「蛍の光」で、ハッピー・ニューイヤー!

公開日 : 2010年01月01日
最終更新 :

明けましておめでとうございます。旧年中は、このブログをご愛読いただきありがとうございました。早いもので、去年の末で、グラスゴー特派員としてこのブログを担当させていただいてから丸2年がたち、今回で、3年めを迎えることができました。今年も、スコットランド、北イングランドの旅の情報や現地の生活についてさまざまな話題をお届けしていきたいと思っています。本年度も、どうぞよろしくお願いいたします。

P1120734x.jpg

イギリスは、日本より9時間遅れて、2010年の新年を迎えました。この画像は、そのときの英国国営放送BBCのテレビ画面です。国会議事堂のビッグベンが鐘の音の響かせ、いよいよ新年の瞬間がやってくると、花火がロンドンの空を彩りました。10分ほどで花火の打ち上げが終わると、テムズ川沿いに花火を見に集まった人々が合唱をはじめたのは、「蛍の光」。日本では、卒業式でおなじみの「蛍の光」が、イギリスでは、新年を迎えるときに演奏される曲だというのはご存じでしょうか。

P1120744x.jpg

実は、わたしは、イギリスで暮らすようになってはじめて知りました。しかも、古い年に別れを告げて新年へということで、「蛍の光」の演奏があって、新年へ向けてのカウントダウンという段取りならまだわかる気がするのです。が、カウントダウンが終わって、いよいよ新年を迎えたあとで、新年を祝う景気のよい花火の打ち上げと共に演奏されたり、歌われたりする「蛍の光」。日本人の感覚としては、違和感を感じずにはいられませんでした。

ですが、「蛍の光」に関する意外な事実は、新年に演奏されたり、歌われたりすることだけではないのです。イギリスでは、スコットランドの古語である原題、「オールド・ラング・ザイン(Auld Lang Syne)」と呼ばれる「蛍の光」、曲はスコットランド民謡であり、歌詞はスコットランドの詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns 1759-1796)作であるとされています。

P1120749x.jpg

ところが、実は、「蛍の光」の曲は、スコットランド民謡ではなく、北イングランドのニューキャッスルに隣接する町ゲーツヘッド(Gateshead)生まれのイングランド人の作曲家ウィリアム・シールド(William Shield 1748-1829)によって作曲された曲だったのです(そのことを伝える2009年12月15日のBBC地方局のニュースは、こちら)。その上、歌詞の方も、スコットランドの詩人ロバート・バーンズの作ではなく、バーンズが古くからあった詩を書き写したものなのだそうです。そして、そのことは、ロバート・バーンズ自身も認めていたとのこと(BBCで全国放送されているクイズ番組「QI 」で、2009年12月23日に放送されたこの回で紹介されていました) 。日本でもおなじみの「蛍の光」にまつわるこれらの意外な事実は、地元イギリスでもあまり知られていないようですよ。

2010年が平安に満ちた年になりますように。みなさまのご健勝とご多幸をお祈りいたします。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。