ヴィクトリア&アルバート博物館とウエストミンスター散歩

公開日 : 2012年12月10日
最終更新 :

ロンドン滞在の2日め(1日めは、こちらこちら)、「今日は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館にするか?」と、イアンが言うもので、とくに行きたいところもないわたしは、「うん。いいよ」というわけで、地下鉄のサウス・ゲンジントンの駅で下車したところ、地下道を歩いていると館内へ直結していました。

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)は、世界中から集められた美術・工芸・デザインなどの400万点に及ぶ収集品を所有しているとのこと。大英博物館(British Museum)の所蔵品は800万点ほどらしいので、ほぼ半分といったところ。ですが、大英博物館で展示されているのは15万点ほど。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の展示品の数については不明ですが、大英博物館にひけをとらない数なのではないかと。

全部の展示品をていねいに見てまわると、こりゃ、とてもわたしのオツムには入りきらない~!という事態におちいりそうなので、とにかく、早めに、好みの方面をおさえておくことにしました。とくに行きたいところがあるわけでないわりには、ちゃっかりしているわたし。お目当ては、ガンダーラ仏。

アレキサンダー大王の東方遠征によって東西の出会いが生んだヘレニズム文化。現在のパキスタンはペシャワールの辺りで花開いたガンダーラ美術の仏さまのおだやかで気品に満ちたエキゾチックなご尊顔を拝すと、そこに行けば、どんな夢もかなうというよ~。と歌われるのも、うなずけるような気がいたします。だれもみな行きたがるが、はるかな世界~。現代では、あまり治安がよろしくないようなので、行きたがる人はそういないかもしれないですが。それに、イアンのペシャワール出身の友人によると、ブラディ・ブリティッシュ(いまいましいイギリス人)によって、自分の国から略奪された盗品というかなり物騒なことにもなるのではありますが。

おお、こちらの仏さまは、また、妖艶な色香をただよわすほどの麗しさ......。

大理石の階段を踏みしめて2階へ足を進めると、これは、イギリス国内の教会からの略奪品? それとも、献上品なのでありましょうか。

人々の心を救済するために生まれた宗教は、芸術をはぐくむ揺りかごでもあるようですね。ところで、館内にならぶ展示品とならんで、わたしの目を奪ったのは博物館の建物自体。

どうやら、ここから見おろせるドーム屋根の真下が正面玄関の案内カウンターのような。

「出てみよう~」このような壮麗な内装の博物館、外から見るとどんなだろうと思ったのでした。そして、それはもう、期待を裏切らない、うわぁ~っ!と、度肝を抜かれるほどの巨大さだったもので、とても入りきりませんでしたコンパクトカメラのレンズのなかには......。

何とかおさまったのは、入り口のみ。片側2車線だったか3車線だったかの交通量の多い道路を横断して向こう側にわたれば、全貌とまではいかなくてもおおよその外観がわかるくらいの写真は撮れたような気もするのですが、見あげる博物館の建物の背後には、ぬけるような青空が。イギリスにはめずらしいこんなお天気に、屋外にいるだなんてもったいない。博物館見物はお天気悪くてもできるんだから、「外を散歩しよう~」というわたしの意見には同意したものの、「まだ日本の展示室を見ていないじゃないか」とイアンが言うもので、また、どうせ鎧兜(よろいかぶと)や日本刀、根付に、陶磁器がならんでいるのだろうと思っていると、案の定......。

どうしたわけだか、十二単とかって、あんまり見かけないですね。ところが、こんなのありましたよ。

スイートロリータと紹介されてましたが、それが何やらよく把握していないわたし、一応、日本人、なのですけれど......。

でもって、パンクロリータに、ゴシックロリータなのだとか。

古風なものより人目をひいているにもかかわらず、このロリータたちは期間限定の展示物のようでありました。実は、このあとも、この博物館の名前に冠されているヴィクトリア女王とアルバート公関連の展示なども見てまわったのですが、すでに見物したもので頭がパンク状態なのと、外の青空が気が気ではないのとで、ウエストミンスター駅にむけて、地下鉄に飛び乗ったわたしたちなのでした。

さて、地下鉄のウエストミンスター駅から地上にはい出たところ、素晴らしい青空のもとには、ロンドンアイ。

そして、ふり返ると、ビッグベン。

ロンドンバスと国会議事堂がころ合いよくカメラにおさまらないかな~。とがんばってみたのでしたが、歩道上は観光客でごったがえし、車道は雑多な車でごったがえし、こんなところがやっと。せっかくのお天気なのにな~。と、そこへ、ゴォ~~ン! ビッグベンが、午後1時を告げる鐘の音が。おお~っ。毎晩、6時のBBCニュースのはじまりに、耳にするのと、まったく同じです。そのニュースの中でBBCのレポーターが、国会議事堂内からレポートをすると、観光客らしき人影がふらふら。そして、その背後に見える背の高い壁面、何とも込み入った浮き彫りになっていて、近くで見てみたいなあ~。と思うことがしばしば。なもので、ロンドンへ行ったら、国会議事堂に入ってみたいと思っていたのでしたが、いえいえ、予約を取っておとかって大げさな見学ではなく、もしふらりと訪れることができたならということで。イアンは、労働組合からロビー活動に行ったことがあるもので、連れてってやるよ、なんて簡単そうに言っていたのでしたが、どうやら国会の会期中でないと入れてはもらえぬようです。というわけで、国会議事堂は、外壁のみながめてきました。

それでも、やっぱり、すごい。そのあとは、官庁街を北上することに。

首相官邸のあるダウニングストリート。ゲート内を進行中の車の先の黒い建物の10番が首相官邸です。

その先のホーズガーズの衛兵さん。

入れかわり立ちかわり観光客がこの衛兵さんのかたわらに立ち、ポーズとチーズを決めてスナップショットにおさまっているのですが、表情ひとつ変えず、身動きひとつせず。その背後の掲示板いわく、「注意 馬がけったり、かみついたりしても、あしからず。サンキュー」。にこりともせず、ジョークをかます。ここは、やっぱり、イギリスの首都ですね。

おや、前方に見えてきたのは、

トラファルガーの海戦でフランスとスペインの連合艦隊を撃破したにもかかわらず、海戦に命をささげたネルソン提督の記念碑とトラファルガー広場。

ネルソン提督の記念碑の背後には、ナショナルギャラリーNational Galleryもあったのですが、

「ダメダメ、今日はもう満杯~」イアンも、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の見物で頭がパンク状態だったみたいで、このあと、わたしたち、さらに北上し、夜に出かけることになっているミュージカルの劇場の位置をたしかめにレスタースクエアに向かったのでありました。

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