スコットランドの白い山々ベナイ山地を歩く
今回は、この夏、一家で訪れたスコットランドホリデーの第2回めです(初回は、こちらからご覧になれます)。スコットランドの山岳地帯ハイランド地方の北西部、ウェスターロス(Wester Ross)地方のトリドン(Torridon)と呼ばれる地域には、ベナイ山地(Beinn Eighe)の峰々が辺りを睥睨するかのようにそびえたっています。
ベナイ山地の山々が白っぽい色をしているのは、石英の粒からなる珪(けい)岩が地層の表層を形成しているため。氷河で削られた切りたつ壁面と灰白色の山肌がベナイ山地独特の景観を造りだしています。
ことに、木々に覆われておらず足元から山肌を仰ぎ見ることのできる南側からの峰々の眺めは壮観。
そして、この切りたった壁面からも登山は可能なのですが、本格的な登山の心得のないわたしたち一家は、登山道の整えられている北東側から登ることにしました。
こちらが、登山口 。この登山口は、森の小道のコース(Woodland Trail)と山歩きのコース(Mountain Trail)のサークルルートの起点と終点になっています。山歩きのコースは、6.5km。550mを登るコース。なもので、まあ、大したことはないなと踏んでいたところが、
森をぬけて登りはじめると、けっこう、急な岩場をのぼっていくことに......。
息があがってしまったので、一服。スコットランドでは珍しい好天に恵まれて、足もとのマリー湖(Loch Maree)の湖水は、紺碧。空の青を映しているはずなのに、空の青より深く神秘的な青。魅入られてしまいそうな不安を覚えるほど。
頂上まで、もうあと少し。空には、白い月。
登頂。
頂上から望むベナイ山地360度の眺望。
ランチのあとは、わたしたち以外誰もいない景色のまん中にごろり。心地よい風が頬をなで、ぽかぽかと暖かい陽ざしを受けて横になっていると思わずうとろうとろ。
そこへかすかなささやき声が聞こえてきました。登山者を見かけたのは、てっぺんへ登り詰めるちょっと手前で下山してきた男性1人とすれ違っただけだったのですが、うたた寝から目覚めると、ふた組のカップルの姿が......。そこで、わたしたち一家は、そろそろ下山することに。
下山途中に姿を現した2つめの湖水は、月の湖「ルナロッホ(Lunar Loch)」という名前を持つ小さくて浅い湖。このあたりの風景は別世界のようなので、1969年7月21日のアポロ月着陸にちなんで名づけられたのだとか。
再び、眼下に、マリー湖の神秘的な湖水が姿を現しました。足もとの森の中で、山歩きのコースは森の小道のコースに合流し、マリー湖湖畔の登山口へと下っていきます。
スコットランドの山歩きで、今回のようなお天気に恵まれたのははじめてでした。さんさんと降りそそぐお日さまの光と、その光を反射して輝く白い岩肌に焼かれ、頬を火照らせ、心地よい疲労感に包まれて下山。この夏のベナイ登山は、スコットランドを歩いてこんがりと日に焼けた印象に残る登山となりました。
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