スコットランドのおとぎの村クーロス

公開日 : 2009年02月28日
最終更新 :

スコットランドの田舎と言えば、人を寄せつけない雄大な山なみや底知れぬ神秘をたたえる湖、その湖岸にひっそりとたたずむ古城の廃墟などが思いうかんで、あまり人々の営みの風景は思いうかんでこないのですが、そんなスコットランドにおとぎの国に迷い込んだようなかわいい村があるのをご存じですか?

その村の名前はクーロス(Culross)。スコットランドの首都エディンバラの郊外にかかるフォース・ロード・ブリッジ(Forth Road Bridge)から西へほんの12マイルの場所にあります。クーロスは16世紀から17世紀にかけて海外諸国との貿易権を持つ自治都市(Royal burgh)として製塩や炭鉱業で栄えたのでしたが、18世紀に入ると村の産業や貿易は衰退の一途をたどり、時の流れにとり残されて、ついにはゴーストタウンならぬゴースト村と化してしまったのでした。

そのような運命をたどったがために村の古い家なみはそのままの姿を今に伝える結果にはなったものの家々の保存状態はよくなく、1930年代にスコットランドのナショナルトラスト(National Trust for Scotland イングランドやその他の地域のナショナルトラストとは別組織)がクーロス御殿(Culross Palace)と呼ばれる当時の豪商の邸宅買いとり、村の保存に乗り出したのでした。

こちらが村の中心の広場。

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16世紀末から17世紀初頭にかけて地元の豪商ジョージ・ブルース(George Bruce)が自宅として建てたクーロス御殿(Culross Palace)は村の中心の広場の横手に建っています。建築材料は貿易によってもたらされた北欧産の木材、オランダ産のタイル、ガラスなどが使用されました。外壁は鮮やかな辛子色に彩色しなおされ、オリジナルの姿に再現されています。

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石造りの階段や部屋が迷路のように続くお屋敷の内部(撮影禁止)は、木製パネルに描かれた細密な絵や色彩豊かな図柄が壁面や天井を飾り、当時の豪商一家の生活をしのぶことができます。当時の家具調度や衣装なども展示されています。お屋敷内の要所にはガイドさんもいるのですが、脚立を組んで現在も修復中の壁面に向かいながら説明をしてくれるフレンドリーな職員さんもいましたよ。

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お屋敷の裏手には、17世紀初頭に栽培されていたハーブ、野菜や果物、木々などが植えられている広々としたガーデンがあります。

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往時のもようを今に伝えているのはクーロス御殿(Culross Palace)とガーデンだけではありません。村の中央広場からのびる古い石畳の道へ足を踏み入れると、

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時間の向こうからひょっこりと姿を現したかのようなおとぎの村の散歩を楽しむことができるのです。

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今では、再び人の暮らす民家となって息を吹き返している家々のたたずまい。

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17世紀当時の村の景観を再現するためにスコットランド・ナショナルトラストが近隣の民家にも援助をして現在のような家なみが復元されました。

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エディンバラを訪れられる機会があるときには、イングランドのコッツウォルズの村々にも匹敵するスコットランドのクーロスの村(The Royal Burgh of Culross)へぜひ足をのばしてみてくださいね。クーロスへのアクセス、クーロス御殿(Culross Palace)の開館時期と曜日、時間については以下のサイトでご確認ください。クーロス御殿の開館日には村を巡るガイドツアーも行われています。

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