スカイ島ドライブとオールドマンオブストア
スコットランド歩きの5日めは、あいにく終日の雨。ですが、ともかくハイランド地方の宝石とも称される海辺のリゾート、プロクトン(Plockton)の村へ。ぽかぽか陽気なら潮風に吹かれ、海辺の風景をながめながらお散歩といきたいところなんですが、何せ一歩でも車の外へ出ようものならぐしょぬれになってしまうほどの豪雨。白くけむる窓ガラス越しにプロンクトンの村を見物し、その後は、水しぶきをあげながら向かいの半島の突端にあるストローム城(Strome Castle)の城跡を見に行きました。まあ、見えないことはなかったですが、陰惨な雨にそぼぬれる廃墟と化した城跡でした。
翌日は、いよいよハイランド地方滞在の最終日。明け方には、前日の雨は降りやんでいたものの、くもりとにわか雨の天気予報。山にはのぼれそうもないのでスカイ島をドライブすることにしました。スカイブリッジをわたったときには車の窓にはりついていた小雨があがり、行く手の空が明るみをおびてきたかと思うと、
低くたれ込めていた雲がじょじょにほどけはじめたのでした。
お日さまが照っていると、スカイ島の景色はほんとうにきれい。おだやかな風景にいだかれ心まで広々としてきます。
そのうえ、ハイランド地方にやってきたのに、今回は、一度も見かけないなあと思っていたハイランド地方の名物ヒーランクーにも会えました。
ヒーランクーとは、ハイランドカウ(Highland Cow)のこと。スコットランドはハイランド地方原産の牛。さすがハイランド地方の厳冬をすごす牛たち、豊かな体毛におおわれています。牝牛にもみごとな角が生えていますが、見かけによらずおとなしいです。
通りがかるほとんどの車がとまり、おりてきた観光客たちがカメラをかまえてもそしらぬ顔。きっと、こういう状況に慣れているんでしょうね。
さてさて、しばしの写真撮影を終えたわたしたち、牛たちに別れを告げてさらに内陸へと車を進めます。
この道路案内も、ハイランド地方の名物。黄色い文字は、スコットランドの古語ゲール語。白い文字は英語で表記された地名です。
この道案内、来た道をふり返って撮ったもの。わたしたちは一番下のポートリー(Portree)へ向かいます。
キュイリン山(Cuillin Hills)のSgùrr Alasdairのいただきは、スカイ島の最高峰992メートル。(Sgùrr Alasdairの発音は、こちらのサイトのSgùrr Alasdairの右にあるスピーカーのアイコンをクリック)
ポートリーにやってきたわたしたち。これは、町の中心の広場。
ポートリーは、スカイ島では一番大きな町。観光客も少なくはありません。町のようすをごらんになりたい方は、前回、ポートリーを訪れたときのこちらとこちらでどうぞ。前回、出くわしたようなマーケットを期待していたわけではないのですが、ランチはポートリーでと計画していたものの思いのほかお天気がいいので、町は見て歩かずに、ポートリーの北方、今日のドライブの目的地であるオールドマンオブストア(The Old Man of Storr)に向かうことにしました。
はるか彼方に見えてきました。
オールドマンオブストアの奇岩。
さすが、スカイ島の名所。駐車場には車がいっぱい。もしかの可能性を考えて車に積み込んできたウォーキングブーツにはきかえ、いざ、あの奇岩群のふもとまで。
青い海と空をへだてる山なみは、スカイ島に寄りそうようにうかぶラッセイ島(Isle of Raasay)。
木だちをぬけると、視界が開けて、
オールドマンオブストアももうすぐ。
719メールの高みから向かいのラッセイ島を見おろしています。
ふもとまでは行けますが、てっぺんまではちょっと......。
オールドマンオブストアがながめている景色はというと......。
昔は地つづきだったのになあ~。
などと、太古の時代に思いをはせているのかも......。
なんだかここでは、時間もゆったりと流れているかのようです。そんなのどかなひとときをすごしたあと、わたしたちは来がけに東側からふりあおいだスカイ島の最高峰キュイリン山(Cuillin Hills)の西側の姿を見物に出かけることにしました。
ところが、うつり気なスコットランドの空、霧雨が車の窓ガラスにはりつきはじめたと思ったら、
来がけには反対側からくっきりとのぞめたキュイリン山の峰々は、綿帽子をいただいて。
ですが、目の前に天をつくかのように立ちはだかる山々の足もとから立ちあがる急斜面に目をうばわれて、「来年は、この山にのぼる計画を立てようか」と、ぼうぜんとした口調の夫イアン。「うん。そうしよう~」と、うっとりと見えないいただきに思いをはせるわたし。
スカイ島でも、スコットランドの山々の持つ神秘的な魅力にすっかりからめとられてしまったのでありました。今回のスコットランド滞在中、お天気がすぐれなかったので、登りたいと予定していた高い山々にはまったく登れずに最後の日を迎えることになったものの、登りたい山々のリストに新たな山の名をきざむことになりました。そして、翌朝には、「また、来年、会いにくるからね~」と、あいかわらず霧雨にかすむハイランド地方の山々と再会の約束をかわして、イングランドのわが家へと帰途についたのでした。
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