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タンザニア/ダルエスサラーム特派員ブログ 西東 たまき

タンザニア・ダルエスサラーム特派員が現地からアフリカ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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(サウジアラビア国王の名前で寄贈されたナツメヤシ・”Gift from the Government
of the Custodian of the Two Holy Mosques King Salman Bin Abdul Aziz al Saud”
と書かれています。)


5月末に新月が確認され次第、タンザニア全国イスラム評議会「BAKWATA(バクワタ
/Baraza Kuu la Waislamu Tanzania/National Muslim Council of Tanzania 」は
ラマダン入りを宣言し、現在、全世界とともにラマダン真っ最中です。


ラマダンとは?
ラマダンとは、イスラム暦の第9番目の月のこと。
この一ヶ月間、ムスリム(イスラム教徒)は、日の出から日没まで一切の水と食物
を断ちます。「断食する」と聞くと、苦行のような大変な様子を思い浮かべること
が多いかもしれませんが、実際のところ、ムスリムたちはラマダン開始がとても
嬉しそうです。断食する者同士で連帯意識が高まる中、待ちに待った夕刻の食事を
家族や友人とワイワイ分かち合って一斉に食べる、ある意味、非日常が続く日々を
楽しく感じるのは容易に想像出来ます。


外国人の私も、しばしば「断食はしないのかい?」と冗談半分で声を掛けられます。
私は「Mimi kobe(私は断食破りです)」と返答し、相手がなぜか大笑いするという
のが、この時期の定番のやり取り。街の食堂そしてバー(ムスリムの飲酒は珍しく
ありません)はこの一ヶ月の間、通常より閑散として見えます。


この時期、人々は普段に増して足繁くモスクへ通ったり、普段ベールを被らない
女性もベールを被ったりしているのが目に留まります。また、シーズン中は、
連日夜間、特別のお祈りも行われます。食事を終えて一段落したあとに軽く体を
動かす機会にもなるというわけです。


日の出・日の入りが大事
日没時刻に達し次第、一斉に食事が始まります。ご存知の通り、日没時刻というの
は毎日変わります。そのため、食事の開始は毎日少しずつ前倒しになっていきます。
空腹と渇きのさなか、飲食物を目の前にしても一分として早く食べ始めるなんて
ことがないのは心構えの違いでしょう。私にはちょっと難しい芸当に思われます。


一日絶食したあとですから、毎回の食事はまずはお茶と、重湯や軽いスターター
から始められます。ラマダン期は食事のメニューも独特のものとなり、この時期
以外では食べない料理が並びます。スワヒリ語で「タンビ」と呼ばれるそうめんが
出回るのも、甘いメニューが増え、砂糖の消費量がさらに上がるのもこの時期です。
干し柿を思い起こさせるナツメヤシの実は一年中売られていますが、食事前に
飲むお茶の友の定番のひとつとして欠かせないため、ラマダン期はスーパーの
ナツメヤシ売り場面積も広くなります。


太陰暦に則ったイスラム暦は29日の月と30日の月を交互に繰り返すため、太陽暦
から年に11日ほど徐々にずれが生じます。そのため、ラマダンの時期も毎年同程度
の日数早まっていきます。10年ほど前にはラマダンは日本の秋だったのが、今では
梅雨の季節にまでずれているのです。


断食の時間はあくまで夜明けから日没ですので、日照時間が長い日本の夏にラマダン
が当たれば断食であれば断食時間が長くなりますし、冬に当たれば短くて済むと
いうように、数時間の時差が出ます。


ちなみに、タンザニアでは季節による日の出日の入り時刻の違いが日本ほどあり
ません。せいぜい30分程度夜明けが早くなるだけ。そして日没もその分早まると
いう、日本にはないパターンで、結局、日照時間は年間通してほとんど変わりません。


異教徒も一緒に
タンザニアには宗教の違いによる諍いが基本的にないため、ラマダン明けのお祝い
にクリスチャンの友人を招いたり、逆にクリスマスにムスリムが招かれたりして
一緒にご馳走を囲むという話は、よく聞きます。


