鉄道革命は、今世紀もやっぱりニュルンベルク発

公開日 : 2008年06月18日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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ドイツ初の鉄道の開通は1835年、ニュルンベルク=フュルト間のこと。ADLER(鷲)という名の蒸気機関車が、国内初お目見えしたのですが、燃料となる石炭価格高騰のため、開業当初は、この機関車ADLER号に代わって、なんと馬が客車(貨車)を引くことが多かったとか。鉄道革命という言葉とは裏腹に、なんとものどかな時代の出来事でした。

それから173年を経た今、かつて蒸気機関車第一号が運行したニュルンベルクの市地下鉄に、コンピューター自動制御による無人運転車両がデビュー。先週末の6月14日、華やかに開通式典が開催されました。

SIEMENS(ジーメンス)社が製造した無人運転車両の愛称は、RUBIN(Realisierung automatisierten U-Bahn in Nuernberg[ニュルンベルグ自動運行地下鉄実現委員会、という感じの意味]の省略形)で、このほど新たに開通した、全長およそ6.5kmのU3路線を運行します。2001年のプロジェクト立ち上げからおよそ7年、当初の予定より2年遅れての開業となりましたが、今後は徐々に運行網を拡大されると見られ、ニュルンベルク観光スポットのひとつにもなりそうです。

世界的に見ると、ロンドン、リヨンなど約100都市の地下鉄では、すでに無人運行車両が導入されて久しいのですが、今回のニュルンベルグ地下鉄が世界で初めて試みるのは、通常の地下鉄車両(有人)と無人車両が同路線内を共同運行するという点です。リスクが大き過ぎるとして実現に至らなかった、有人+無人車両の共存がいかに機能するのかという点にも、鉄道関係者の注目が集まっています。

運転席が無いため、車両先頭(と最後尾)には、暗闇色の絶景がパノラマ窓いっぱいに広がり、その暗さとあいまって、「まるで映画を観ているかのよう....」だと、試乗した乗客にも好評だったとか。

かつて、モクモク蒸気を上げて客車を引いた機関車ADLER号。自らの子孫とも言える21世紀のハイテク無人車両を見て、一体どんな感想をもらすでしょうか。

画像:絶景かな絶景かな....。(出典:ニュルンベルク地下鉄)

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