「◯」と「l」。どっちが?どっち?

公開日 : 2007年07月10日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

ドイツへ来た当初、電気製品を使う時に悩んだのが、スイッチの切り替え方法。つまり、電源の「入」と「切」のこと。スイッチ横に「ON」「OFF」と表示してあれば問題無いのだけれど、「|」「◯」式の表示も結構多くて、これだとどちらが「入」でどちらが「切」なのか判断つかずに困ったものだった。

個人的には、「◯」は「パクっと開いている」感じがするから「ON」で、「|」は「閉じている」から「OFF」のような気がしたのだけれど、実は正解は逆で、「|」が「入る」で、「◯」は「切る」。どうしてそうなるのかと尋ねたら、「◯」は「数字のゼロ」だから「OFF」で、「|」はその反対だから「ON」なのだと、以前ドイツの友人が説明してくれた....が、そう説明されても、やっぱりこの「|」「◯」方式にはなかなか慣れず、いまだに時々「アレレ?どっちだったっけ?」となってしまう。

で、そのことをドイツ人の夫に話したら、「と〜んでもないっ!日本方式の方がはるかに判りづらいゾ!」と切り返して来た。例えば、日本の旅館の宿泊予約状況をインターネットで確認しようとすると、「◯」「△」「X」で表示されていることが多いが、「あれじゃ、どの日が満室で、いつ空きがあるのかサッパリ判らない!」のだそうだ。我々日本人にとっては、◯は「良い意味」なので空き部屋があり、Xは「ダメ」だから満室、そして△はその中間で、「空き部屋あと僅か」だということは一目瞭然だが、ドイツ人から見るとどうやらチンプンカンプンらしい。

確かに、電源スイッチの「OFF」を「◯」で表すお国柄だから、「空き部屋◯」を見れば、「OFF」(あるいは数字のゼロ)から連想するマイナスのイメージが働いて、「空き部屋ゼロ」、「予約不可能」だと理解してしまっても無理はない。それとは逆に、ドイツ人は、アンケートなどで回答にチェックを入れる際に「X」を使い、「X」には「これを選択しますよ」という肯定的な意味があるためか、「予約X」を、「この日の予約はOK、可能です」と受け取ってしまうのかもしれない。

ドイツ人には当たり前の「◯」と「|」。

日本人には当たり前の「◯」と「X」。

「電源スイッチ」ひとつを見ても、こんなカルチャーショックが隠れているのデス。

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