湖水地方、詩人の愛した村グラスミア

公開日 : 2008年11月19日
最終更新 :

湖水地方に英国ロマン派の詩人ウィリアム・ワーズワースの足跡(そくせき)を訪ねて、今回は、前回の生家につづいて、ワーズワースが愛した村グラスミア(Grasmere)の風景をご紹介しようと思います。ですが、その前に、わずか8歳で母親を亡くしたワーズワースがケンブリッジ大学入学まで8年間をすごしたグラマースクールに立ち寄ってみました。

P1030599x.jpg
P1030600x.jpg

大学から湖水地方を離れたワーズワースが故郷の湖水地方に帰ってきて、居をかまえたのがグラスミアの村はずれにあるダヴ・コテージ(Dove Cottage)。

P1030784x.jpg

1799年から1808年まで暮らし、この時期に精力的に試作を行いました。わたしでも知っている「子供はおとなの父である」という有名な一節をふくむ「虹」やワーズワースの詩の中で一番有名な詩「水仙」もこの時代の作。

P1030781x.jpg

妹ドロシーと居をかまえ、1802年には幼なじみのメリーと結婚してワーズワースが新婚時代をすごしたダヴ・コテーは一般公開されていて、ワーズワース一家が暮らした当時の部屋や家具調度類、遺品を見ることができます。また、創作活動に関する遺品、直筆の遺稿などは、ダヴ・コテージの手前チケットオフィスをはさんだ隣にあるワーズワース博物館&アートギャラリー(The Wordsworth Museum & Art Gallery)でごらんになれます。

P1030787x.jpg

ワーズワース博物館&ギャラリーでは常設展のほか特別展が開催されていて、わたしたちが訪れたときは、英国ロマン主義の代表的な画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner)のターナー展が開催されていました。現在開催中の特別展については、この記事の最後にご紹介するダヴ・コテージ(Dove Cottage)およびワーズワース博物館&アートギャラリー(Dove Cottage, The Wordsworth Museum & Art Gallery)のサイトでご確認ください。

さて、ダヴ・コテージと博物館&アートギャラリーのあとは、ワーズワースがこよなく愛したグラスミアの村や丘を歩いてワーズワースの詩の中にうたわれている実際の風景をごらんになってみてください。ワーズワースの詩には不案内というわたしのような方々にも、いかにグラスミアの風景が詩人の詩情と創作意欲をかきたてたかが納得していただけるものと思います。

P1030465x.jpg

湖水地方では景観の保護に力が注がれているので、ワーズワースが暮らした当時から景観に大きな変化はないのでは。

P1030468x.jpg

まあ、交通機関は発達しましたけどね。それに、電話も……。

P1030576x.jpg

それから、世界的な観光地になっているので、お土産物屋さん、レストラン、カフェ、ホテルなども通りに軒を連ねてはいますが、村の通りをぬけて小高い丘の上へ足をのばすと、今も昔も変わらない緑豊かな風景が眼下に広がっています。

P1030706x.jpg

この画像は、ダヴ・コテージの背後の丘の中腹からのぞめる風景です。生前のワーズワースも頻繁にこの場所を訪れ、同じ風景にながめいったのではないでしょうか。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。