黒い森の宝石箱 ー プフォルツハイム

公開日 : 2003年12月11日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

フランクフルトから高速道路を南下すること約1時間半。ドイツ南西部に横たわる針葉樹林「黒い森」の、北の玄関口に位置するPforzheim(プフォルツハイム)市は、ドイツ宝飾産業をリードする重要な役割を担う街です。さてさて、時はさかのぼって1767年。バーデン地方の辺境伯Karl Friedrichの勅令により、プフォルツハイムに、フランス人の経営する懐中時計工房の開業が許可されたのが、始めの一歩でした。やがて1913年には、75,000人の全人口のうち、2人に1人が宝飾・時計造りに関わるまでに発展を遂げ、街そのものが宝石工場とも呼べる時期を迎えたと思いきや、第2次大戦の、わずか20分足らずの集中砲火によって街は壊滅状態に。しかしその後1953年には、再び宝石・銀製品の一大生産地として完全復活をなしえました。そして今日では、ドイツから輸出される高級宝飾製品の実に80%がプフォルツハイム生まれと言われ、さらに、地元の高級宝飾品業者が共同出資する金細工師・時計職人養成学校を始め、造形専門大学、宝飾技術研究所、宝石博物館などを擁し、宝飾デザインを学ぶ若い力も育ちつつあるプフォルツハイム市は、これからも、名実ともに宝石の街として輝き続けていきます。ここで、この街を代表する、1893年創業の高級宝飾品メーカー「Wellendorff社」(ヴェレンドルフ社。以下W社)をご紹介します。欧州各国の王室ともゆかりの深いW社の製品は全品がハンドメイド。とりわけ高い人気を誇るのは、18金と鮮やかなエナメル細工が印象的な、限定生産品「イヤーズ・リング(指輪)」。2002年のイヤーズ・リングは「赤いバラ」と名付けられ、全世界で202点のみ販売されました。また、「Amor」の名を持つ2003年のリングは、やはり年号にちなんで203点のみ発売されています。W社のリングは全品特殊2重構造になっており、内側のリングと外側のリングがクルクル回転する仕組み。職人さん達の遊び心が伝わってくるデザインです。一体どんな指輪があるのか興味津々という方は、下記のサイトまでご来店下さい。プフォルツハイム(ドイツ語)ヴェレンドルフ社(英語)

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プフォルツハイム市では、未来の宝石職人を目指す(?)一般市民を対象に、本物の職人さんが講師をつとめるホビー宝石製作教室も好評開催されています。

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