ボニー・プリンス・チャーリーのグレンフィナン
今日は、スコットランドの山岳地帯ハイランドの山歩きの拠点の町フォートウィリアム(Fort William)から車で西へ20分ほどの位置にあるグレンフィナン(Glenfinnan)をご紹介しようと思います。グレンフィナンは、1688年の名誉革命でイギリスを追われた国王ジェームズ2世の孫にあたるチャールズ・エドワード・スチュアート王子(Charles Edward Stuart)のゆかりの地として、その名を知られています。
1720年ローマ生まれ、イタリア育ちのボニー・プリンス・チャーリーは、1745年、ジャコバイト(Jacobite)と呼ばれる反名誉革命軍に擁立(ようりつ)され、イギリスの王位継承権を主張してフランスからこのグレンフィナンに上陸したのでした。
ビジターセンター内に展示されているそのときのもようを描いた絵。ジャコバイトの軍旗をグレンフィナンの丘にかかげ、ボニー・プリンス・チャーリーはここからジャコバイトの兵士たちを率いてスコットランドの首都エディンバラ、そして、イングランドへ攻めのぼっていく足がかりとしたのでした。
こちらは、ジャコバイト蜂起の記念碑。中は、石造りのらせん階段になっていてのぼっていけます(ビジターセンターでチケットを買い求めれば)。そして、てっぺんの出口から這い出すと、記念碑の足もとからはよく見えなかったジャコバイトの兵士像をとくとおがむことができます。
このグレンフィナン海外からの観光客も多く、ビジターセンター内には、各種ヨーロッパ言語の解説(残念ながら、日本はありませんでした)に耳をかたむける人々の姿があったり、
記念碑周辺でもさまざまな言語が飛びかっていたのでしたが、どうやらそれは、美貌の王子ボニー・プリンス・チャーリーの人気だけによるものではなくて、記念碑からのぞめるこちらの風景にもよるものかと......。
中央がビジターセンターの駐車場で、画像の右手にちょこっとのぞいているのがビジターセンター。その裏手にある丘をのぼっていくと、さらに、こんな風景が開けるのでした。
ホグワーツ魔法魔術学校へ向かうハリー・ポッターや他の生徒たちが乗りこんだホグワーツ特急がこの高架橋をわたっていくのをごらんになった方も多いかと。残念ながらこの場から、実際のホグワーツ特急をながめることはできないのですが、その代わり、その名も「ジャコバイト(The Jacobite)」と名づけられた蒸気機関車がこの高架橋を通過していくのはながめることができるのです。
まあ、運がよければ......。今日ご紹介した画像を撮影した日には影も形もありませんでした。ですが、また別の雨の日、たまたまビジターセンターの駐車場を通りかかったらあちこちに傘の花が咲いているので何の騒ぎかと思ったら、まさにハリー・ポッターの映画のシーンを再現したかのような蒸気機関車がもくもくと白い煙をたなびかせながら姿をあらわし、この高架橋を通過して雨にけむる景色の中へと姿を消していったのでした。
不覚にも、そのときはカメラの準備が間に合わなかったのですが、次回は、この蒸気機関車「ジャコバイト」を追っかけてレポートしたいと思っています。また、イギリスの王位収奪をもくろんで、このグレンフィナンに上陸したボニー・プリンス・チャーリーの行く末についても、回と場所をあらためてお伝えしようと思っています。
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