イギリスの田舎のこんな現実

公開日 : 2008年02月03日
最終更新 :

イギリスの田舎、緑の草原やながめのいい丘々が広がる景色はのどかでいいですよ。空気はきれいで歩けば体にもいいし、気ままにドライブしてまわるだけも心までのびのびとしてきますよ〜。なんてことをこれまでずっと書きつづってきたのですが、そして、それは、けっして誇大広告ではないのですが、実は、イギリスの田舎には、こんなマイナーな側面もあるんですよということを、今回は、ご紹介してみようと思います。

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イギリスの田舎のあちこちには、空軍のほか、陸軍の訓練に使われている区域があって、それらの地域には、立ち入り禁止の立て札が立てられています。

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また、軍隊の訓練のほかにも、野鳥の狩猟の時期には、ライフルの音が聞かれることもありますが、非常にまれです。訓練中の兵士や野鳥の狩猟の流れ弾にあたったなんてことは耳にしたことがありません。一般の人々が通行を許されているパブリックフットパスを歩いているかぎり、身に危険がおよぶことはありません。

身の危険ということなら、注意しなければならないのは天候です。イギリスの最高峰は、スコットランドの山岳地帯ハイランドにあるベンネビス(Ben Nevis)山の1344m。イングランドの最高峰は、湖水地方のスカーフェルパイク(Scafell Pike)山の978m。イギリスには高い山どころか、山と呼べるような山も数えるほどしかないのですが、スコットランドの山や湖水地方の丘でも遭難して命を落とす人はあるのです。イギリスの天候は、けっしてあなどれません。空模様は変わりやすく、夏でも、防寒具が必要な日もあります。霧込んでくると行く道を見失ってしまう可能性もあります。気象の状況をよく把握して田舎歩きを楽しんでくださいね。

さて、このあとは、田舎の牧草地と言えば、避けて通ることのできない。家畜の落し物ついて一席……。

何しろもうそこらじゅうに落っこちています。嫌でも目に飛び込んできてしまいます。牛の泥まんじゅうのように巨大なのから、羊の正露丸がぶどうの房のようになったもの。ブライドルウェイ(Bridleway)には、干草交じりの馬のもの。さらには、うさぎのすみかの穴のまわりにも、ころころ丸い乾いたのが転がってます。それでも、どうしたわけかひどい悪臭を放っているわけではないのです。それは、大きな救いです。ですが、たくさんの人が訪れる観光名所では、家畜はフットパスのあたりに入れないように配慮されていると思いますので、ご安心を。ただ、人の数より家畜の数の多い牧草地の中を歩く場合には、家畜のフンを踏んづけずに歩くのは、まず無理です。でもまあ、田舎の草食動物のものは、街中の公園や道ばたで雑食の犬のものを踏みつけてしまったようなことはありません。

そうそうあることではありませんが、ラッセル車がかいた雪を景気よく噴き上げているような感じで、牧草地に、家畜の糞尿がふりまかれているのに出くわすこともあります。また、干草が腐って発酵しているのだと思うのですが、田舎を歩いていると、たくあんを思わせるにおいが漂っていることもあります。イギリス人にとっては、鼻がひんまがりそうなにおいなのだそうですが、日本人には、ふるさとへの郷愁をそそらはしても、がまんならない悪臭とは感じられないのではと思います。

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それから、牧草地の片隅で息絶えていたり、遺骨になっている家畜……。

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家畜も、野生動物も、ニンゲンも、生きるために食べ、排泄する。そして、いつか自然に帰るときがくる。その雄々しく美しい自然を、今、自分に命がさずけられているあいだに見ておこう。感じておこう。ああ、やっぱり、田舎歩きはいい。厄介なこと、物騒なこと、危険なこと、目を避けたくなることに、たまには出会うことになるかもしれないけれど、そんなことをさし引いても、それでも、やっぱり、田舎歩きはいいですよ。どうやら、わたし、この先もずっと田舎歩きをやめられそうにありません。

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