スコットランドの新名所フォルカーク・ウィール

公開日 : 2009年02月24日
最終更新 :

イギリスでは古来、農業用水の確保、人や物を運ぶために運河が発達してきました。特に産業革命時代には原材料や製造品を運ぶ運輸の大動脈として活躍しました。スコットランドでも首都エディンバラと商工業都市グラスゴーが運河で結ばれていたのですが、運輸の主流が陸上輸送に移っていくのにともなってスコットランドの主要都市間を結ぶ運河の一部は埋めたてられ、運河は分断されてしまいました。ですが、ミレニアムを迎える記念事業として再びエディンバラとグラスゴーを運河で結ぶプロジェクトが立ち上げられ、フォルカーク(Falkirk)の町の近郊に、今回ご紹介するフォルカーク・ウィール(Falkirk Wheel)が建設されることになったのでした。

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運河では、急激な水位の高低差のある場所にはロック(lock)と呼ばれる水門がいくつも設けられていて、水門を開いたり閉じたりしながら気の遠くなるほどの時間をかけてボートを通過させていくのですが(ロックについては、「ナローボートで運河をクルージング」の記事の中でご紹介しています)、2002年に開通したフォルカーク・ウィールは、24メートルの高低差のある運河から運河へ一気にボートを移動させることができるのです。上の画像の鎌形の突起を持つ先端部分にボートが入ってくると、ボートをうかべた水ごと回転をはじめ、

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半回転すると、この通り。

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8階建てにもおよぶ高さからボートを下ろしたり、逆に押し上げたりもできるというわけなのです。回転式の船のリフトは世界初で、今のところ、このフォルカーク・ウィールが世界で唯一。ボートに乗ってフォルカーク・ウィールの作動を実体験したい方のためには、ウィールの向かいに建つビジターセンターから遊覧ボートが出ています。

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ビジターセンター内には遊覧ボートのチケットオフィスのほか、ウィールを眺望できるガラス張りのカフェやギフトショップがあり、屋外にはピクニックエリアや子供たちが遊べるプレイパークも敷設されています。さらに周辺の運河沿いには、緑豊かなウォーキングコースやサイクルロード、乗馬のコースなども整備されていて終日楽しむことができます。

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回転したウィールから姿を現したのは遊覧ボートだけではありませんでした。

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まるで時間のトンネルをくぐり抜けてきたかのようなナローボートは、近代的なウィールを後にすると、

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白鳥たちの遊ぶ運河をゆったりとくだっていったのでした……。

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