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イギリス/グラスゴー特派員ブログ ギブソンみやこ&ローランズ真弓

イギリス・グラスゴー特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2010年10月 8日

スコットランドのおばあちゃんの味・クルーティーダンプリング


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スコットランドのおばあちゃんの味・クルーティーダンプリング

今年のわが家のスコットランド歩きは、ハイランド地方の北部まで足を伸ばすことにしました。といっても、あんまり北へ行き過ぎると高い山がなくなってしまうので、ネス湖の北に位置するインバネスから北西へ2時間ばかりの海辺にあるメロンチャールズ(Mellon Charles)という村に1週間滞在してきました。羊たちが草を食む牧草地の中に、ぽつりぽつりと白いコテージが建つその村の海を見おろす斜面にとても小さなカフェがあって、そのカフェのメニューにクルーティーダンプリング(Clootie Dumpling)があることを知ると、スコットランド生まれの夫が言うには、「そりゃあ、ぜひ食べに行かねば!」


クルーティーダンプリング(Clootie Dumpling)というのは、スコットランドの伝統デザート。夫が子供だったころ、ベーキングの得意だった祖母が作ってくれたお菓子の中でも、特にお気に入りだった一品。「作るのにそりゃあ時間がかかるんだよ」その待ち遠しい時間を懐かしむかのように、夫はクルーティーダンプリングについて一説ぶち始めたのでした。


「クルーティーダンプリングの『クルーティー(Clootie)』っていうのは、スコットランドの言葉で『クロス(cloth布)』のことなんだ」(注:「ダンプリング」とは、お団子のこと。ただし、甘いお団子とは限らず、小麦粉などの粉を練って固めて調理したものを指します)「このクルーティー、つまり、布で材料を包んでしばり、沸騰した湯をはった大きなナベの中につるして蒸すんだ。それも、3時間くらいはかけて蒸すわけなんだよ」


クルーティーで包んで蒸されるお団子の材料とは、サルタナ(レーズンより大粒のブドウ)やスグリなどのドライフルーツ、レシピによっては、生のりんご。ゴールデンシロップなどのシロップ類に砂糖、スエット(suet 牛や羊の脂)、シナモンなど各種スパイス。つなぎは、小麦粉。オーツ麦、パン粉、卵、牛乳を入れる場合も。さらに、重曹、または、ベーキングパウダー。(材料には、それぞれの地方や個人によってバラエティーがあるのだそうです)


そんな話を聞かされ、一家3人、クルーティーダンプリングを食べるのを楽しみにしてカフェに出かけたところ、売り切れてしまったので、これから作らねばならないとのこと。半日も待てないので、日を改めて出直すことに。そして、わたしたち一家のスコットランド滞在の最後の日に、やっと念願のクルーティーダンプリングにお目にかかることができたのでした。ただ、「もう2人分しか残っていないので、2人分を3つに分けてお出ししてもいいですか?」と言われ、出てきたのが......。


P1150319x.JPG


どうやらこのクルーティーダンプリング作っても作ってもじきに売切れてしまうらしいのです。クルーティーダンプリングにかかっているのは、カスタード。日本のカスタードクリームとはちがって、イギリスのカスタードはポタージュスープくらいの濃度と温かさ。カスタードのほかに、脂肪分が少なめで泡立ててない(というか、泡立たない)シングルクリーム、または、アイスクリーム添えを注文できたのですが、わが家3人とも注文したのはカスタード。温かいクルーティーダンプリングに温かいカスタード、夏と言えど肌寒いくらいのスコットランドでは相性のいい取り合わせなのです。


さて、クルーティーダンプリングのお味はと言うと、スパイスの効いたドライフルーツ入りのどっしりと重たい蒸しパンという感じ。夫の感想は、子供ころに食べたおばあちゃんのクルーティーダンプリングはもっとコクがあって、3時間も蒸すので周りには硬い皮ができていたのだそうです。


このカフェのクルーティーダンプリングが軽めに仕上がっているのは、動物性脂肪を使わずに植物油を使っているからのようです。近年、健康志向の高まりとともに、イギリスの代表的なファーストフード、フィッシュ・アンド・チップスの揚げ湯も、以前は植物油に混ぜていた動物性の脂肪を使わず100%植物油で揚げる店が多くなっているのです。ですが、日本人の胃袋には、2人分を3つに分けたポーションと植物性脂肪のクルーティーダンプリングでじゅうぶんでした。


ところで、スコットランドの片田舎にあるこの小さなカフェは、接客係りのお母さんジャッキーさんとシェフの娘さんマギーさんが経営する「Wiseman's of Lochewe(ワイズマンズ・オブ・ロッホユー」(ロッホユーの入り江にあるワイズマン(苗字)の店という意味)。注文を聞いてから料理にとりかかるので出てくるまでにちょっと時間がかかりますが、食材は上質の上、マギーさんの腕はたしか。クルーティーダンプリングのほかに食べたものにもハズレはありませんでした。


例えば......、


P1140799x.JPGエビのカクテル(Prawn Cocktail)


P1140800x.jpgクックトゥ・ブレックファーストCooked Breakfast)。コットランドでは、イングリッシュ・ブレックファーストは、「スコティッシュ・ブレックファースト(Scottish breakfast)」となっているか、「クックトゥ・ブレックファースト」となっていることが多いのですが、このカフェのブレックファーストには、ブラックプディングなどのスコットランド色のある品が入っていないので、クックトゥ・ブレックファーストとなっているもよう。


P1150314x.jpgフィッシュ・アンド・チップス


P1150316x.jpg地元牛を使ったハンバーガー


P1150312x.JPGシーフードのベークトポテト(Baked Potato)。「ベークトポテト」とは巨大焼きジャガイモ料理。シーフードは、そのときどきにあるものになるのだそうですが、画像のものはスクワットロブスター(Squat lobster)の尻尾、そして、その下には、殻から取り出されたカニの身がどっさりと隠れています。


実は、メニューの中には、子羊のストービーズ(Lamb Stovies)というスコットランドの伝統料理もあったのですが、こちらも人気メニューのようで残念ながら売り切れでした。というわけで、このカフェの看板メニューのクルーティーダンプリングやストービーズを食べたかったら、あらかじめ予約を入れておく方がよさそうです。木曜日はお休みで、その他の日は午前10時から午後4時までの営業。金・土曜日は、夜6時から8時も営業しています。


「Wiseman's of Lochewe」
54, Mellon Charles,
Aultbea, Ross-Shire,
IV22 2JL
Tel: 01445 731564
E-mail: enquiries@locheweclootiedumplings.com
http://www.locheweclootiedumplings.com/index.html


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*お知らせ:今月からこのブログに共同執筆者を迎えることになりました。執筆の協力をお願いするのは、6月と7月の2か月間ピンチヒッターをお願いしていたローランズ真弓さんです。今後は、今までにも増して幅と深みのあるブログ記事をお届けしていきたいと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

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カテゴリー レストラン・料理・食材
2010年10月 8日
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