お盆と大晦日が同時にやってくる日

公開日 : 2008年10月18日
最終更新 :

 10月の声を聞くか聞かないか、という頃から街中でハロウィーン商戦が始まります。

 クリスマスと並んでかなり商業的になっているイベントの一つですが、アイルランド人にとってハロウィーンは元来とても神聖な日でした。

 アイリッシュなど、ケルトの人々が昔使用していたケルト暦では、11月1日から新しい一年が始まっていました。

 そして前日(大晦日)の10月31日には「死者に対する祀り」を行っていたのですが、これは10月の終わりで夏が終了し、そして11月から長くて暗い冬が始まるというこの日に、死んだ者たちの魂がこの世に戻ってくると信じていたからでした。

 ……そう、まるで日本の“お盆”のような行事だったんですね。そして11月1日には新年を迎えていたのです。ですからハロウィーンというのは、アイルランド人にとって“大晦日”と“お盆”が同時にやってくる日だったのです。

 実際に、私の友人の一人は毎年ハロウィーンの日になると、落馬事故で亡くなったダンナさんのお墓参りへ出かけていました。

 他にもハロウィーンの日には大きな焚き火を焚いたりする伝統もあります。

 しかし、近年ダブリンなどの都市部では、ティーンエージャーなどの若者が不必要に物を燃やして火事を起こしたり、また、不注意で焚き火で大やけどをしたり――と悲しいかな、消防車を多く出動させる日にもなりつつあります。

 逆に地方では、昔の伝統にのっとった焚き火をたいているのを見ることができます。

例えばゴールウェイのスピダル(Spiddal)では、海岸沿いの道路にぽつん、ぽつんと小さな焚き火が目印のように焚かれており、夜になると神秘的な雰囲気を醸し出します。

 本来の静かなハロウィーンを過ごしながら、昔のケルト人に想いを馳せてみてもいいかもしれませんね。

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