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イギリス/グラスゴー特派員ブログ ギブソンみやこ&ローランズ真弓

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2009年6月 1日

古代ローマ遺跡ハドリアヌスの長城


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古代ローマ遺跡ハドリアヌスの長城

それは、古代ローマ帝国が繁栄し、ヨーロッパ大陸に領土を広げていった2千年ほど昔のこと。当時はまだヨーロッパの辺境の島国でしかなかったイギリスにもローマ軍が上陸し、ブリテン島を南端からじょじょにローマ帝国領として掌握していったのでありました。古代ローマ帝国最大の版図を実現したのは、第13代皇帝トラヤヌス(Trajanus)帝。その後を継いだ第14代皇帝ハドリアヌス(Hadrian)帝は、さらなる領土拡大政策をとるよりは広大化した帝国の領土保全と安定に力を注ぐことにしたのでした。こうして、紀元122年に、北イングランドに古代ローマ帝国の北限の国境として築かれたのがハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)。


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このハドリアヌスの長城、中国の万里の長城のスケールには及びませんが、イギリス本島ブリテン島の西端カーライル(Carlisle)から東端、その名も、長城(walls)の終わり(end)、ウォールズエンド(Wallsend)まで117キロの長さに及びイギリス本土を横断しています。現在、城壁の高さは保存状態のよい部分でも3メートルほどになっていますが、建設当時は、幅3メートル、高さ5〜6メートルの石積みの城壁が小高い丘の稜線に築かれ、中国の万里の長城同様、北方民族の侵入を防ぐ役割をになっていました。その北方民族とは、現在のスコットランドの先住民族にあたるピクト族。城壁は、攻め込むのが難しい切りたった崖や急傾斜の丘の上から敵の侵入を見おろせる位置に建ち、1マイルごとに、「マイルキャッスル(mile castle)」と呼ばれる見張り用の砦(とりで)が築かれていました。


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ハドリアヌスの長城はイギリス最大の古代ローマ遺跡であり、世界遺産にも登録されています。都市部に残されている長城の遺跡は、ごく一部になっていますが、


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内陸部の田舎では、小高い丘の上を蛇行しながら伸びる長城の遺跡が広々とした緑の景色の中に視界の彼方まで続いています。


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長城沿いには、古代ローマ人たちの築いた街や砦、寺院などの遺跡が点々と現存しており、ビジターセンターや博物館が併設され、一般公開されています。長城の端から端までを踏破してみよう、あるいは、サイクルしてみようと思われる方のためには、ウォーキングルートやサイクルルートが整備されています。自分の足で踏破はちょっとと思われる場合は、春から秋にかけて、ハドリアヌスの長城沿いの要所にバス停が設けられていて遺跡観光に便利なカントリーバスが運行しています。(カントリーバスの運行の詳細については、記事の最後のサイトをご覧ください)


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また、ハドリアヌスの長城から北の地域にはスコットランドとの国境に至る広大なノーサンバランド・ナショナルパーク (Northumberland National Park)が広がっていて、北イングランドの自然の美しさをながめながらハイキングできるウォーキングコースも豊富です。古代ローマの遺跡巡りもいいですが、見渡すかぎり緑の丘がたたみ重なる風景の中を歩くのもこたえられません。(ウォーキングコースの詳細については、記事の最後のサイトをご参照ください)


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ところで、このハドリアヌスの長城の西端カーライルの南側にはピーターラビットでおなじみの湖水地方が位置しています。だからって、古代ローマ時代の遺跡とピーターラビットに何の関係があるのと思われるかもしれませんが、これが大いにあり! イギリスのうさぎは、古代ローマ時代の兵士たちによってもたらされたものなのです。もし古代ローマ帝国がその領土をイギリスにまで広げていなかったら、島国イギリスにはうさぎはもたらされなかったかもしれません。つまり、ピーターラビットも生まれていなかったかもしれないのです。歴史は、思いもしないところで不思議な縁(えにし)の糸を紡ぎだしているものですね。


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さて、悠久の歴史が横たわる丘に立ったとき、あなたの胸にはどんな思いがよぎるのでしょうか……。


ハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)のサイト

ノーサンバランド・ナショナルパーク (Northumberland National Park)のサイト

ハドリアヌスの長城のカントリーバス(Hadrian's Wall Country Bus)のサイト

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2009年6月 1日
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