ラマダン中、レストランやホテルでは断食している人向けの特別メニューが用意
されますし、ラマダン明けのお祝いにはスペシャルオファーが盛んに宣伝されます。


さて、新月と共に始まったラマダンは、終わるのも新月と一緒です。新たな新月
が確認された翌日が、ラマダン明けの祝いの日となります。人々はその日のため
に贈り物を用意しています。当日はご馳走が作られ、友人や家族を招き合うのです。
今年のラマダン明けは、6月25~26日頃の見込みとなっています。


こんな配慮で分かち合うラマダン
もし、ラマダンの期間にタンザニアを訪れる機会があり、利用したタクシーの
運転手や居合わせた人が断食中だったりした場合、目の前で飲食するのは控える
配慮をするとよいでしょう。
もちろん、目の前で飲食したところで文句を言われたりすることはないはずですが、
人としてそのような配慮を見せるのは悪くないことだと思います。


ラマダン中は、「Ramadan Kareem(ラマダン・カリーム)」という特別の挨拶が
あるので、機会があったら声を掛けてみるとよいでしょう。


2017年6月13日

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年2回、初夏と初冬に行なわれるクラフトマーケット「Artisan Market」
が、今回も5月13日土曜日、Oyesterbay Shopping Cetre中庭にて行なわ
れました。


雨季も終盤ながら、5月に入った辺りから連日の激しい雨に時折雷雨
といった具合で、晴れ間の戻る気配は一向に見えなかったところでした。


久々の青空が広がったのは、マーケット開催前日。
気持ちのよい青空は翌日も持ち越され、今回もマーケットは盛大に開かれ
ました。


毎回出店数は拡大しているのですが、今回は70を越えたとのこと。
基本的に、タンザニア国内各地からやってきたクラフト生産者たちが
自慢の品々を直売価格で展示販売します。


このようなマーケットは、品揃えが良い午前中に行くのが「通」。
昼前までに行くと欠品もまずなく、欲しいものを選り取り選ぶことが
出来ますが、通路は人を掻き分けながら通らなければならないほどの
混みようです。
落ち着いて見て回りたいなら昼過ぎから行くと、品数は減っている
ものの、生産者とゆっくり会話を楽しみながら品定めが出来るでしょう。


以下に、今回のおすすめブランドをご紹介しますね。


キリマンジャロ山麓の町・モシ(Moshi)から届いた『Julie’s
Beewax Candle』の蜜ろうキャンドルたちは、ひときわ目を引く存在
でした。
自然の素材で作られたキャンドルは、蜜ろう本来の温かみのある黄色
そのまま、形もごくミニマルなデザイン。そこに細い麻ヒモで小さな
タグを結び付けただけのシンプルさながら、凛とした存在感と美しい
オーラを放っています。
蜜ろうは濃厚なハチミツの香りがすることを、筆者は初めて知りました。
これなら、停電の多いダルエスサラームの夜も、良いムードで過ごせ
そうです。


また、同じくキリマンジャロ地方からの出店・お腹を抱えて笑う
ハリネズミ印の『The Epicurious Hedgehog』の天然エッセンスは、
お菓子作りをする人なら是非揃えたい商品です。
タンザニア各地から集めた国産素材で作られたバニラ、オレンジ、
コーヒー、カカオ、シナモンのエッセンスは、ギフト用パッケージも
揃っています。
バニラエッセンスを隠し味に加えたレモネードの試飲を用意し、各種
エッセンスを使ったレシピカードも配布と、積極的なPRで抜かりあり
ませんでした。このように、使い方もアドバイスしてもらえると助かり
ますよね。


今回初出店というカバン屋さん『SHIRIKISHA』で、一番に筆者の目に
付いた品は、タンザニアのカラフルなプリント布「カンガ」と、厚手で
しっかりしたオリーブグリーンのキャンバス地を組み合わせ、皮製の
持ち手をアクセントにしたトートバッグ。
可愛いプリントの甘さをミリタリー風なデザインで押さえたシックな
シリーズは、今後、定番商品として人気が出そうです。
また、このブランドは、女性および聴覚障害者をサポートしている団体
によるものですので、製品の購入は彼女たちを支援することにも繋がり
ます。


