スコットランドのパン屋さんで名物スナックを

公開日 : 2009年02月20日
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前回ご紹介したスコットランドのフォークランド宮殿の正面にこんなパン屋さんがあったのでした。

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すると、そのお店に吸い寄せられるように近づいていったのは、スコットランド生まれスコットランド育ちで北イングランド在住のわが夫。パン屋さんの名前は、「ザ・ウィー・ベイカーズ(THE WEE BAKERS)」。「ウィー(WEE)」は、スコットランドの方言で小さいという意味。だからこのパン屋さん、日本語にすると、「小さなパン屋さん」。

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わが夫、しばらくガラス窓に貼り付けてあるお品書きをながめたあと、ふらふらと店の中に入っていったと思ったら嬉しそうな顔をしてこんなの片手に出てきました。

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ブライディ(Bridie)と呼ばれるビーフミンチのパイ。実は、これ、夫がスコットランドに帰郷した際、パン屋さんで見かけるとつい買ってしまう懐かしの味なのです。味付けは、シンプルな塩とコショー。この画像のブライディは生地が薄い層になったパフペイストリー(puff pastry)と呼ばれる折りパイ生地ですが、ショートクラスト(shortcrust)と呼ばれる練りパイ生地の場合もあります。イングランドにも南方のコーンウォール(Cornwall)地方起源でブライディに似たコーニッシュパステ(Cornish pasty)というミートパイがあります。イギリス全土でお馴染みなのでご存じの方も多いのではと思うのですが、コーニッシュパステには入っているじゃがいもがブライディには入っていません。ブライディはイングランドでは見かけないので、スコットランドにお出かけの際に地元のパン屋さんでその素朴なお味をお試しくださいね。

さらに、もうひとつ、わが夫がスコットランドのパン屋さんに入ると買いたくなってしまう懐かしの味があります。ブライディを購入した「ザ・ウィー・ベイカーズ(小さなパン屋さん)」に比べるとずっと大きなあるパン屋さんに入ったときのこと。

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あちこち目移りしているわたしを尻目に、

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数あるミートパイの中から、躊躇なく夫が注文していたのは、

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イングランドやその他の国々で「スコッチパイ(Scotch pie)」と呼ばれているこちらのミートパイ。

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地元スコットランドでは「スコッチパイ(Scotch pie)」とは呼ばれず、単に、「パイ(pie)」と呼ばれています。「パイ」と言えば、他のどのパイでもなくこのパイだとスコットランドの人々の間に浸透している、まさにスコットランドならではのミートパイってわけなのですね。ちなみに、ブライディとちがって、このスコッチパイは全国区なのでイギリス国内どこでも手軽に手に入ります。円筒形の薄い練りパイ生地の中にしこまれているのはマトン。コショーなど香辛料がふんだんに使われていてスパイシーな味付けになっています。マトンの臭みはまったく感じられません。こちらも、ぜひ一度、スコットランドで本場のスコッチパイの味をお試しあれ。

最後にちょっと余談ですが、ウズラや鶏卵のゆで卵にミンチ肉の衣が着せられ、パン粉をまぶされて揚げられている「スコッチエッグ(Scotch egg)」は日本でも耳にされたり、目にされることがあるのではないでしょうか。実は、このスコッチエッグ、スコットランドの郷土料理ではなくロンドンで考案されたものなのだそうです。イギリス全国のスーパーの棚にも並んでいるのですが、「スコッチエッグ(Scotch egg)」の場合もありますが、「ピクニックエッグ(Picnic egg)」という名前だったりもしています。

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