イギリスで部屋や家を借りるには

公開日 : 2010年03月31日
最終更新 :

今回の話題は、「地球の歩き方」海外特派員ブログの今月のお題「住宅事情」についてです。北イングランドからは、イギリスで部屋や家を借りる場合の手順や注意点についてお届けします。イギリスで部屋や家探しをするには、日本の不動産屋さんにあたるエステイトエージント(estate agent)やレッティングエージェント(letting agent)を訪ねたり、地方新聞の賃貸物件の欄をチェックしたりします。郵便局やスーパーなどの掲示板にも賃貸の広告がでていることがあります。また、賃貸を扱うインターネットのサイトでも物件を検索することができます。大学や語学学校に入学する場合には、付属の寮のほか、民間の部屋や家を紹介してくれる学校もあります。

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上記の方法のほかに、実際に、この辺りに住みたいという希望の地域があれば、その地域を歩いてみるのも手です。貸家の場合には、「To Let」とか「Let」、売り家の場合は、「For Sale」と書かれた看板が立っています。看板には、その物件を扱っている不動産屋さんの連絡先が記されています。その物件の詳細や賃貸の条件が希望に合っていれば、屋内を見せてもらう予約を取ります。

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借りたい部屋や家が見つかったら、治安のよしあしを確認するために、日中ばかりではなく夜にもその地域を下見に訪れたり、住人や警察官にその地域の情報を聞くのがいいと思います。静かな環境を望む場合は、パブや学校の付近を避けること。治安のよい地域を望む場合は、公営住宅のある地域は避けた方がいいと言われています。ただ、治安のよい地域は、家賃も割り高になっています。

いよいよ賃貸契約を結ぶと、日本の敷金にあたるディポジット(deposit)と最初の月の賃貸料を支払うことになります。賃貸料は週ごとに設定されている場合もありますが、月払いが多くなっています。ディポジットは、家や家具などに損害を与えなかった場合には、貸借契約が終わった時点で手元に返ってきます。イギリスには日本の礼金にあたるものはありません。

ただ、賃貸契約の期間は6か月毎とされている場合がほとんどで、契約期間の途中で借りている家を出ても契約期間の家賃は支払わねばなりません。わたしたち夫婦も6か月契約で借りた家を3か月で出たことがあるのですが、残りの3か月分の家賃を支払わなければなりませんでした。ですが、最後の1か月分は、次の入居者が見つかったということで返還してもらえました。良心的な家主さんの場合は、そういうこともあるかもしれません。

ところで、イギリスの家には、一戸建て(detached)、2軒の家が外壁を共有しているセミディタッチト(semi-detached)の家、家が両側の外壁を共有してつながっているテラストハウス(terraced house)、高層の集合住宅などがあります。

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また、賃貸の場合も、売り家の場合も、寝室(ベッドルーム)の数が表示されているのが普通です。「4ベッドの一戸建て(ベッドルームが4部屋ある一戸建て)」とか、「3ベッドのセミディタッチト(ベッドルームが3部屋ある) セミディタッチト」というふうに家のタイプが表されます。

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日本のアパートやマンションにあたる家は、フラット(flat)と呼ばれています。フラットは、複数の家がひとつの建物の中に入っていて、同じ階に1軒分の家が入っているタイプの家です。高層の集合住宅でなくても、一戸建ての大きなお屋敷、セミディタッチト(semi-detached)の家、テラストハウス(terraced house)がいくつかのフラットの集合集宅になっている場合があります。

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賃貸住宅には、家具や調理器具、家電付きのものと、ついていないもの、その中間のものがあります。当然のことながらファーニッシュト(furnished)と呼ばれる前者の賃貸住宅は家賃が高めに設定されています。

さて、そのお家賃ですが、わたしが在住している北イングランドのニューキャッスル市内の月額平均は、一部屋のオープンプランになっているスタジオタイプのフラット(Studio Flat)で429ポンド(2010年3月末現在のレートで、1ポンドは141円です)、1ベッドのフラットで546ポンド、2ベッドのフラットで641ポンド、3ベッドのフラットで716ポンド、2ベッドの家で559ポンド、3ベッドの家で707ポンド、4ベッドの家で968ポンドとなっています。ニューキャッスル大学の寮費は、週に70〜120ポンドほど(差があるのは、食事付きかどうかや、家族用のフラットもあるため)となっています。

イギリスの地方都市に関しては、上記のニューキャッスル市とそう大きく変わることはないと思います。ただ先にも書いた通り、同じ市内でも地区によって家賃にかなりの差がある場合があります。また、地方都市と比べると物価も高いロンドンの賃貸住宅の情報については、日本語で発刊されている新聞「ニュースダイジェスト」の貸家・貸部屋のページや「週刊ジャーニー」の賃貸情報のページなどでご覧になれます。

さらに、イギリス各地でバカンス用に貸し出されているホリデーコテージやフラットなどについては、こちらの回でご紹介しています。一般の賃貸住宅に比べると割高にはなりますが、1週間単位で貸し出されている場合がほとんどで、中には1泊から数泊でも利用可能なコテージもあります。イギリス国内観光の宿泊にお勧めです。

イギリスの地域別の目次を作ってみました。イギリス国内の特定の地域の記事を見つけたいときに、【イギリス地域別ブログ目次】をご利用ください。

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