イギリス流アロマセラピー 1

公開日 : 2008年04月29日
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日本でも、人気の高いアロマセ(テ)ラピー(Aromatherapy)。もともとは、フランスを起源とする植物の香り(アロマ)を利用した療法(英語ではセラピー、仏語ではテラピー)なのですが、日本で行われているアロマセ(テ)ラピーは、どうやらイギリスで発達し、導入されたものが主流のようです。というわけで、今日は、イギリスにおけるアロマセラピーのお話などとりあげてみようと思います。

まずは、「アロマセラピーって?」と思われている方のために、アロマセラピーとは、効能のある植物の花、茎、葉、根、樹皮などから抽出した精油エッセンシャルオイル(Essential oil)を使って病気やケガの治療をしたり、心身両面の健康の保持増進をはかる療法です。

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小さな瓶に入っているのがエッセンシャルオイル。それもそのはず。バラから抽出する最高品質のオイル「ローズオットー(Rose Otto)」は、なんと6万本のバラの花びら57キログラムから、たった28グラムのエッセンシャルオイルしか取れません。大きな瓶は、マッサージをするときにエッセンシャルオイルを希釈するためのキャリアオイル(Carrier Oil)です。

アロマセ(テ)ラピー発祥の国フランスでは、医学療法のひとつとして発達をとげ、現在でも、医師免許を持った正式な医師でないとアロマテラピーによる治療やエッセンシャルオイルの処方はできないのだそうですが、ここイギリスではいささか事情が異なります。

まず、イギリスでは、アロマセラピーは医師の行う医療行為の本流には属しておらず、カイロプラクティック、リフレクソロジー、ホメオパシー、指圧、針灸、レイキなどといったコンプリメンタリーセラピー(Complimentary Therapy)、つまり代替医療のひとつとして行われています。また、イギリスでは、アロマセラピーは医学療法にとどまらず、美容や心身のリラクゼーションを目的として広い範囲にわたって発達しました。アロマセラピストの資格も比較的取りやすいこともあって広く一般に普及しています。

そのほか、フランス流のアロマテラピーとイギリス流のアロマセラピーとの差は、フランスではエッセンシャルオイルを服用することもあるのだそうですが、イギリスでは、うがい以外、原則的に内服は不可とされています。イギリスでのアロマセラピーの代表的な利用方法はというと、ビューティーサロンでエッセンシャルオイルを使ったマッサージを受けたり、病院やクリニックで、医療行為の行える資格を持ったアロマセラピストによるトリートメントを受けたり。また、エッセンシャルオイルを購入し、部屋に香りをたきしめるなど家庭内でも広く利用されます。

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水を満たしたアロマポットに、好みの香りのエッセンシャルオイルを数滴たらし、ポットの内部に入っているろうそくの炎で加熱し、立ちのぼる芳香を楽しみます。また、お風呂のお湯に好みの香りや自分の症状に効能のあるエッセンシャルオイルをたらして入浴すると、蒸気とエッセンシャルオイルの成分が鼻こうを通じて体内へ吸収されます。洗面器にお湯をそそいでエッセンシャルオイルを数滴落とし、吸引するスティームインハレーションズ(Steam Inhalations)や、エッセンシャルオイルをお湯や冷水をしませた布にふくませた温湿布、冷湿布なども行われます。芳香剤や虫除けとしても利用されることがあります。無香料のクリームや化粧水などに好みの香りのエッセンシャルオイルを加え、自分だけのコスメを作って楽しんでいる人々もいます。このように、アロマセラピーの用途や利用方法は多岐におよんでいます。

さて、民間療法として、また、リラクゼーションや美容目的でアロマセラピーを試してみたいな。でも、あまり知識がないという方のために、次回は、エッセンシャルオイルの選び方や、イギリスでのアロマセラピーの学び方などをお伝えしようと思います。

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