1日1組限定!新婚さん、いらっしゃ〜い♪のホテル

公開日 : 2008年07月26日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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18世紀初頭の、南ドイツのアンベルクが本日の舞台。当時の選帝侯アルプレヒトが、次のような厳しいお触れを出しました。

「結婚後に住む『土地付き一戸建て』を所有していないカップルには、教会で挙式することを認めない!しかも、借金の返済も終えていなければならぬ!」。

土地付き一軒家、しかも、住宅ローンも全額返済済みであること.... 将来を誓い合ったばかりの若いカップルにとって、簡単に越えられるハードルではないことは、当時も21世紀も同じこと....。

そんな折、「これから結婚しようという若いふたりを助けようじゃないか!」と、あるアンベルク市民が思いついたアイデアがありました。それは、アンベルクにあった2軒の一般住宅のわずかなすき間に、細長〜い家屋を建て、その家を、結婚希望のカップルに「ひと晩だけ売る」という"作戦"です。こうすれば、貯金の少ないカップルでも、晴れて(一時的に)一戸建てのオーナーとなることができ、結婚への条件をクリアできたというワケ。やがて、無事に結婚式を終えた暁には、次なるカップルにこの住宅を明け渡すという、幸せのバトンリレーのようなシステムです。

一市民の粋なアイデアにより、若いカップルが何組も救われたのはご想像の通り。こうして使われた住居が、本日ご紹介する「世界一小さなホテル」の前身でした。そして、現在では世界各国から訪れるゲストを迎えるこのホテルの名称も、18世紀当時にあやかって、「結婚式の小さな家」

もともと2軒の住居のすき間を利用して建てただけに、ホテルの間口はわずか2.5mで、それが「世界一小さい」と言われる所以。1Fにはダイニング、2Fが暖炉付きのリビング、3Fがベッドルーム.... のように、細〜いスペースを最大限に利用した構造で、ベッドルームもバスルームもリビングもひとつづつしかありませんので、宿泊できるのは1日1組のみ。

ホテルの由来が由来だけに、このプチホテルでハネムーンを過ごす新婚カップルが多いのに加え、結婚記念日やバースデー、クリスマスなどの特別な一日を、誰にも邪魔されずに堪能したいゲストに好評です。

2008年初頭から続いていた改修工事が、7月半ばに無事終了したばかりですので、世界一小さなホテルが、どんな風にロマンチックに生まれ変わったのかを、一日も早くこの目で確かめたいところ。赤いとんがり屋根が印象的なアンベルク市中心部にもほど近いので、市内観光にも便利なロケーションです。

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