ドイツ版 しあわせのシンボル

公開日 : 2009年01月24日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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四枚葉のクローバーが、しあわせのシンボルの代表格であるのは、日本もドイツも同じ。でも、その四ツ葉のクローバー以外にも、ドイツにはいろいろな「しあわせ運び屋さん」がいるのです。たとえば...

「馬の蹄鉄」

力強さの象徴でもある馬は、長きにわたり、人々の生活を支えてきました。そんな馬の大切な蹄(ひづめ)を保護する蹄鉄には、「守護神」のようなイメージがあるようです。かつては、海難事故防止を祈願し、大海を渡る船のマストに蹄鉄が掲げられていたようですが、その名残もあるのか、ナンバープレートの横に蹄鉄をペタンとくっつけて走っている車両を、今でもドイツではひんぱんに見かけます。

ドイツに来たころは、そんな車を見かけると、「競走馬のオーナーの車かしら?」なんて勘違いしていた私ですが...(苦笑

「ブタ」

日本では、どちらかと言うとマイナスのイメージが強いブタも、ドイツではしあわせのシンボル。その起源は中世の頃にまでさかのぼります。その当時、各地でさかんに行われた、弓の腕前を競うトーナメントで、優勝者には馬が、最下位の者には、残念賞としてブタが贈呈されたのだそうです。「成績は最下位だったけど、ブタをもらえたのだから、よかった、よかった!」ということで、ブタをもらえること=ラッキーであるというイメージが浸透したようです。

今でも、「運が良かった〜!」、「ラッキー!」という意味のドイツ語として、「ブタをもらった(ブタをもった)!」という表現を、ほとんど毎日のようにどこかで耳にします。

「煙突(暖炉)掃除人」

火をおこして料理をしたり、暖をとっていた時代には、煙突や暖炉(かまど)の手入れは欠かせませんでした。ススで真っ黒になりながらも、その大変な仕事を請け負ってくれていたのが、煙突(暖炉)掃除人さん。煙突掃除人は、毎年、年が明けると間もなく、各家庭を訪れ、その前年の分の「煙突・暖炉メンテナンス代金」を徴収してまわりました。その際、代金支払いの御礼に、「今年もしあわせでありますように!」というメッセージが書かれたカレンダーを置いていったのだそうです。今でも、クリスマスが終わるや否や、「ハッピーニューイヤー!」と書かれた煙突掃除屋さんグッズが、ドイツ全国の店頭にずら〜っと並び始めるのは、そのためです。

ドイツ旅行中、真っ黒のユニフォームの煙突掃除人さんに出会ったら、ぜひユニフォーム(できれば、ジャケットの金ボタン)に触らせてもらってください!"しあわせ"が伝染するという言い伝えがありますから!

「てんとう虫」

てんとう虫が、農作物に寄生するアブラムシの天敵であることは、意外と知られていないかもしれません。現代のように、害虫駆除剤が開発されていなかった時代の農業従事者にとり、てんとう虫はまさに「神の恵み」ならぬ、「マリア様のめぐみ」だったわけです。ドイツ語で、てんとう虫のことを「マリエンケーファー」("マリア様の甲虫"のような意味)と呼ぶのも、なるほど!です。

あ、そうそう、どんなに間違っても、てんとう虫をプチン!と靴で踏みつぶしたりしちゃ、イケませんヨ!

今年の初詣での「お守り」に、本日ご紹介した縁起モノもプラスして、日独二ヶ国ラッキーパワーで、しあわせいっぱいの一年を....!

本日の画像:

帽子もジャケットもズボンも真っ黒の、煙突掃除人さんをモチーフにした、エルツ山脈地方の郷土民芸品「お香焚き人形」。

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