イギリスのバカンスの過ごし方

公開日 : 2009年08月07日
最終更新 :

今回の話題は、今月のお題(「地球の歩き方」海外特派員ブログ各月ごとの共通のテーマ)、「世界各国のバカンスの過ごし方」です。ちなみに、イギリスでは、バカンスは、「ホリデー(holiday)」と呼ばれています。休日も、「ホリデー」で、祝祭日は「バンクホリデー(Bank Holiday)」、夏休みは「サマーホリデー(Summer Holiday)」なのですが、単に、「ホリデー」というと、休日に、または、休みをとって出かける行楽や旅行を意味します。工場の中には2週間ほど操業を停止し、社員の夏休みを設ける会社もありますが、イギリスの夏には、日本のお盆休みのような習慣はありません。ですから、一般的には、年間4〜5週間ほど設定されている有給休暇の中から、1週間、あるいは、2週間の休みをとって、イギリスの人々は、ホリデーに出かけます。

イギリスの人々のあいだで人気のホリデーは、暖かくて太陽きらめくスペイン、ギリシア、トルコなど地中海周辺の国々へ出かけて海辺ですごすビーチホリデーです。中には、カリブ海周辺や、タイなど東南アジアへ出かける人々もいます。ところが、去年からの世界的な不況とポンド安によって、今年の夏は、海外のホリデーへ出かける人が減り、国内で夏のホリデーをすごす人々が増えています。というわが家も、学校の夏休みがはじまるやいなや、1週間、スコットランドのハイランド地方(Scottish Highlands)へホリデーに出かけてきました。今年のスコットランドは、去年の夏に比べて、18%の観光客増とのこと。それは、海外ホリデーから国内ホリデーに切り替えたイギリス人観光客増に加えて、ユーロに対するポンド安によってヨーロッパ各国からイギリスにやってくる観光客が増えたためです。ハイランド観光の拠点の町フォートウィリアム(Fort William)のホテルやB&B(民宿)には、週末ともなると軒並み「空き室なし(No Vacancies)」のサインが出ていました。週の間でも、7〜8割くらいのホテルやB&Bは空き室のない状態でした。

イギリスの国内のホリデーで人気を呼んでいるのは、先にご紹介したスコットランドのハイランド地方や島々、北イングランドの湖水地方、南イングランドではデヴォン(Devon)やコーンウォール(Cornwall)、ウェールズではスノードニア(Snowdonia)といった景色がよく、ウォーキング、サイクリング、クルージングなどの野外活動が行える観光地です。宿泊施設は、私有の別荘やキャラバン(Caravan)と呼ばれる簡易宿泊施設、ホテルやB&B、1週間単位で貸し出されているホリデーコテージ(Holiday Cottage)や固定型のキャラバン(Static Caravans)などがあります。

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あるいは、自前の宿泊施設を携えて観光地に出かける人々もあります。

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近年、多くなってきたのは、

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また、中には、キャンプ場や水辺などにテントを立ててキャンプを楽しむ人々もいて、それぞれの懐具合や好みによって宿泊の形態はさまざまです。ですが、海外でビーチホリデーを楽しむ人々が日がな海をながめながらリラックスするホリデーをすごすのと対照的に、山や丘、湖のあるイギリス国内の観光地でのホリデーは、活動的。ウォーキング、サイクリング、クルージングなどの野外活動のほか、イギリスには、ストーンヘンジなどの古代遺跡や、古城、カントリーハウスなど歴史的な史跡も多いので、それぞれの地方にある観光アトラクションも多くのホリデーメーカーでにぎわいます。

ところで、イギリスの観光シーズンの夏、おと年から天候の悪いぐずついた夏となっていて、去年は気象観測史上、最も雨の多い夏となってしまいました。今年は、暖かくて陽気のよい夏になると、春から長期予報がなされていたのですが、残念ながら7月の中旬からお天気がくずれて、3たび、ぐずついた夏となっていました。ところが、先週末からそのぐずついたお天気が回復し、今週は、比較的穏やかで青空ものぞく1週間となっています。このいいお天気がもう少し続いてくれればいいのですが……。というのは、わたしたち一家、去年の夏、湖水地方へ1週間のウォーキングホリデーに出かけたのですが、丘に登れば雨に降られて退散という憂き目にあってしまいました。そこで、今年は、去年の仕切り直しで、もう1度、湖水地方へ出かけることになっているのです。

というわけで、イギリスのバカンスの決め手は、何と言っても、お天気です! しかも、雨に降られる覚悟で出かけねばなりません。ですが、その雨に対して、けっして不平を鳴らしてはならないのです。なぜって、大西洋からやってくる雨雲が、イギリスに、とくに、スコットランドのハイランド地方や湖水地方の山々や丘に、年がら年中雨を降らせているおかげで、イギリスの田舎の緑の風景は目を見はるばかりに美しいのですから……。

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