同じく初出店となった、自然素材の石けんとキャンドルのお店『Nusu
na Nusu』(ヌス・ナ・ヌス/スワヒリ語で「半分こ」の意味)は、
天然素材で作った手作り石けんと、キャンドルを展示。
手のひらに収まるサイズの丸型の石けんは、ブランド名の可愛いロゴが
型押しされていて、とってもキュート。天然アロマの様々な香りが揃っ
ています。シンクに一つ飾るだけでお酒落な空間になるでしょう。
シックなパッケージングは、贈り物にも喜ばれそうです。
蜜ろうで出来たキャンドルは、ココナツの殻に流し込まれていてタン
ザニアならではの楽しいデザインになっていました。
こちら、実は日本の女性が主宰する、期待のブランドです。


比較的新しいブランド『Pamoja』(スワヒリ語で「一緒」の意味)では、
カンガを使った実用的な布製品が見つかります。
カンガの大胆なプリントを生かしたマイバッグは、この数年来、大手
スーパーのレジ袋が次々有料になったダルエスサラームでの買物に
役立ちそうです。縫製や内側のしまつもしっかりしている上、良心的な
値段(約330円)設定が嬉しいところです。


タンザニア発ではなかったものの、カシューナッツ、マカダミアナッツ、
アーモンド、ピーナツなどをそのままペーストにしたナッツバターを取り
揃えたケニアからの出店者も人気がありました。材料が高級なため、
製品もなかなかの高額ながら昼までにはだいぶ品薄になっていました。


その他、『Mama Masai(ママ・マサイ)』、『Mabinti(マビンティ)』、
『Zito(ズィト)』、『AfriCraft(アフリ・クラフト)』、『Anne
Kiwia(アン・キウィア)』、『Handmade from Tanzania(ハンドメイド・
フロム・タンザニア)』、『Kipepeo(キペペオ)』などの常連店も
相変わらずの人気で客足を集めていました。


次回は11月下旬~12月初旬に開催の見込みです。


マーケットの写真はこちらで!
https://www.facebook.com/ArtisanMarket.Dsm/?hc_ref=SEARCH&fref=nf



2017年5月22日

Street in Dar es salaam.JPG


アフリカの代表的な言語の一つ・スワヒリ語は、タンザニアの国語です。


スワヒリ語が使われている国はタンザニア周辺にいくつかあり、スワヒリ語圏を形成
しています。北の隣国ケニアでも、英語に並んでスワヒリ語が話されています。


けれども、ケニアの大統領の公式スピーチが英語で行われるところをみると、
ケニアにおけるスワヒリ語の立場が分かるような気がします。主流は英語ということです。


対して、タンザニアでは常に迷わずスワヒリ語です。


タンザニアには約130の民族いるとされており、それぞれは固有の言語を持っています。
スワヒリ語はそれらをまとめる共通語として重要な役割を果たしているのです。


民族の文化と歴史を伝える貴重な地域言語がたくさん存在しているといっても、ご多分
にもれず絶滅の危機に瀕している状態にあるものも少なくないようです。スワヒリ語に
吞み込まれつつあると。


英語でないところがいいなと思いますが、なるがままに任しておいては、それも時間の
問題になりかねません。


国がいくらスワヒリ語の保持に力を入れようとも、実生活で英語が分かる方が有利と
あれば、人々が英語に重きを置くようになるのも止むを得なくなります。まして、色々な
先進情報が英語で入ってくるとなれば、知る者と知らない者の差は格段になります。


スワヒリ語の立場を守りつつ情報格差を埋めようとするならば、あらゆる情報を翻訳して
提供していくことが必要となります。日本人が日本語だけで生活していても情報不足を
感じることがないのは、世界のあらゆる情報が日本語に変換されているからですよね。
が、それは莫大な費用がかかること。自国語を守るにも資金力次第というのはとても
皮肉なことです。


さて、一般に「教育のある」人は英語が話せることになっています。
イギリスの植民地でしたので、普及しているのはイギリス式の英語です。


街で出会う人の中で英語が伝わる確率は、感覚的には半分以下に思われます。
庶民的な場所では、さらに低くなるでしょう。そのような場所ではジェスチャーと片言
のスワヒリ語でのやりとりになります。


