牛にはわかって、犬にはわからないもの。それは、サマータイム。

公開日 : 2008年03月31日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香

先週ブログを書いた時には雪景色だったのに、3月30日のサマータイム開始に合わせるかのように、ここ数日で一気に気温が上昇したドイツ。

サマータイムに切り替わる当日には、「夜中の2時になった時点で、時計の針を1時間進めて3時にする」という作業を行うことになっている(実際は、前夜の就寝前や、当日の朝起きた時点で時刻を1時間進めるという人が大半なのは、ご想像の通り)。

家の中にある時計という時計の時刻をいちいち調節するのは面倒だったが、昨今は、常に標準時を表示してくれる電波時計の普及によって、この作業の手間はかなり軽減された。

さて、その電波時計(デジタル表示)の時刻が、自動的にサマータイムに変わる瞬間というのは、

午前1時59分59秒の次に

午前3時00分00秒

に変わるものだと思い込んでいたのだが、実は、

午前2時00分59秒の次に

午前3時01分00秒

に切り替わるということを、今年初めて知った。我が家にある電波時計でライブ確認したのだから、間違いない(ヒマなヤツだと言わないで下さい)。

そんなわけで、サマータイム初日は、1日が23時間しかないことになる。逆に、サマータイムが終了する日には、時計の針を1時間遅らせるという作業を行なうわけだから、1日が25時間あることになる。1日が25時間に延びてしまう場合は比較的容易に対応できるものの、23時間に短縮されてしまう際は、人間の体内時計はスムーズに適応できないらしい。いつも24時間かけて営んでいる1日を、「今日だけは23時間で終わらせなさい」といきなり言われても、そりゃあ確かに困るってもんだ。1時間のロスは痛い。

この1時間の時差によって体調に支障をきたすのは、何も人間だけではないようだ。

たとえば酪農農家は、この時差によってずれてしまった搾乳の時刻を元に戻すのに、何と1〜2週間も要するという。なるほど、乳牛もサマータイム制度で苦労しているわけだ。

同じ哺乳類でも、ペットの代表格である犬や猫は、「自然界の時間帯よりも、飼い主の態度を察知して1日を送る」ため、飼い主が「さあ、朝ご飯よ」とペットフードを持ってくれば、「ああ、いつもの朝ご飯の時間なんだな」と悟るし、「お散歩に行こうね!」とリードを持ってくれば、「ああ、いつもの散歩の時間だな」と認識するため、1日が23時間でも25時間でも、フレキシブルに対応するらしい。

そんなこんなで、ドイツ住民のおよそ3人に2人が(もしかすると、乳牛も)撤廃を願っているというサマータイムが、今年もめでたく幕を開けたのでありました。

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