太りすぎドイツに、喝〜っ!

公開日 : 2007年06月08日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

国際肥満学会(IASO)の調査によると、成人女性の半数以上、さらに成人男性にいたっては、実に4人に3人が「太りすぎ」と診断されてしまったドイツ。歴代チャンピオンであるチェコ、イギリス、キプロスをおさえて、肥満度ヨーロッパ・チャンピオンという、なんとも不名誉なタイトルに輝いてしまったドイツ。そんな中、「このままじゃあ、イカン!」というわけで、ドイツ政府が音頭をとり、「肥満STOPキャンペーン」が展開されることになりました。(このキャンペーン、正式には、「FIT STATT FETT」といい、直訳すると「脂肪の代わりに健康を」という意味。FIT(健康) と FETT(脂肪)という単語が、語呂遊び的に使われています。「肥満STOPキャンペーン」というのは私の勝手な邦訳ですので、あしからず)

肥満度を算出する際に国際基準となるのが、ご存知BMI指数。日本では、「体重(kg)÷身長(m)の二乗」で算出されるBMI値が25を上回ると太りすぎ、30超なら肥満と診断されるようで、たとえば身長165cmの人なら、体重69kgで「太りすぎ」。う〜ん、そうすると、身長165cmの成人女性の半数以上が体重70kgに手が届く、ってな状況なわけですか、ドイツでは。うむうむ・・・こりゃ重いかも、かなり。

さて、この肥満STOPキャンペーンの内容としては、「全国の学校での食育の導入」、「食品への成分表示の徹底(とりわけ脂肪分、糖分など)」、「学校給食、社食、外食産業界における健康食(野菜、果実類)の提供促進」などが挙げられ、これらの項目が、ドイツ国内の各州、市町村はじめ、全国津々浦々にある、星の数ほどのスポーツ団体にも浸透し、実践されることを目標に掲げています。

国をあげたキャンペーンの船出を受けて、コカ・コーラ社は、全ヨーロッパに出回る製品への成分表示の明確化を目指すことを発表するなど、産業界からの理解も得られそうですが、今のところはあくまで啓蒙キャンペーンの域を出ておらず、(食品表示法など)法による規制には及んでいないところから、キャンペーン効果を疑問視する声も出ているようです。

しかしドイツ政府は、キャンペーンの目標値として、2020年までに肥満人口を現在より20%減少させたいとしており、肥満が引き金ともなるガン、卒中、糖尿病などの患者を減らすことで、医療費削減にもつなげようと意欲満々の模様。

それにしても、これだけ肥満人口が多いとなると、ドイツ旅行中に「やせすぎ」のドイツ人男性に出会ったとしたら、それって、確率的にはかなり貴重な体験なのかもしれませんね〜(苦笑)

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