公的な書類などは英語版が用意されてもいますが、不可解なのが法廷での言語の扱いです。


一般庶民を対象にした法廷であっても、裁判官・弁護士が使う言葉や発行される書類は
英語になります。つまり、法廷に立つ当事者が英語を理解できない場合は、理解でき
ないまま審議が進むということです。これは大変な不利益だと同情を禁じ得ません。


一部にそのようなネジレ現象が見られるとしても、タンザニアにおけるスワヒリ語の
存在感には影響ありません。


日本語では外来語をそのまま採用しているデコーダーもアイロンも、ちゃんとスワヒリ語
があります。デコーダーはKing’amuzi(キンガムズィ)、アイロンはPasi(パスィ)です。


Eメールのことはスワヒリ語でBarua pepe(バルーア・ペペ)と呼びます。
Pepeとは「飛ぶ」という意味です。


日本語と同様、スワヒリ語はとても母音の多い言葉で、言葉の最後は必ず母音で終わります。
そのようなスワヒリ語訛りで英語を発音すると、n、s、tなどの子音で終わる英単語の
後ろに「i」の音が加わります。


例えば、Irene(アイリーン)という名前であれば最後にiが加わって「アイリニ」に、
Sammuel(サミュエル)であれば「サムエリ」になるという具合です。日本語の「ー」
のように伸ばす音もありません。
Martin(マーティン)に至っては、「マティニ」になっています。


その法則により、インターネットはインタネティ(Intaneti)、スピードはスピディ
(Spidi)になります。


ところで、私たちがシャープと呼ぶ記号(#)は、スワヒリ語で「アラマ・ヤ・レリ」と
呼ばれます。「レールの印」という意味です。
シャープ記号を見てレールを連想したことなどありませんでしたが、確かにレールに見えますよね。


電話はSimu(シム)。Namba ya simu(ナンバ・ヤ・シム)で電話番号です。
Nambaはナンバーのことだと分かりますね。やはり、伸ばす音「ー」は無くなっています。


携帯電話はSimu ya mkononi(シム・ヤ・ムコノニ)。Mkonoは片手のことです。
「片手に持つ電話」が携帯電話ということですね。
他方、固定電話のことはSimu ya mezani(シム・ヤ・メザニ)といいます。Mezaは机の意味
ですので、「机上電話」という表現になっています。


さて、日本語でバス高速輸送システムと呼ばれるBRT(Bus Rapid Transit)が一年前
(2016年春)、ダルエスサラーム市内で開通しました。
このBRT、英語の会話の中ではDART(ダート)という愛称で呼ばれていますが、スワヒリ語
会話ではもっぱらMwendokasi(ムウェンドカシ)という名前で呼ばれています。「高速運転」
という意味です。専用レーンを通るので、渋滞知らずの高速なのです。


ところで、他にも面白い話を聞きました。


タンザニアには、背が高いことで知られるWanyamwezi(ワニャムウェズィ)と呼ばれる
民族がいるそうですが、「背が高い人たち」=「アメリカ人」の発想から、アメリカ人
のことをWanyamweziと呼んだりするそうです。


ちなみに、国名としてのアメリカはMerekani(メレカニ)。耳に届いた音がそのまま
言葉になった感じでしょうか。
旧宗主国ドイツとイギリスはそれぞれUjerumani(ウジェルマニ)とUingereza(ウィンゲレザ)、
フランスはUfaransa(ウファランサ)、ロシアはUrusi(ウルスィ)です。どれも何となく
元の音が感じられますよね。 


日本は、最後にiをつける既述の法則に従ってJapani(ジャパニ)です。


なお、タンザニア自身に付けられたニックネームもあります。
皆さんがタンザニアに来たとき、Bongo(ボンゴ)という言葉を耳にすることはあるでしょうか?
Bongoとはタンザニアのことを指し、それはそもそも「脳ミソ(Brain)」の意味だそうです・・・。
タンザニア人は自国をとても愛する、誇り高い人々です。



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