クラシック界のベッカム(という噂の)バイオリン弾き

公開日 : 2010年02月10日
最終更新 :
筆者 : 柴山 香
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プラス気温が数日続いたお陰で、根雪はほぼ姿を消したものの、冬が簡単にギブアップするはずはなく、今週もまた氷点下に逆戻りのドイツ。そんな雪降る夜長に、暖炉(なんてものがあったとしたら、そ)の前で聴きたいのが、凍った気分を解凍してくれる音楽。

本日ご紹介するのは、クラシック音楽王国ドイツの、クラシック音楽バイオリン奏者.....

こんな風に書き始めると、音楽の教科書に白黒写真が載っている、伝統のお堅い音楽家を思い浮かべがち。ところが、当のデビッド・ギャレットは、クラシック界に本籍を置きながらも、ロックやヘビメタバンドともじゃんじゃん共演してしまう、かなりクロスオーバーなミュージシャンです。

ドイツ国営放送のTVインタビューにも、よれよれTシャツと穴開きジーンズで登場する彼のトレードマークは、無造作にまとめた長髪と、(たまに見られる)無精髭で、一見するとストリートミュージシャンかのよう。

ドイツ人の父と、アメリカ人の母を持つデビッド・ガレットは、ドイツはアーヘンの生まれ。趣味でバイオリンを弾いていた父親が、デビッドの兄のために買ってきたバイオリンを、ちょっと拝借して弾き始めたのは、デビッドが4歳の時。その後、音楽コンクール入賞をステップに、本格的に音楽の道を歩み始めた彼は、13歳にしてすでにCD会社と専属契約を結び、後々米ジュリアード音楽院に学ぶなど、世界のバイオリン奏者として確実にキャリアを積んでいきます。

大陸をまたぐ各国ツアーやバイオリンの稽古のために学校へ通う時間がとれず、常に家庭教師をつけて勉強していたデビッド。「あの頃のボクには、"クラスメート"という存在がいなかった」と、幼少期を回顧しています。

さて、かのギネスブックに、「バイオリン早弾き 世界一」というジャンルがあるのだそうですが、その世界記録保持者も、実はデビッド・ギャレット。コルサコフ作曲の「クマバチの飛行」を、ミスすることなく、そしてあくまでも完成されたクラシック曲として、最も短時間で演奏した人物として、彼が2008年暮れに達成した世界記録が公認されています。その65.26秒という世界記録は、1秒間に13もの音符を演奏した計算になるのだとか....。

2010年は、年明け早々にドイツ国内ツアーを終了し、2〜3月にかけては、ロス、シカゴ、フィラデルフィアなどを巡るアメリカ行脚公演中。4月からは再びヨーロッパでのツアーが予定されており、ウイーンのコンチェルトハウス、ライプチヒのゲバントハウス、デュッセルドルフのトーンハレ、ドレスデンのゼンパーオペラ劇場など、世界屈指のオーケストラの本拠地を借り切っての大々的なツアーが展開されます。

アメリカ修行時代には、音楽学校での学費を稼ぐため、ファッションモデルのアルバイトをした経歴もあるというデビッドは、「クラシック界のベッカム」のニックネームを持つビジュアル系。追っかけファンに付きまとわれることもしばしばといいますから、モテるというのもお気の毒...。

ギネスも認めたバイオリン演奏の腕並みと、長髪に無精髭のモテ顔をライブで堪能できるコンサート情報は、デビッド・ギャレット公式サイトにて。

本日の画像:

最新アルバム「クラシック ロマンス」より〜

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