いさんを雇うのです。

 ベビーシッター、そして、お手伝いさん、と別々だと経済的にも大変なので、子育て経験あって、すでに子ども達は多少大きくなっているお母さん、もしくはおばあさん(40代でおばあさんはざらですから)お手伝いさんを頼むことが一般的です。

 もちろん、親戚に頼むことも不可能ではないでしょう。

 もちろん、夫婦の仕事の時間が違ったりすればお互いに交代します。

 または上の子が大きい場合はおにいちゃん、おねえちゃんに一緒に家に残って留守番、もしくはある程度知っている場所学校とかですね、つれて行くことを頼めます。おにいちゃん、おねえちゃんとは言え、そうですね。早くて14、5歳ぐらいでしょう、一人歩きは、近所とか、学校とか、良く知っている友だちの家に行くのは。

 最近、その傾向が早くなっているのは携帯電話のおかげもあります。着いた、出かけた、のお知らせが親にできますからね。小学校のスクールバスはありますが バスに乗せ、また着いたら迎えないといけません。かぎっこはアルゼンチンではあり得ないのです。

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 また特に、公共施設で、一人でエレベーターに乗せたり、またトイレに行かせるのもありえないことです。

 ブエノスアイレスの町中は大人でも危険がいっぱいです。

エレベーターが突然壊れることもありますし、

間違えて別のところで降りたら?

そして、途中で誰かに連れて行かれることだってあり得ないことではないのです。

 町中も車はめちゃくちゃ走っているし、道の溝がいっぱいあります。だいたい、大人って乱暴なので、小さい子が一人で歩いているなんて気がつかなくてぶん、とカバンの向きを変えたら、子どもがそれに当たっちゃうこともあります。私はときどきトイレなどで経験して、他の女性に文句を言うこともしばしば。。。

 ですから、最近、ショッピングセンターでは子ども専用トイレもありますし、だいたいトイレというのはいろいろな犯罪や事件が多く起きる場所でもあります。独りで行かせるのは、せいぜい14歳以上です。他の人に連れて行かれて行方不明になる事件が実際に起きています。

 ですから、旅行などに来ても、決して子ども一人でショッピングセンターやマクドナルドのトイレに行かせないようにしましょう。

 公園もそうです。公園で遊ばせていてもお母さんの目の届くところに。。走って行ったら、そっちにお母さんも走って行くように。。。

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 また、公園のブランコが高いのは大人が乗せるためです。また遊具の間に柵があるのも突然出て行っちゃったりして事故があるのを防ぐためです。もちろん、変な人が来る防止にもなります。

 毎日の学校の送り迎え、またお誕生日会、習い事、お友達の家への送り迎え、まるで子どもの配達人という感じですが、大切な子どもを守るためにも、たとえ、一緒に歩いていても、ふとしたことで何か起こるのが子どもですから、是非 アルゼンチン滞在が楽しくなるように気をつけてあげましょう。

 こちらが神経質になっても大変ですが、また逆に 密接した子育てができるチャンスです。うちには10歳と11歳の女の子がいますが、自分はこうだったかなーと思うほど、甘えっ子で、抱きついて来たり、腕くんで出かけます。最近は出かけて歩きながら、いろいろおしゃべりができる子ども達との時間が私には、とても重要で楽しい時間です。

(11月のお題"世界各地の子育て環境")

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筆者

アルゼンチン特派員

相川知子

1991年よりブエノスアイレス在住。スペイン語とラテンアメリカが大好き。アルゼンチンのことを日本に周知がライフワーク。

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