ヨークシャーの谷間と丘
今日は、北イングランドのヨークシャーの西端に位置するヨークシャーデールズ(Yorkshire Dales)にある村マラム(Malham)周辺の散歩をごいっしょできたらと思います。2年前の夏、このマラムの村はずれにある巨大な屏風岩を訪れたのでしたが、そのときはゆっくり歩いている時間がなかったのでした。以来、もう一度マラム(Malham)を訪れたいと思っていたのが、この夏ようやく実現したのでした。と言っても、空はあいにくの雨模様で予定したコースの全長は歩けなかったのですが……。
村の通りをぬけ、まずわたしたち一家がむかったのは、峡谷ゴーデールスカー(Gordale Scar)。
村はずれのキャンプ場の奥に見えてきた丘のすそ野を迂回していくと、
丘の背後には、まるで虫食い歯のような巨大な空間がぽっかりと口を開いていたのでした。
ヨークシャーデールズの地盤は石灰岩で洞くつや鍾乳洞も多くライムストーン・カントリーとも呼ばれています。ゴーデールスカーの岩肌もつやつやとした白っぽいライムストーン。その岩肌を水しぶきをあげる滝がどうどうと音をたてて流れ落ちているのでした。
300万年の歳月をかけて氷河の雪どけ水によってうがたれてできたこの滝、画像では対照物がないので、そのスケールをよくごらんいただけないのですが、高い山のないイングランドでは大きな滝の部類に属します。当初、計画していたウォーキングコースはこの滝のわきの岩場をのぼってイングランドでは1番標高の高い場所にある淡水湖マラムターン(Malham Tarn)に向かうことになっていたのですが、折からの雨で水量が多く、この日は岩場をのぼっていくのは断念しました。そこでウォーキングコースを変更し、このような風景をながめながら2年前の夏に訪れた巨大屏風岩マラムコーブ(Malham Cove)のてっぺんへと向かったのでした。
こちらがマラムコーブのてっぺん。
どんつきまでいって、ギャップから下をのぞきこんでみると……。
眼下のせせらぎは、はるか緑の平原の彼方へと姿をけしていくのでした。
屏風岩の上では、壁面と同じライムストーンが緑の風景の中に鬼の洗濯岩のような特色のある景観を造りだしています。
岩場をわたりきると長い石段があってマラムコーブの足もとへおりていけます。2年前に見た巨大屏風岩が目の前に姿をあらわしました。
この巨大屏風岩、上から地上を見おろしても目がくらくらだったのですが、見あげてもまたくらくら……。2年前に訪れたときには、この直立する岩にとりついてロッククライミングをしているありんこのようなクライマーの姿があったのですが、この日の壁面は人を寄せつけない固い面持ちでひたすらひっそりとたたずんでいました。
マラムコーブに別れを告げ、村への道を少しくだったところに道しるべがたっていました。
マラムターンまでは1と4分の3マイルとあったのでしたが、どうやらしとしとと降りつづける雨があがることはない雲ゆき。イングランドで1番の標高を誇る湖を訪れるのはまたの機会にゆずることにして村へと丘の道をくだっていったのでした。その途上、角つき合わせて集(つど)っている牛の群に出くわしました。
そして、わたしたち一家、ふもとの村で車に乗り込むと、お天気のいい日にまた来るよと約束してマラムの村に別れを告げたのでした。
今回、ご紹介したマラム(Malham)へのアクセス、詳細については、こちらのサイトでごらんいただけます。
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