サマータイムの雪の丘イングラム
今年は、たまたま、イースターサンデー(復活祭の日曜日)がサマータイムの初日と重なった先週の日曜日。わが家から北へ車で1時間ばかりのノーサンバーランド州(Northumberland)の村イングラム(Ingram)の丘へウォーキングに出かけてきました。
イースター(復活祭)の時期は、子羊の生まれるラミング(Lambing)シーズン。ウォーキングコースになっているパブリックフットパスには、生まれたばかりの子羊たちへの注意を呼びかけるサインがお目見えします。そして、牧草地では、子羊ラムを連れた羊たちが春の日ざしを背にうけて、新緑の草をはんでいる姿を見かけるはず、なんですけどね~。
丘のうえは、ずぼっと足を踏み込むばかりの雪深さ。
子羊どころか羊どころか、動くものの姿はどこにも見あたりません。
わたしたち以外......。
あたりを支配するのは、ひたすら穏やかな時間と白い静寂。
風は、微風......。
雪を踏みしめて歩く自分の足音以外、耳にとどく音はありません。
行く手をおおっていた雲の一部がほころびはじめ、白い風景画のようだった視界に光と影のうねりが......。
こうして、大地の半分は光に満ち、
ふりあおぐ空の厚い雲の雲間の中央に顔をのぞかせているのは、
イギリスの冬の太陽は、こんなに高い空を運行することはないのです。
春のお日さまが、雪原をやわらかく照らすと、
大地への春の到来も、もうそう遠くないことを約束してくれているかのよう。
ウォーキングのサークルルートの折り返し地点、コックローンパイク(Cochrane Pike)。
このあたりには、新石器時代から青銅器時代にかけての古代の人々の住居跡が点在しているはずなのですが、雪に埋もれているせいなのか、時の流れに埋もれてしまったせいなのか、見わけることができません。
ですが、2500年以上も前にこの丘の上で暮らしていた古代の人々の目も、春の到来を待ちわびながら同じ風景を映したことがあったにちがいありません。
もうそろそろ丘のふもと、という場所までくだってくると、動くもののなかった視界に、
向かいの丘にも......。
急に息づく命で(と言っても、子連れの羊の姿は見あたらないのですが)、にぎやかになった視界の先には、わたしたちが到着したときには閑散としていた駐車場。
そして、駐車場の片すみに、
子供たちにとって、アイスクリームの持つ魅力は季節を問わない? そうだった、そうだった。イースターは元旦からはじめての祝日で、しかも4連休の大型連休になるので、日本で言えば、ゴールデンウィークのようなもの。今年はまだまだ雪に埋もれてはいるけれど、アイスクリームバンがあちこちの観光地に出没する本格的なイギリスの観光シーズンのはじまりなのでした。サマータイムとアイスクリームバン、それから、行楽にくり出す人々の体内時計は刻々とイギリスの春を刻みはじめています。
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